マイ・ラスト・ソング

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2005年 03月 14日

カメ&アンコー

◆かつてラジオの深夜放送が若者文化の先端を突っ走っていた時代があった。1960年代の後半から70年代である。テレビは一家に一台しかなく、インターネットもケータイもプレステもない、だからみんなトランジスタ・ラジオで深夜放送ばかり聴いていた。旺文社の受験番組なんかあったので親も看過していたが、勉強なんかろくにせずエッチな話ばかり聴いていたのである(笑)。深夜放送からのしあがったタレントも数多い、笑福亭仁鶴、桂三枝、愛川欽也、落合恵子(当時はなんとレモンちゃんだ)など多士済々である。その頃の熱心なリスナーはもう50代、そしていま渦中のニッポン放送社長を見てビックリするのである。“あのカメちゃんが社長さんだ”b0036803_20304329.gif
◆もう今さらばなしであるが、カメちゃんこと亀渕昭信氏はニッポン放送の看板深夜番組“オールナイト・ニッポン”の人気パーソナリテイだった。云ってみれば、あのタモリやビートたけし、中島みゆきの先輩格なのである。同僚の人気アナ斉藤安弘氏すなわちアンコーさんとコンビでレコード(かのフォークルの「水虫の唄」)を出すぐらいで、カメ&アンコーのコンビでおおいに一世を風靡したのである。
◆そのカメ社長は、本日子会社ポニーキャニオン株式のフジテレビへの売却検討を表明。ニュース報道ではライヴドアに対抗する「焦土作戦」らしい。おそらくフジテレビから云わされているのだろう。フジテレビの意向に沿う発言しか許されないし、だからこそ社長の座についている。いっぽう、アンコーさんのその後はどうか。ネットで調べたところ、50歳で子会社の㈱彫刻の森に転出し、そこの常務取締役で退任。そして一昨年の8月から再びニッポン放送のパーソナリテイ(嘱託職員?)に復帰している。カメ社長がむかしの仲間を呼び戻したのだろうか。
 一部上場企業の社長に登りつめたカメちゃんと比べて、10年来閑職に追いやられていた感のあるアンコーさん、かつての花形コンビの進路は対照的であるが、実際のところ、サラリーマンとしてはどっちがよかったのだろう。アンコーさん、閑職とはいえ彫刻の森美術館も優雅な職場であったろうし、今なお現役で好きな放送に携わっている。いっぽうサラリーマン社長のカメちゃんはなかなか云いたいことも云えない状況みたいだ。なんだか考えさせられる。
◆フジテレビ側が検討している「焦土作戦」、英語ではスコーチド・アース・ディフェンス(Scorched-earth Defense)と云われるそうで、まんま直訳である。このほか、M&A買収への対抗策としては「ポイズン・ピル」(毒薬)、「ゴールデン・パラシュート」(黄金の落下傘)、「ホワイト・ナイト」(白馬の騎士)、「ジューイッシュ・デンティスト」(ユダヤ人歯医者)、「ショー・ストッパー」などがあるそうだ(説明は省略します)。さきほど東京地裁が仮処分で差し止めたのは、「ホワイト・ナイト」作戦であるし、「ジューイッシュ・デンティスト」、「ショー・ストッパー」なんかはなんだか笑わせてくれる。
 ともすれば泥仕合になりがちな企業買収の裏舞台にこういうウィットに富んだ表現を持ち込むとは、英語圏の人々の発想力に脱帽である。どうも日本人は何から何まで生真面目すぎて気持ちの余裕に乏しいようだ。
「カメちゃん」の30数年後をみると、なおのことそう思ってしまう。
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by chaotzu | 2005-03-14 20:41 | 時事


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