マイ・ラスト・ソング

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2005年 04月 20日

【NHKBS】 「屋根」 デシーカ監督に乾杯!

◆1956年イタリア映画、連日のビットリオ・デシーカ監督作品であり、NHKも喜ばせてくれる。
本作品。あまり知られていないが、なかなかの佳作でありました。
復興が進みつあるローマ、あちこちで団地が建設されている。それでも地方からどんどんひとが流入してくるので、住宅事情はかなりひっ迫している。
 結婚したばかりの主人公夫婦、義兄の借りる小さな家に身をよせている。両親も入れてなんと9人、新婚さん2人だけの部屋はない。なんやかやで気まずくなって、義兄と口論の勢いあまって大八車(なんと懐かしい)に荷物を積んでとび出してしまう。さあ、なんとかしてふたりの家を確保しなくちゃというおはなしである。一昔前の日本とほとんど同じ。とにかく戸数が不足していて住宅は質より量の時代である。
◆日本の場合は、「文化住宅」なる安普請のアパートが大量に建てられたが、イタリアはちがう。お国柄というか、無断で建築してしまうのだ(笑)。屋根まで仕上げればいちおう「家」として法律で保護されるらしい。そこで、監視の警官の目をかすめて、ひと晩でレンガ積みの小屋を建ててしまおうというわけ、タイムリミットは朝の8時、けんかした義兄も応援に駆けつけてくる。ちょっとしたサスペンス仕掛けである。
ラストをハート・ウォーミングにしめているゆえ、人情喜劇ものにとられるかもしれないが、実際はシリアス・ドラマのつくりである。あるいは、もっとコメディに徹しておれば、古臭さは緩和されたかもしれない。
 それにしても、水道とか電気はどうするんだろう、後で考えるんだろうか。そこのところは、いかにもラテン気質である。ローマ・オリンピックが開催されたのは、この映画からわずか4年後のことであるから、なんとかなったのだろう。
 ことの良し悪しは別として、イタリア人には、役所をあてにせず(というかあてにならないのだろうが)、なんでも市民の相互扶助でのりきってしまうところがあるようだ。マフィアの下地でもあるが、かつて破産寸前国家と揶揄されていたのが、どうしてどうしてどこ吹く風で生活を謳歌している。
◆それにしても、アメリカ映画よりもヨーロッパ映画のほうが好きなんだなとつくづく思う。とくにイタリア映画には親近感がある。西部劇も本場ものよりマカロニウエスタンが先だし、洋画で最初の記憶は「世界残酷物語」だ(笑)。「黄金の七人」もよかったなあ。
 
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by chaotzu | 2005-04-20 22:21 | 外国映画


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