2005年 01月 19日
◆東江一紀訳 創元推理文庫 ストリート・キッズ上がりの探偵「ニール・ケアリー」シリーズ3作目。前作の中国ものがどうも難渋であったが、これはすらすらと読めた。簡単に云うと、ドンパチ西部劇で後半は大アクションになる。サイド・ストーリーであるニールと義父との愛情には泣かされるし、嫌われ者だった上司のレヴァインが今回は大活躍である。しかし反ユダヤを標榜する白人至上主義のカルト団体って絵に描いたような敵役、いまどきそんなのいるのかな、よく分かりません。ハリウッドにはけっこう受けるかもしれない。 それにしても3作とも作風を変えているわけで、作者の力量はたいしたものである。あるいは達者になったのかもしれない。3作共通するのは、はじめは子供っぽかった主人公ニールが大人になっていく過程であり、成長小説としても読める。 ところでこのシリーズは全5作あって10年ほど前に完結しているのに、その4作目、5作目がなかなかでてこない。後で出た別シリーズが角川文庫で既に刊行されているというのに、いったいどうなっているのだろう。フロスト警部シリーズも同様延び延びになっており、東京創元社も変った版元だ。もしかすると、翻訳料をけちっているのだろうか(笑)。
by chaotzu
| 2005-01-19 21:58
| 読書
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