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マイ・ラスト・ソング

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2005年 05月 30日

【DVD】 「喜劇・駅前茶釜」 ドンドンパッパでタヌキ汁、もうハチャメチャ

◆1963年東京映画、駅前シリーズ6作目。こんどは群馬県の館林市が舞台、分福茶釜の茂林寺がモデルである。ただし、映画では呑福寺にしている。
 それにしても、だんだん深みにはまっていくなあである。若い頃なら見向きもしなかったであろう映画だが、自分がうんと幼い頃の記憶に働きかけるものがあるのだろうか。駅前デジャヴ(笑)。
【DVD】 「喜劇・駅前茶釜」 ドンドンパッパでタヌキ汁、もうハチャメチャ_b0036803_7594714.jpg◆はなしそのものは毎度バカバカしいもので、骨董品屋の森繁と記念写真屋のフランキーが貪欲好色の伴淳狸和尚に狸汁を食わせて仕返しをしてやれが発端。大のおとなが、わざわざ仕掛けでタヌキを捕まえて、それをさばいて喰わせて、“やーいやーい共食いだい”と囃したてる算段、はっきり云ってまともな大人がすることではないが、それを大真面目にやっている(笑)。
毎度固い理屈はどうでもいい。何ごともドンドンパッパのドンパッパ、ドンドンプクプク、ドンパッパである(笑)。
 しかし、タヌキを水に沈めて殺そうとするところや、あっとオドロク、タヌキ汁の正体なんて、いまならば問題視されて、とうてい不可能だろう。もうメチャクチャでシュールすぎる(思い出し笑)。
◆見どころは、掛け軸の狸が飛び出してくる場面、三木のり平がなんとも薄汚いタヌキで出現する。森繁の女房役淡路恵子や本家の女主人役淡島千影にも化けるが、声はのり平のままという珍無類シーン。掛け軸の絵柄も三通りに変化してなかなか芸が細かいわいと笑わせる。
 もうひとつは、これも森繁、夢の中の“狸御殿”シーン、中尾みえが登場してタヌキ音頭でおおいに盛り上がる。こういうの大好きだなあ。とうとう駅前ミュージカルである。筋なんかどうでもいいわいだ。
◆まあいろいろあって、最後は伴淳和尚の呑福寺と、森繁・フランキーの新興“お狸神社”の対決、茶釜の本家争いであるが、要は金目当ての観光客の獲りあいだ。
 いまヤスクニ参拝がどうたらこうたら云われているが、日本人大多数の宗教観なんてこの程度のいい加減なもんであって、それは40年後の今も大して変っちゃいないのではないか。ぜひコ・キントウさんに観ていただきたい映画である、脱力するかもしれんな、こんな連中になに云うてもムダかって(笑)。
◆俳優メモ
・淡路恵子;珍しい森繁の奥さん役、ちょっとタカピーな役がこのひとの本線なんだろうけど、この映画ではものすごくだらしない悪妻を演じている。フランキーが早速足元からの寝姿を撮っている(笑)。
・ジャイアント馬場;お約束の有名人ゲスト出演、役名は大原庄平!ラストの乱闘シーンではこれもお約束の大活躍をする。王選手よりもセリフが多くて芝居していましたな。
・若林映子;和製の初代ボンド・ガールって、誰も知らんか(苦笑)。伴淳和尚の娘役だが、もうひとつでミスキャストの感があり。

by chaotzu | 2005-05-30 22:23 | 日本映画


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