2005年 05月 08日

【ビデオ】 「アントニアの食卓」 女系家族の終わらない物語

◆1995年オランダ=ベルギー=イギリス合作映画。
もしかするとオランダの映画は初めてかもしれない。このところ濫読ならぬビデオ濫見の毎日であるが、ときにああ見といてよかったという作品に出会うことがある。本作品もまさにそうで、だからこそ映画はやめられない。
◆肝っ玉かあさんの一代記であるが、ある種のユートピアを描いた映画でもあり、フェミニズム思想も混じっているだろう。かといって、それほど小難しくはなく、男性からみてむかつくということもない。
◆第二次大戦後のオランダの農村が舞台。いまのオランダは安楽死も認めているし、同性愛にも寛大、さらにエイズ感染防止のため注射器まで配っている。ちょっと行きすぎと思うぐらい自由の先進国であるが、映画中の農村は、さまざまな陋習があって、さらに宗教でがんじがらめにしているという旧弊なイナカ社会である。そして、そこにシングル・マザーの主人公が20年ぶりに帰ってきて……、というおはなし。b0036803_20581668.jpg
 ヒロインであるアントニアの家、庭においた大きいテーブルに、偏見のないアントニア母娘を慕ってさまざまな人が集まってくる。ずっとよそ者扱いのやもめ、知恵遅れ、兄弟に犯されつづけた娘、外国人、同性愛者、元カトリックの助祭、妊娠マニアの女……、さまざまなマイノリティが集まって擬似家族をつくっていく、だけど歳月はめぐりめぐって、いつか死亡というお別れがやってくる。
 それでも、親から子へ、祖母から孫へ、曾祖母からひ孫へと記憶は受け継がれていく。人々の別れはあっても、物語は終わらない。見終わってからしみじみ感に心底ひたれる映画。
◆余勢を駆って、「ロゼッタ」(1999年ベルギー映画)を見始めるが、これがなんともよく分からない。感情移入できずとうとう40分ほどでギブアップしてしまった。カンヌのグランプリだそうだが、よさがわからない。あるいは体調が影響したかもしれない、連休疲れか。生活のリズムが狂うので長い休みは案外苦手である。
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by chaotzu | 2005-05-08 21:00 | 外国映画


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