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マイ・ラスト・ソング

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2004年 12月 15日

空港にみる地域エゴ

◆大阪空港(伊丹)の格下げに地元市が抵抗しているが、これこそ身勝手というものである。かつて昭和50年ころ、伊丹駅前に「空港撤去宣言都市」の大きな看板があった。当時は空港の存在がどれだけ地元民の生活を脅かしているか、もっぱらそんな意見ばかりだった。それが関西空港の建設と平行してそろりそろり方向転換し「地元民が空港利用者の犠牲になるのはまっぴら」が「空港利用者の利便も考えましょう」になっている(苦笑)。これでは交付金や騒音対策費などのお金を国から引出すための口実と言われてもしかたない。たしかに関西空港よりも便利な場所ではあるが、あの民家密集地の上空でみる着陸態勢の旅客機はどうみても異様だ。目先のお金よりも空港跡地のほうがよほど大きな財産になるのではないか。神戸空港の地元エゴもかなりひどいものがあるが、神戸のほうは関西空港と高速船で30分程度と近いので、2空港の一体的な利用が期待できる。もっとも、これも地域エゴをどれだけ抑制できるかにかかっている。
 京阪神で空港が3つ、本州と四国との橋が3本、もういいかげんにせんとあかん。
◆【読書】「さよならは言わないで」 ロバート・ゴタード 扶桑社海外文庫
 かつて駆け落ちの約束までして裏切った人妻にかけられた殺人容疑を、贖罪心にかられた主人公が救うというはなし。しかし主人公がてんでアホなので、感情移入できない。優柔不断で思慮浅く行きあたりばったりは、イライラする。悪い奴らのほうがよほど手が込んだ「努力」をしている。結局主人公を助けるのは偶然である。なんも活躍しとらん。ゴダード作品にはこういう情けない主人公ものがある。ストーリーが先走るあまり、血肉のついた人物像がおろそかになっているからだ。それでも投げ出さずに読了したのは、卓抜したストーリーテリングゆえか。

by chaotzu | 2004-12-15 18:00 | 時事


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