マイ・ラスト・ソング

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2005年 04月 29日

郵貯銀行の幻想

◆すったもんだで、郵政民営化法案が閣議決定した。それにしてもコイズミさんはとことん強運だ。衆院補選では中国の反日騒動が追風になり、郵政改革ではJRの大事故が目隠しになった。
その郵政民営化、恥ずかしいはなしだが、民営化したとしてその後のイメージがどうもよく分からない。だいいち赤字補填基金が2兆円というが、そんな持参金付きの珍妙な民営化なんてありなのか。しかも2兆円というものすごい金額である。本来は国民の共有になるべき資産が、横取り同然である。いったいだれのための「基金」なのか。
b0036803_2035039.jpg◆そして、郵便貯金銀行、貯金量250兆円としても全国都市銀行の合計より多いマンモス・バンクになる。新聞でみる法案要旨では、施行日の2007年4月1日にみなし銀行業免許付与、10年後に完全民営化ということである。だから、その10年間のうちで段階的に銀行ビジネスを修行していくのだろうが、民間の会社になって銀行業免許を付与する以上、法律の範囲内で経営の自由を最大限尊重しなければならなくなる。
 だけど“しろうと銀行”でほんとにだいじょうぶなのか。税金や預金保険料を負担して、莫大なシステム費用が要って、なおかつ貸付ノウハウのない「銀行」が10年間で独り立ちできるのか。実際のところ、政府の役人は誰ひとり真に受けていないのではないか。
◆本来、金貸しというのは、どろどろしたシビアな仕事であって小奇麗なビジネスではない。「融資を受ける=お金をもらう」と考えているような輩がまだいっぱいいる。ガード(事前審査)をしっかり固めておかないと、たちまち暴力団や詐欺師連中の食いものになってしまう。さもなければ高利業者(ヤミ金)のごとく暴力装置をセットしておくしかない、そんな世界である。新銀行の代理店(窓口)は郵便局になるだろうが、特定郵便局長のなかには地域の政治権力等「有力者」との距離が近いひともいる。貸出しを取り扱うとなれば、それこそ有象無象悪いやつらの分捕り合戦になりかねない。おおげさではなくそんな心配がある。プロであったはずの民間金融機関でも不良債権にどれだけ伸吟したことか。
 いまの公社職員の能力レベルに問題ありということではないが、10年で独り立ちするとしても、相当数の人材を同業者からスカウトしないと無理ではないか。だけど、そこまでする必要がはたしてあるかどうかだ。
 貯金する立場としては、元本は確実に守って欲しいそれだけの一心である。加えて、いまでもオーバー・バンク気味であるのに、新たな巨大銀行を社会がほんとうに必要としているのだろうか。
◆新銀行ではアイワイバンク銀行という先発のビジネス・モデルがある。ローンは取り扱わずコンビニATMを武器にした手数料ビジネスと債券運用でやっている。願わくば、郵貯銀行も貸出しに手を出さず、国債等債券運用と手数料ビジネスで地味にやってほしいものだ。
規模がでかすぎるが、ペイオフがスタートする。有利な預金商品がなくなって、仮名預金を厳格に排除すれば、おいおいスリムになっていくだろう。長期間かかっても、不良債権をこしらえるよりましだと思いたい。
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by chaotzu | 2005-04-29 20:43 | 時事


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