マイ・ラスト・ソング

chaotzu.exblog.jp
ブログトップ
2005年 06月 29日

【DVD】「人生とんぼ返り」リアリージュムいうのん、どこに売ってまんねん

◆連日、昔の映画ばかりみつづけているとさすがに不安になる。この前は「スラバヤ殿下」をみたが、そのことで自分の人生になにがしかのインプットがあったのだろうかと自問したりする。
いやないない。自分にとってもこの世界に対しても、なんのインプットもアウトプットもないだろう。
消費活動としてもたかが知れている。ただ時間が流れるのみ。
それでもきょうもまたみている(笑)。
b0036803_22212614.jpg◆1955年日活映画、モノクロ。丹下段平ならぬ、新国劇の殺陣師段平の物語である。
マキノ雅弘監督流の派手な泣き笑い映画で、物静かな小津映画とはとことん対照的であるが、はまる人は大泣きするだろう。 かくいうワタクシめも最後はまんまとしてやられました。
◆森繁の妻お春を演じた山田五十鈴が光っている。これまでほとんどバアさん俳優としか知らなかったが、セリフ回しの切れのよさ、伝法口調から一転しっとりと妻の情愛表現、うまいうまい、たまげました。途中で亡くなるが、全編登場の森繁に劣らない存在感である。
◆ストーリーは芝居にぴったりのコンテンツ満載である。
リアリズム剣戟を模索する沢田正二郎、いっぽう森繁の殺陣師段平は昔の歌舞伎調の振り付けしか知らない。“ようみとけよ、これがあ、山形あ~、そしてこれが千鳥い~ っや”
だから、はじめは沢正に受け入れられない。
“先生、いま云いはったリアリージュムいうのん、どこに売ってまんねん”
“先生、教えておくんなはれ、女房子供を質に入れてでも買いまんがな”
悲しいかな、文盲の段平、コトバだけではなかなか理解できない。
その後、地回りとの喧嘩騒ぎで新しい殺陣の発想に開眼するも恋女房の早逝や酒好きゆえの中風など暗転する人生、おりしも沢正が京都南座で、「中風の寝たきり国定忠治」を演じている。さあ殺陣師段平最後の出番や、中風病みの剣戟なら任せておくんなはれ………。
◆「中風の国定忠治」による剣戟なんて、スゴいアイデア(笑)。
森繁が大熱演、養女の左幸子も輪をかけて大熱演である。
まあアツいアツいそしてかぎりなくクサい映画です。
だけど泣かされます。
[PR]

by chaotzu | 2005-06-29 22:27 | 日本映画


<< 町山智浩アメリカ日記が読めんぞ(怒)      両陛下のサイパン訪問にいたく感銘 >>