マイ・ラスト・ソング

chaotzu.exblog.jp
ブログトップ
2005年 05月 20日

【DVD】「喜劇・駅前旅館」昔の東京を観られます

◆1958年日本映画。森繁、フランキー、伴淳による駅前シリーズの第一作、伴淳つながりでレンタル、もう半世紀近い昔の作品である。20何作もあったらしいが、ガキの頃みたはずだし、その後もテレビでみているだろうに、さっぱり憶えていない。同じ東宝のクレージーキャッツや若大将のシリーズと対照的である。実のところ、森繁久彌のイメージも「屋根の上のヴァイオリン弾き」のテヴィエじいさんに固定してしまっている。b0036803_2311572.jpg
◆あらためてみると、森繁40代の若々しいこと、とりわけ滑舌の快調なことに吃驚する。森繁は渥美清を可愛がったらしいが、そういえば見かけや口調に共通点がある。これは自分にとって、新発見であった。
 映画そのものもギャグが炸裂する爆笑コメデイではない。派手なのはフランキー堺の珍妙なロカビリーぐらいか。なにせ井伏鱒二原作である、大人のエスプリに満ちた艶笑喜劇、それにホロ苦味も加わる。たしかに子供にとっては面白みのない内容である。
◆もうひとつの見どころは、高度成長前の東京の風景。舞台は上野駅近くの旅館、毎日大量の修学旅行生が押し寄せる。この時分は「東京に行く」ことだけでステータスだったのだろう。旅行生みんなはしゃぎ回ってもう躁状態である。今とちがって、ワルガキでも可愛いもの。なんと市原悦子が女子高生で騒ぎまくっている(笑)。このほか、頼母子講のお年寄りグループや地方の紡績女工の団体などが東京見物にくる。近代化する前の旅館ビジネスも含め、今ではみられないだろう光景に、なにやら懐かしさがこみあげる。
 そうそう、上質の風俗映画として愉しめるのである。
◆俳優メモ
・森川信 旅館の主人役、気が弱くて妻に引き回される。寅さんのおいちゃんと似たような役回り。
・浪花千栄子 紡績女工の引率役だが、強烈なキャラで周りを食っている。
・淡島千景 森繁といい仲の小料理屋おかみ、とにかく大人のいい女性役がピッタリ。
・藤村有弘 お堅い高校教師とみせて、森繁番頭に「社会見学」を要求するこの人ならではの役。
[PR]

by chaotzu | 2005-05-20 23:14 | 日本映画


<< 【DVD】 「みなさん、さよう...      急増ブログ人口、335万分の1... >>