2005年 06月 10日

【ビデオ】 「大阪物語」 漫才コンビ版夫婦善哉

◆(はる美)“どうもどうもよう読みにきてくれはりましたなあ。あんたもボーとしてんと挨拶せんかい”
 (りゅう介)“こんな零細ブログにまでようきてくれはりましたなあ”
 (はる美)“「おおきにおおきに“
 (りゅう介)“頼みもせんのに……”b0036803_22322592.jpg
◆1999年日本映画、関西テレビのなんとか記念製作である。「東京物語」といえば天下の名作映画であるが、「大阪物語」もちゃんとあったのだ。全然知らんかったけど。思わずレンタルしてしまうが、この間ボロクソに書いた沢田研二=ジュリーが出演している。
それにしても長生きはするもんだ。あのジュリーが“エロじじい”と罵られて、商店街で相方とレジ袋をぶつけあうケンカである。そしてトンボリ食い倒れ人形の格好までするジュリー(涙)。
◆夫婦漫才がテーマである。はる美&りゅう介という中年のさえない漫才コンビを現実の夫婦であるジュリーと田中裕子が演じる。子供が2人いて、若菜と一郎、あの昭和の伝説コンビであるワカナ・一郎にあやかった。もっとも実際のところ旧すぎて誰も知らない、ミスワカサなら知っているが(汗)。森光子の芝居「おもろい女」のモデルといえばいいだろうか。
 ご多分にもれず、このコンビも離婚する。またまたご多分にもれず男の浮気が原因である。だけどコンビは解消しない。離婚したほうがかえって人気が上がるというし、なにより生活の糧が必要である。元の家の4軒となりに新宅をかまえるジュリー、ネタの稽古でしょっちゅう以前の家に出向いて前妻と顔合わせするというけったいな関係。だけど、「蝶々&雄二」や「唄子&啓助」みたいにいかず、だんだん人気は落ち目になる。そして、また別の女に手を出す……。
◆沢田研二のダメ男、ダメおとうちゃんぶりがとにかくバツグンに傑出している。クラブ通いの次は賭場通いと悪癖やまぬジュリーにマネジャーが苦言。
“ほんま役に立たんことしかしまへんなあ”
“ワシは尖兵隊みたいなもんや、いろんな経験をしてそれをお客さんに伝えているんや”
“それほどの芸ですか” キツイナー(笑)。
前妻役の田中裕子もボロクソである。
“寂しそうにしてたしてたいうて、あんたが人助けいうてるんは、小便くさいオンナばっかりや”
とうとう娘の池脇千鶴にまでダメ出しされる始末。
“おとーちゃんはカスか?”
“そうや、しぼってもカスしか出ん”→このときのジュリーの表情がとにかく絶品である。
◆こうなればもう居たたまれず家出してしまう。それを娘が夏休みに、大阪中探しまくるということで、後半はロード・ムービー風の展開になる。大阪のあちこち紹介みたいなもので、格別きれいな景色があるわけでなし、ここは観るひとの好みが別れるところだろう。
◆ラスト、田中裕子がお墓の手配をする。はる美とりゅう介の墓である。線香をたてると、センサーが働いてありし日の2人の漫才が流れる仕掛け付き。 “全部借金や”
ここでほろっとくる。そして、ここまできて、やっと理解する。
なんだ「夫婦善哉」のトリビュートじゃないか。なんとアタマの鈍いことよ。
「夫婦善哉+父親探し=大阪物語」だった。そして柳吉はりゅう介か。
 そういえば、沢田研二、ことしは藤山直美と「夫婦善哉」の舞台をつとめたところだったな。
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by chaotzu | 2005-06-10 22:40 | 日本映画


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