2005年 02月 03日
◆講談社文庫、幸田敦子訳、ゴダード7作目の作品である。小説の読書というと、同一作家ものを時系列で読むことが多い。ゴダード作品はブック・オフ105円本で仕入れたものが残り3作あるので、まだ当分つきあわねばならない。 本作の主人公は詐欺師、これまで主人公のアホさ加減を酷評してきたが、作者も目先を変えてきたようだ。さすがにとことん愚かなことはなく、これまでの主人公に比べて抜け目のない部分はみられるものの、時々詐欺師らしからぬ経済合理性のない行動をとることがある。二転三転するストーリー都合に踊らされているわけだ。 訳者もあとがきで「サービス精神がやや過ぎて、筋書きのために置き去りにされるものがある。ときに『心』が」と記している、ほんとそのとおりである。 物語はいわゆる陰謀史観もの、オセロ・ゲームのごとく二転三転するストーリー展開であるが、あっと驚く意外性があるわけでなく、格別に面白いというほどではありませんでした。
by chaotzu
| 2005-02-03 21:06
| 読書
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