2005年 01月 24日

簡単ではないカラ残業問題

◆大阪市役所のカラ残業問題について、市の監査委員会が超過勤務手当の返還を市長に勧告した旨の報道があった。2つの区役所で9000時間弱、約2500万円の返納である。大阪市の職員組合も自主返納を提案しており、これで少しは税金の無駄遣いが減ると期待したいところだが、はたしてどうだろうか。つまるところ、カラ残業で叱られたのであるから、実際に居残ればいいだろうという理解になりはしないか。それでかえって電気代なんかが前より高くついたりすると、カラ残業のほうがかえって安く済むというジレンマになる。
 本日の読売夕刊は、支給される制服(スーツ)を子供のサイズで注文する市職員がいたとの報道。一部職員の行為にせよ、こんな「裏技」が事実とすれば、「残業」が直ちに減るとはどうも期待しがたい。公費の節約という観点ではカラ残業相当分の超過勤務手当の予算を減額するしかないと思われるが、それが出来るかである。b0036803_23494569.jpg
◆ただ事務系の職場で残業をどうみるかというのは、実際悩ましいところがある。あたりまえのことだが、実際の残業とただの居残りは別物である。季節要因やイベント開催、突発事の対応など、明白なスポットの残業もあるが、まぎらわしい場合もある。そして実際の退社時間はというと、仕事の熟練度や取組意欲のほか、家庭の事情や麻雀仲間の都合などいろいろな思惑で前後することがある。
 自分の場合、病気してからはとにかく早く退社したい一心である。デートの約束がある人は、通勤途上から仕事の段取りを練って、朝いちばんからトップギアで張り切るだろうし、奥さんとの折り合いが悪くて、なるべく早く家に帰りたくない人もいるといった具合である。
 また、高度成長期に残業が常態化して残業代が生活給同然になってしまった側面もある。この辺り、低成長期に入ってから、裁量労働制やフレックス・タイムの導入など経営者が軌道修正にやっきになっているようであるが、これまた過労死の背景やサービス残業の合法化になるという批判もある。
◆昨今は労働基準監督署があちこちで残業代の不払いを摘発している。それで思わぬ「臨時ボーナス」の恩恵にあずかった人もいるだろう。しかし労基署が前述の事情をどこまで理解しているか疑問がある。なんだか経営の擁護をしているようであるが、居残った時間の残業代を全部払ってくれるのならば、それに対応した仕事ぶりの人が増えるのは目にみえており、それもまた見苦しいものである。あるいは役所のカラ残業のもともとの発想はその辺にあったのかもしれない。いわば「残業談合」である。しかし実績がない談合となれば詐取同然であるから、返還は当然のことだろう。
◆また、頭の固い役員や幹部には昔風の「勤勉は美徳」信仰があって、さっさと退社する社員を快く思わない風潮もなお残っている。それで、無遅刻無欠勤で退社は誰よりも遅く、休日出勤もいとわない社員を頼もしく思っていたところが、実は業務上横領の発覚をおそれてとても休めなかったという「笑いごとでない話」もあるくらいだ。
 結局のところ問題は、公平・客観的な勤務評価制度の構築とそれを人事考課なり給与査定に正確に反映する仕組みに帰結してしまう。いやこれじゃ、当たりまえすぎか。
[PR]

by chaotzu | 2005-01-24 23:46 | 時事


<< 特権意識むき出しの議員年金存続      初体験のケータイ機種変更 >>