マイ・ラスト・ソング

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2005年 06月 09日

【DVD】 「喜劇・駅前競馬」 馬なり悠々境地の喜劇、なんじゃそれ?

◆1966年東京映画、駅前シリーズ17作目。前作まで脚本を担当した長瀬喜伴が急死したため、藤本義一が脚本を担当している。だからどこか関西テイストがある。舞台は府中の東京競馬場駅前、前年に五冠馬シンザンが登場して、競馬人気が盛り上がってきた時代である。
◆シンザン→19戦15勝2着4回、要するに出走すれば全て連勝にからんでいる。直接は観ていないが、記録や証言からいえばおそらく日本競馬史上最強の名馬。最速馬は他にもいるが、シンザンこそ最強がふさわしい。
若い頃、日本全国を馬券師で行脚して回ればいいなと思ったことがある。小倉、新潟、福島、函館、札幌……、日本中の競馬場を旅して過ごしたいという、若者ならではの夢想(笑)。無謀より前にバカだな。現実は府中で泣き、中山でオケラのさんざんな競馬人生である(泣)。
b0036803_2217767.jpg◆閑話休題、この映画の駅前トリオもみんな無類の競馬好きである。女房の誕生日は忘れても馬の誕生日は覚えている。競馬に入れ込みすぎて寝言まで馬の名前を呼んでいる。だから奥方衆はみな欲求不満気味である。
◆だけど、その奥方衆、淡島千景、乙羽信子、大空真弓の会話もものスゴイ。みんな子供が欲しいんだけど、亭主は夜になると「アラアラ」「バタバタ」でサッパリ役に立たない。競馬にたとえて「見せムチ」や「鼻ネジ」が必要だと盛り上がっている。げに女性は恐ろしい(笑)。
映画は森繁、のり平、フランキーの競馬狂が馬主になって、その賞金は各夫人の「出産レース」で分配しようという、なんともものスゴいおはなし。女性を肌馬扱いで、今ならば絶対問題視されるにちがいないというか。
 とにかく、銭湯の亭主であるのり平が急にジョツキーで出場したり、競走馬の登録もすっとばしたりで、競馬映画とすればほんとにエエ加減なのである。藤本義一が知らぬはずはないから、おそらく承知の助なのだろう。東京競馬場も芝生コースじゃないので、どうもおかしいぞと思っていたら、いまはない山形の上ノ山競馬場で撮影したらしい。なにより右回りである(笑)。まあその辺の大らかさはたっぷり愉しめる映画である。
◆伴淳がやもめの競走馬生産者役で登場、今までとがらり役柄が変わり、女に目もくれない馬ひとすじの愛馬家を演じている。なにせウマと山形弁で会話している(笑)。
で、その放蕩息子が藤田まことであるが、毎度馬面ギャグばかりであまり面白くないのだ。てなもんやの後、しばらく低迷時代が続くが、なんとなくうなづけるものがある。
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by chaotzu | 2005-06-09 22:27 | 日本映画


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