マイ・ラスト・ソング

chaotzu.exblog.jp
ブログトップ
2005年 03月 09日

【DVD】 「大いなる西部」 地平線がみえる堂々たる西部劇

◆このところ毎日映画三昧で、すっかり映画日記のありさま。読書とちがって、体力的にずいぶん楽なのである。しかし、これだけ観ても、未見の映画リストは増えるいっぽう、あれも観てないこれも観たいの作品だらけである。
 つまるところ、若い時期にあまり観ていないということである。映画館に足を運ぶどころかビデオ店にも縁のない生活が一時期あった。ただし、ものは考えようで「お愉しみはこれからだ」ということかもしれない(もっとも生きていればである)。それと、年齢の進行によって映画の感想もずいぶん変わるということ。「卒業」なんていま観ると、なんちゅうアンモラルと眉をひそめるかもしれない。「イージー・ライダー」は、唐突かつあっけない終わり方に憤慨するかもしれない。
 その逆もある。歳とってからみたほうがもっと愉しめそうな映画だ。「大いなる西部」はまさにそんな映画である。すでに古典級の名作を今頃みるのも恥ずかしいが、3時間近い長尺がいっこうに苦にならず、映画鑑賞の愉しさが満喫できる。b0036803_22374292.jpg
◆1958年アメリカ映画。半世紀近い昔の映画なのに、びっくりするほどきれいな画質がうれしい。もしかすると、以前に見たことがあるかもしれないが、すっかり忘れている(笑)。主題曲は誰でも聴いたことがあるだろう、西部劇の定番テーマである。
 もうあらすじがどうのこうのは野暮というもの。原題はザ・ビッグ・カントリー、広大なテキサスの大地が主役かもしれない。鳥瞰やロングショットを駆使した奥行きのある遠大なシーンがつづく、人間の所為なんてちっぽけなものということか。
◆製作兼主役のグレゴリー・ペック、「白鯨」でのエイハヴ船長はすっかりミス・キャストだったが、東部から来た都会青年という本作のキャラはよく似合っている。脇役のチャールトン・ヘストンやチャック・コナーズ(懐かしのライフルマンが悪玉役だ)も好演、とくにヘストンは大根役者返上の感がある。監督の手腕だろうか。あえて不満をいえば、ヒロイン、ジーン・シモンズがちょっと弱い。とうのたったお嬢様イメージで、逞しい西部女にはあまりみえないのだ。
◆ウィリアム・ワイラー監督の数少ない西部劇である。「ローマの休日」の監督がこのような西部劇も撮っているのだから、達者なものだ。もっとも、みようによっては、旧来の西部劇に引導を渡した映画かもしれない。
[PR]

by chaotzu | 2005-03-09 22:46 | 外国映画


<< 【ビデオ】 「ホテル・ハイビス...      月刊DVD渥美清の「泣いてたま... >>