2005年 03月 08日

【DVD】 「スクール・オブ・ロック」 いつも心に太陽を

◆2003年アメリカ映画。昨年の封切時、この映画と「ビッグ・フィッシュ」のどちらを観るか迷った。ティム・バートンに敬意を表して後者をみたが、こちらでもよかったかもしれない。大いに笑わせてくれる学園コメディである。b0036803_22132417.jpg
◆学園ものといえば、熱血教師と貧困等の家庭問題を抱えた生徒の心のふれあいが定番であろうが、本作品はまるでその逆。問題を抱えているのは教師(しかもニセものだ)のほうであって、生徒はみんな育ちのいい子供で、親も教育熱心。
 ジャック・ブラック演じる偽教師「S先生」は、なまけもので平気でウソをつく、騙っている友人の名前すら綴れないといったいい加減さである。もっぱら情熱を注ぎ込むのはロック音楽だけ、だからせっせと子供たちに既成権威への反抗を煽っている。まずありっこない先生(笑)。女校長のジョーン・キューザックもたのしい役を演じている(ジョン・キューザックの姉だがなんとまぎらわしいこと)。コメディ向きのひとかもしれない。
 まあ、ご都合主義のストーリイが目立つものの、従来のパターンをひっくりかえした面白さがあって、イントロやエンディングも凝りに凝っている。観ていて愉しい映画である。なかでもロック・ファンにはたまらないだろう。「ロックの学校」があれば入学したい人もいるかもしれない。
◆それでも、従来の学園映画と共通することがある。それは子供それぞれの個性に着目して、いいところは誉めてやるということ。「ギターが上手」「すばらしいボーカルの才能」など、生徒の自信を引出していく。それはこれまで、大人におさえつけられていた部分でもある。
 他人を誉めること、実際はなかなか難しい。企業の人事教育でも部下のやる気を引出すには「まず誉めること」がいちばんの要諦であると教わる。たしかに、いつも否定的言辞ばかりの上司にあたると、たちまち「金輪際こいつにはついていかんからな」の気分横溢になる。当の上司は熱心に指導しているつもりだから皮肉なものである。これは親子関係でも似たようなものだろう。
 ただ、上っ面で誉めていてもすぐメッキがはげてしまう。自分の劣っている部分を直視して、嫉妬心も克服するというのは、なかなかたいへんなことである。この映画におけるS先生はロック音楽への溢れる愛情ゆえ、自然にそれをクリアーしている。
 見終わって、昔「いつも心に太陽を」という学園映画を観たことを思い出した(毎度旧いはなしで恐縮だが)。黒人の教師が白人生徒にとけこんでいくはなしであり、これも音楽がよかったなあ。
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by chaotzu | 2005-03-08 22:22 | 外国映画


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