2005年 04月 03日

【ビデオ】 「刑務所の中」 本邦初、刑務所ホームドラマ

◆2003年日本映画、モデルガン好きが高じて、銃砲刀剣類等不法所持、火薬類取締法違反で懲役3年ものおつとめをした漫画家花輪和一の同名漫画が原作である。「潜入」ルポといえば、鎌田慧の「自動車絶望工場」という傑作があるが、これはそれ以上で、3年間の懲役刑体験なんて潜入どころではない、まさにからだを張ったルポ。エビソードの順番を変えているが、ほぼ忠実な映画化であり、原作のテイストはよく伝えている。
b0036803_223217.jpg◆刑務所もの映画というと、受刑者同士の抗争とか看守との確執、脱獄など暴力的なはなしが定番になろうが、本作は殺伐ムードとはまるで無縁、いってみれば刑務所版ホーム・ドラマみたいなものである。なかでも食物のエピソードが断トツに多い。「正月はほんとうに食いすぎて腹ぐあいがあかしくなるな」「正月三日で4キロ体重が増えた」「まちこがれたマーガリン付のパン食、マーガリンと小倉小豆をまぜると味がひとしお」など、ほんとに「悪事を働いたのにこんないい生活をしていいのかな」の世界、懲罰房すら「誰とも会わなくていい、頭も使わないし、自分にビッタリの場所だな」「一生ここにいろと言われたらどうするか」と考えこむ主人公、オイオイ懲役っていったいなんのためだ(笑)。
 昨夜みた、NHKの討論番組の余韻が一気にさめるほどのインパクトがある。規制緩和も成果主義もそれがどーしたというぐらいの、自己の確立である。裏返せば、想像を絶する孤独が屹立している。
◆山崎務以下役者さんはみんな受刑者ぶりが板についている。田口トモロヲ、プロジェクトXのナレーションもいけるが、シャブ打ち演技もかなりいけてる、香川照之、真面目な役よりよっぽど面白い。松重豊なんかは犯罪者のほうが本職みたいだ(笑)。
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by chaotzu | 2005-04-03 22:06 | 日本映画


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