2005年 04月 17日
◆1996年刊、角川文庫 鎌田三平訳。「ミスティック・リバー」にさかのぼる著者第二作目であるが、骨格はよく似ている。少年のころあった事件が大人になってまたむしかえされる。少年(あるいは少女)たちのその後、そして陰惨なレイプ。 ステイーヴン・キングの「IT」にも似たところはある。道化師のイメージと甦るかつての悪に対決する成長した少年たち、あるいは同じボストンの私立探偵、スペンサーとその恋人スーザン、そして相棒ホークの物語とも通じるところがある。だから、はなしとしては面白い……はずなんだけどね。 ◆あまりに殺伐としすぎなのだろう。血と狂気と暴力だらけである。タイトルの「ダークネス、テイク・マイ・ハンド」は犯人の述懐であるが、どこか壊れたような人物だらけである。 この街ではかのレクター博士でも常識人にみえるかもしれない(笑)。 きわめつけは主人公の友人のブッバ、入り口にたくさんの地雷をセットした古倉庫に住みつく犯罪者であるが、いくらなんでもなあ。そのうち自爆しそうである。 しかし、次の作品もブック・オフ105円本で仕入れているから、いずれ読まずばなるまい。
by chaotzu
| 2005-04-17 22:09
| 読書
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