2005年 06月 26日

【ビデオ】 「秋日和」 珍しや小津の爆笑ムービー

◆1960年松竹映画。ビデオ・ストックの消化であるが、30分ぐらい経ってから、どうも前にみたことがあるようだと気づく、それでもけっこう面白い。最後までクスクス笑いっぱなしである。b0036803_22521498.jpg
テーマは「花嫁の父」ならぬ「花嫁の母」、なんと原節子が花嫁の母になる。おまけに母娘で鉄筋の団地住まいである。リアルタイムでみた人にとっては、衝撃が走ったかもしれない(笑)。
そりゃそうで、このときまだ40歳なのだ。まだまだ娘役の司葉子を凌駕するものがある。はたして後述のおじさんトリオも同じ話題で盛りあがっている。
吉永小百合なんて還暦間近になっても、恋愛映画に出演している(汗)。それに比べると実に思い切りのいい女優さんだったんだなと、あらためて思いしる。
◆みていて愉しい映画である。とくに佐分利信、中村伸郎、北竜二のおじさん3人組の“漫談”がいい。ビジネスなど俗世間の話題は一切なく、学生時代の思い出や亡くなった親友の娘の縁談などで座が盛り上がる。女将をからかうシーンなんかは定番ギャグになっているようだ。
いわば「中年閑居して不善をなす」ならぬ「中年閑居して大きなお世話をやく」はなし。他愛のないはなしが、ふくらんでいって、なんだかおかしくなってくる。
佐分利信、どこか星野仙一に似ている。正確に云うと星野仙一のほうが似ているのだが、いや新発見であった。そうすると中村伸郎はヒロオカさんか、じゃ北竜二は誰があてはまるんだろう、てなことを考えてしまう。いや、ドーデモいいですが(汗)。
あと、ジョニ黒が平然と出てくるのにもビックリ。今ならばなんちゅうことないが、当時はサントリー・オールドでも上出来の時代ではなかったか。
◆もうひとり重要人物がいる。岡田茉莉子である。司葉子の同僚OL役ではじめ脇役かとみていたところ、なんのなんの後半ぐいぐいアピールすること。とくにおじさんトリオをとっちめる場面は、愉快ツーカイで抱腹ものである。北鎌倉あたりの良家の子女ではなく、東京下町の寿司屋の娘で世間慣れしているという、これまでの小津映画にはあまりみなかった強烈キャラで、完全に司葉子を食っている。
そう、この映画は原節子&おじさんトリオvs岡田茉莉子の映画でした。
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by chaotzu | 2005-06-26 22:54 | 日本映画


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