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2005年 02月 16日

期待どころか不安いっぱい神戸空港

◆中部国際空港がいよいよ明日(2/17)開港する。実は神戸空港も開港まであと1年(2006年2月16日)なのであるが、期待度の低さを反映してか、世間一般の関心は悲惨なまでに乏しいようだ。
 そりゃあたりまえだろうと思う。関西国際空港、伊丹空港が既にあって、近畿圏都市部で三つ目の空港だ、多すぎますって。おまけに関空二本目の滑走路新設ともろにぶつかっている。狭いところで空港が四つといってもいいかもしれない。どうみても足のひっぱり合いで共倒れ必至だろう。
 韓国の仁川空港、中国上海の浦東空港という強力なライバルとの国際間競争の時代であるというのに、わざわざ空港の人的物的インフラを分散させて隣近所で競争しましょうというのだから実に馬鹿げたことである。
期待どころか不安いっぱい神戸空港_b0036803_0153744.jpg◆地方空港としての神戸空港の需要予測は、来年の開港時は319万人、その10年後には434万人を見込んでいる。ちなみに平成15年度の国内線乗降客は伊丹空港1900万人、関西国際空港が550万人であるから、つまるところ、大半は伊丹の客をあてにしているのだろうが、はたしてうまくいくものか。
 発着回数は初年度54回/日を見込んでいるが、今のところスカイマークが羽田便8往復程度、ANAが約10往復、そしてJALが「早い段階で」10往復程度の表明であり、全部オッケーとしても、まだ26便足らないなんとか達成する。航空会社が様子見するのは、前記の事情からも当然であろうし、とらぬ狸の皮算用になりはしないのか。なにより歴史のある伊丹空港に比べれば、空港の利便施設もまだまだ貧弱だろうし、ただ滑走路だけあったらいいというものではないのですよ。
◆へたすると、但馬空港の二の舞になる心配がある。同空港は内陸部の空港では乗降客国内最小(平成15年度23千人)の悲惨さであり、着陸料収入は年間僅か約三百万円。兵庫県が航空会社に年間約1億円を超える赤字補てんをし、地元市町が利用客に助成金(大阪まで1万円が4千円になる)を出したりして、一日2往復だけの大阪便をなんとか維持している現状である。
 但馬の方には申し訳ないがはっきり云って赤字垂れ流し空港。だいいち地元の人も神戸に行くのは車(高速道)のほうが便利と云ってるほどである。神戸空港も同じ轍を踏む可能性大であり、その場合、赤字は神戸市民が背負うことになるのか。
◆大阪市役所職員の厚遇問題が話題であるが、神戸市に対しては、もう空港なんか造らんでもいいから、職員の厚遇をずっと維持してくださいと陳情するほうが市民の負担がずっと少なくなるかもしれん。こうなるともうほとんどシュールな世界です。
[追記]
 発着回数の件、往復便のカウントで勘違いしていたようだ。カッコ悪いが見え消しで修正しておく。それでも新空港に対するトホホ感はどうにも変らない。いやはやなんとも。

by chaotzu | 2005-02-16 23:30 | 時事


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