マイ・ラスト・ソング

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2004年 11月 24日

マット・スカダーの酔いどれ時代

◆【読書】「一ドル銀貨の遺言」「聖なる酒場の挽歌」ローレンス・ブロック 二見文庫
 入院中に読了した本。二見文庫唯一の目玉「マットです、きょうはパスしておきます」のマット・スカダー・シリーズ、三作目と六作目、このときはまだお酒をだいぶ呑んでいたアル中探偵の時代。
 五作目「八百万の死にざま」のアル中ぶりがあまりに凄まじかったもんだから、長い間その前後がこわくて読めなかった。酒呑みの自分を投影するようなこわさがあったのかもしれない。たしかに15、6年前はよく酔い潰れていた。AAの会みたいなものが身近にあったら行っていたかもしれない。「きょうは聞くだけにしておきます」なんてね(笑)。
 本のほうだが読みはじめるとあっという間に2冊読了。とくに「聖なる…」は秀逸。
b0036803_217183.jpgブロックの語り口はほんとにうまい、唸らされる。田口俊樹氏の翻訳もおおいに寄与している。出てくる飲み屋の多いこと、アームストロングの店、ミス・キティの店、モリシー兄弟の店……、9.11前のニューヨーク気分を味わうにはもってこいだ。謎解き興味もそんなに要らない、雰囲気だけで十分堪能できる。飲み仲間の物語という点では映画の「スモーク」も似た感じであるが、結末は小説のほうがはるかに重い。
 シリーズものとしては、ロバート・B・パーカーのスペンサー・シリーズよりはるかに上だと思うが、早川書房はなぜ見切ったんだろう。大チョンボだよな。
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by chaotzu | 2004-11-24 21:08 | 読書


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