2005年 02月 16日

【NHK・BS】「自転車泥棒」 やるせない哀しさ

◆1948年イタリア映画。イタリアン・ネオ・リアリズムの不朽の名作と評されるも、子供の頃、テレビでちらっとみてあまりに暗いイメージであったゆえ、これまで敬遠してきた映画である。b0036803_20561191.jpg
 物語は父親と息子の絆が軸であるが、大戦後のイタリア社会の実相も容赦なくえぐっている。ひとことで云うとやるせないほどの「貧乏映画」。ほんとうにやりきれないというか辛い内容だ。自転車を盗んだ若者を偶然見つけて追及するも、そこは「泥棒集落」で住民総出の反撃をくらってしまう、貧乏な主人公より更に底辺の人間がいるといった具合である。また、一部の富裕階級や教会、共産党らしい組織?まできちんと描いている。
 唯一の救いといえば、自転車の持ち主が子供に気づいて父親を警察につきださなかったことぐらいであるが、群集にこづきまわされる父親の姿はあまりに哀しい。
 この当時、アメリカの映画やテレビドラマは最新の文化的生活を謳歌した憧れの対象であるも、あくまで別世界であった。その点同じ敗戦国であったイタリアの映画にはまさに日本と重なる人々の姿や風景があった。自分はかろうじてその辺りの理解ができる世代であるが、さて、いまの若者がみるとどうだろうか。
 自転車がいっぱい駅前にゴロゴロ放置されているいまのご時世であれば、さっぱりうけないかもしれない。それどころか、ちゃんと施錠していないから悪い、みっともなくダサいこんな父親嫌だなんて思い切り突き放した見方をするかもしれんな(苦笑)。
 この映画には続編があると思う。それは父親の流す涙をみた幼いブルーノくんの後日譚であるが、みたひと各々が頭のなかで紡ぎだす物語である。きっと、しっかりした大人に育っているだろうと思う、そう思いたい。少なくとも寝屋川の小学校で教師の背中を包丁でぶすりと突き刺した少年みたいにはならんだろう。
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by chaotzu | 2005-02-16 21:05 | 外国映画


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