2004年 11月 20日
◆読書【辛口JAZZノート】 寺島靖国著 講談社α文庫 これまで音楽活動といえばハタ迷惑なカラオケ程度でそれも過去のことと、まことに貧相であったし聴くほうも節操なしである。演歌にフォーク、ロックに唱歌etc。ところが、ジャズだけどうしても苦手であった。ひと言で云うとよく分からないのだ。難解なのである。読書のBGMには歌詞にとらわれないインスト曲のほうがよいのだが、どうしても馴染めないという思いがこれまであった。ま、BGM扱いが間違い、きちんと対峙しないからだと云われれば、そりゃそうかも(苦笑)。 ◆寺島靖国氏のジャズ本をはじめて読んだとき、蒙をひらいたというか、まさに目からうろこだった。同氏は説く。 ・なんといっても、メロディーがよくないとダメ。 ・まずは現代のジャズから聴きはじめてほしい。 ・いわゆる「名盤」を信用するべからず。 そうか、最初の入り口でとちったのかとひざを打った。たいていのジャズ本は、スイングだやれビバップだのモード、フリーとかジャズの歴史書みたい、入門書じゃなく教科書だったんだ。いわゆる「歴史的名作」に沿って聴き始めたのがつまづきのもとかと納得。もっと気楽にメロデイがくっきり分かるものから入っていくべきだったと、これでいっぺんに寺島教に宗旨替えした次第。で、それからちびちびとお気楽モードでジャズを聴きはじめている。 ◆本書は寺島先生の処女作で初版は1987年、読むのが後回しになっていたもの。内容は既存のジャズ評論諸氏に挑戦というかもう喧嘩を売っているようなもんだから、当時はさぞや喧々ごうごうであったろう。なかでも黒人女性歌手はもうボロクソである。。 ・ビリー・ホリデイ、度しがたく暗い、いくら努力しても好きになれない。 ・エラ、アニタ、ベティ・カーターという、わるいが化物(偏見です)としかいいようのない黒人女性ばかりで“いい女”はまず登場しない。 まあ、ここまで本音を語れるというのも凄いというか。いや、人種差別ということじゃないですよ。私も正直云って、巨体の女性は苦手で、あたりまえだが“いい女”が好きなことは同じだ(笑)。 それでも、版を重ねて文庫に入り、著者は今でも健筆をふるっているのだから、氏の評論姿勢が支持されたってことでしょう。
by chaotzu
| 2004-11-20 18:02
| 読書
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