2005年 07月 27日
◆1961年東宝映画、「用心棒」と併映されたらしい、なんと豪華な二本立て! 東海道新幹線が開業する前の関西出張のはなしで、当時の在来線特急こだま号(東京ー大阪間6時間)の様子が興味深い。途中横浜駅でシューマイを買ったりしている。時間は余分にかかっても、現在の新幹線より旅行気分がありそうだ。交換手付きの電話室なんてのがあったんですな。 また、この時期登場したインスタント・ラーメンも早速取り入れている。そのインスタント・ラーメンもいまや宇宙食である。 ◆今回の森繁氏は太陽食料という缶詰メーカーの社長さん、加東大介の総務部長が新商品をもって社長室にやってくる。 これがなんと「マムシの蒲焼」「カエルの大和煮」「カタツムリのフレンチ・グラタン」といったゲテモノ3種類の缶詰、大真面目にやっているがいったい誰が食べるのかな(笑)。ヘビとカエルとナメクジの三すくみみたいなもので、森繁社長が腹の中で忍術合戦するのかと早速ギャグをかましている。 いまでこそ、即席緬に冷凍やレトルトもの食品が普及しているが、この当時は缶詰が即席食品の代表格だったのである。鯨肉の大和煮や牛肉の江戸っ子煮とかよく食わされた記憶がある。シーチキンという大ヒット商品なかりせば、缶詰は非常食に追いやられているかもしれない。 ◆さて、その新製品を携えて、業績不振の大阪へ社長自らテコ入れ出張である。随行は総務課ヒラ社員の小林桂樹、堅物をかわれて社長の浮気の虫を牽制する特命も帯びている、まことに旧きよき時代(笑)。ところが大阪支店長が宴会大好きの三木のり平だから、まともにいくわけがない。 ◆いちばんの見どころは、取引先を招待した白浜温泉での宴会。太陽食料宴会トリオによる渾身の混線ショーでもって、いつもむっつり顔の南海物産三橋達也社長をなんとしても笑わせねばならない。ハネをのばしたい森繁社長は淡路恵子のバーマダムをこっそり呼んだりしている。 さて、いかが相成りますやら。 ・トップ・バッターは小林桂樹 「正午の時報、ボッボッボッ、カ~ン……ヅメッ」 ・次はトリオの石松ショー 「江戸っ子だってねぇ、カンヅメの生まれよお、 食いねえ、食いねえ、カンヅメ食いねえ」 ・三人が缶詰の扮装をして、森繁作のCMソングの大合唱、まるで欽ちゃんの仮装大賞みたいだ。 「♪カン、カン、カ~ン、カンヅメカ~ン 太陽のカンヅメかん マムシだ、ホイ! カエルだ、ホイ!」 (いい年こいて、こういう駄文をケンメイに書くというのも、ナンダカ脱力しそうである。映画の雰囲気を文字にしたいのであるが、ワタシ的には、こんなことしてる場合かと自問したりするー苦笑)。 ◆森繁の娘役で登場の浜美枝、父親に「カミカゼ・ペーパー」をおねだりしている。 カミカゼ・ペーパー? 猛スピードで消えていく紙、即ちお金のことだそうです。 まあ、ギャグがたくさんあって、けっこう笑わせてくれる映画でした。
by chaotzu
| 2005-07-27 23:31
| 日本映画
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