2005年 06月 03日

【DVD】 「喜劇・駅前金融」 駅前版金色夜叉

◆1965年東京映画、なんと駅前シリーズ12作目である。1964年1月公開の「駅前女将」から1965年7月公開本作までの1年半の間に「駅前怪談」「駅前音頭」「駅前天神」「駅前医院」、なんと4作品がはさまっている。DVDリストになかったので気づかなかったが、そりゃ、作りすぎというもので、3ヶ月に1本ペースである(苦笑)。
b0036803_812353.jpg◆プログラム・ピクチャーの悪弊というか、こうなると熟成した脚本は望み得ず、もう役者の個人芸に依拠した映画づくりになる。はなしの構成もだいぶデタラメだ。乙羽信子なんか途中でなんの脈絡もない「家出」をしたままであるが、きっとスケジュール都合にちがいない。さらに熱海の温泉に泊まっていたはずが、夕食では伊豆船原温泉の「お狩場焼き」になったりしているという露骨なタイアップ(笑)。
まあ、はっきり云って粗製濫造。そのBC級感覚マンネリの極みがいいのかもしれないが、もはや前途ある若いひとが観るべき映画ではない、拗ね者の偏屈おじさんが横になってお気楽に観る映画だ(笑)。
◆本作は、フランキーが中心のはなし。会計学の学徒を中途で放棄して、クラブのバンドマンになったフランキー、いやこれだけでも突っ込みの入る設定であるが、かねて婚約と思い込んでいた恩師の娘に振られて、見返すために伴淳の高利貸しに弟子入りするという、まあ駅前版の「金色夜叉」である。熱海?の海岸で大仰な芝居をする。「今月今夜のこの月を僕のナミダで曇らせてみせる」
いっぽう、森繁は40にしてやっと税理士?でフランキーの先輩格、いつものパターンと逆で淡島千影に言い寄られるという堅物オトコである。今回は宴会芸で気を吐く程度。
◆ギャグは、伴淳と乙羽信子演じる高利貸し夫婦のケチぶり。なにせ債務者に撒かれた塩まで、はらい集めて飯のたしにしようかというぐらい。夫婦で旅行しても、黄金風呂(なんとナツカシイ)のカケラ採取とか余り飯の収集が関心事であるといったぐあい。
◆俳優メモ
・有島一郎;キャバレービルのオーナーで淡路恵子(錦ちゃんは亡くなったが、このひとはまだまだお元気だ)の夫役。上半身は不随だが下半身は元気という、今ならちょっとやばそうな設定であるが、淡路恵子との珍妙なゴーゴーダンスに爆笑。
・大空真弓;フランキーをふる「お宮」役、ラストでは、破産した夫の三木のり平と冷やしあずきの屋台をひいている。もうメチャクチャ(笑)。いっそ記憶から消去したい映画だろう。

・ビンボー・ダナオ;珍しや、淡路恵子の元内縁フイリピン夫、最後にちらっと顔を出します。
・和田弘とマヒナスターズ;お約束のゲスト、だけど「駅前小唄」って、もうだれも憶えちゃいませんぜ。
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by chaotzu | 2005-06-03 22:15 | 日本映画


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