マイ・ラスト・ソング

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2005年 04月 18日

【読書】 小林信彦「物情騒然」

◆週刊文春連載中エッセー2001年分の文庫版である。連載中もときたま読んでいるが、文庫になるとついつい買ってしまう。なんともぶっそうな題名であるが、4年後のいまは「物情騒乱」のありさまで、さらにヒートアップしている。
 2001年、つまり21世紀の最初の年にどんなことがあったかというと、なんといっても、アメリカの9.11同時多発テロである。あとはイチロー選手の大リーグ1年目の活躍とか支持率8割以上の小泉首相、池田小学校事件、そして物故者では山田風太郎に古今亭志ん朝が採りあげられている。この本では、コイズミさんにはじめだいぶ期待していたのが、だんだんヤバいと思うようになっていくことや、志ん朝の死にショックを受けたことなどが述べられる。b0036803_2112346.jpg
◆それにしても、著者がいつのまにやら山本夏彦的ポジションにおさまってしまったこと、なにやら不思議な気がせぬでもない。周知のとおり、江戸川乱歩に頼まれて「ヒチコック・マガジン」の編集長に就いたことが、「文化人」としての出発点である。その当時の筆名は中原弓彦であるが、拳銃特集や映画紹介など、いまでいえばオタク雑誌であった(念のためつけ加えるとリアルタイムで読んだわけではない、古本屋でバック・ナンバーを買ったのである)。
どちらかといえば世間のひんしゅくをかうほうのポジションにいたわけで、それがいまや辛口爺さんであるのが、なんとなくおかしい。たとえば「肉じゃがはお袋の味」という発言にかなり反発している、肉じゃががいつからそんなに偉くなったんだという具合である。
 断っておくが、変節したということではない、ただ有為転変を感じるだけである。
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by chaotzu | 2005-04-18 21:19 | 読書


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