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2005年 08月 21日

棄権がこうもり政党を支えている~公明党

◆筒井康隆のSF短編「堕地獄仏法」、40年前にSFマガジンに掲載された作品であるが、ワタシの知るかぎり唯一の創価学会パロデイである。創価学会が「総花学会」、公明党が「恍冥党」になり、人気取り政策で政権を獲得した後の、情報統制、宗教国家の恐怖を描く。そして、「総花学会」「恍冥党」のぴったりネーミングは今さらながらスゴいのひと言。
初めて読んだときは、創価学会(=公明党)が政権をとるなんてありえないと思っていたので、大笑いしたものだが、それがなんと、いまや連立内閣にせよ実現しているのである。
「政治倫理の向上を叫ぶだけで、具体的な政治構想をもたないことが、今でも恍冥党の本領だった」「大衆の福祉誓いて堂々と恍冥党は駒を進めん」
40年前のパロデイ小説に書かれたことが、現在でもそのままあてはまってしまう。げにそら恐ろしい現実である。

b0036803_22553451.jpg◆現実の公明党という存在、歴史上はじめて登場した理念なき政党ではないだろうか。いや、あるといえばあるかもしれない、「とにかく与党にしがみつく」その一点だけだ。
かつて自社さ連立時代に池田名誉会長の国会喚問要求で揺さぶられたことから、もともとの与党志向がいっそう露骨になった。ちなみにその時の創価学会攻撃派の急先鋒が亀井静香であるから、こんどの広島6区の選挙は学会=公明党にとって千載一遇の復讐チャンスになっている。
昭和39年の結党時点では、社会の底辺大衆、いわゆる弱者の人々が支持層の主体であり、それを共産党と奪い合ってきたが、現世利益を標榜し、福祉利権の取り込みと選挙戦術の巧さ、そして低投票率のうまみでここまでのしあがってしまった。この間、そろりそろりと軸足も動かしつつあり、その節操のなさは真に呆れるほどである。もとより、支持母体の学会のほうも貧乏大衆の互助組織の原点はどこへやら、すっかり利権団体に変貌している。全国各地の豪勢な池田記念会館はその象徴である。

◆はじめの頃は「庶民大衆を守る平和の党」を自賛し、自衛隊は違憲の疑い、安保条約は段階的解消の主張だったのである。ところが、いまや委員長がイラク・サマワの現地に赴き「安全確認」してまで、自衛隊海外派遣のお墨付を出すほどの変わりようである。国連の決議がなかろうが関係なし、政権与党におられるならばどんな理屈つけてでもオッケーせにゃならんである。このままいけは、憲法改正はおろか、核兵器の保持まで追随しそうである。その時は「平和を守るための核兵器は容認されるべき」とか云いだすかもしれないが、それこそ、どっかの国と同じである。まして郵政民営化云々は政権パートナー次第でどうにでも転ぶだろう。

◆自民党の八代英太議員が衆議院選挙の立候補を断念するらしい。当該選挙区は東京12区、昨日のアカバーネである(笑)。公明党の最重点選挙区であり、同党との選挙協力をなにより優先したい小泉首相の「懇請」があったそうだが、自民党もなんとも首尾一貫しないものだ。
コイズミ自民党お題目の「小さな政府」といちばん相容れないのが、公明党=学会のバラマキ政策じゃないのか。
小渕内閣当時の商品券=地域振興券7000億円バラマキのことはもう口を拭ってダレもそ知らぬ顔をしている。そのいっぽうで、いまや児童手当の拡充にやっきである。票田のお年寄り層の先細りと在日外国人票がまだあてに出来ないので、なんとしても既婚の若年層を引きつけたいのだろう。文字通り「金で釣る」仕掛けである。昨年の4月に対象児を小学3年生までに引き上げたが、それを6年生までにし、なんと所得制限を年収1000万円未満まで緩和するとしている。サラリーマンで年収1000万円近いといえば相当な高給取りである。障害者が受ける福祉サービスについて一律の受益者負担を求める方向にあるそうだが、一般的にみて重度の障害者と年収1000万円サラリーマン、いずれが社会の弱者なのだろうか。おまけに将来は中学生まで支給を拡充したいとしているが、そのために必要としている財源は2兆4000億円、いったいどこにそんなお金があるというのだろうか。しかし、今のところは郵政民営化を賛成してやるから、その見返りで児童手当をもっと増やせというやり口でまかりとおっている。

◆さて、9月11日の総選挙、学会はこんども期日前投票をフルに活用するだろう。この制度がないときの学会員はたいへんだったのである(笑)。投票日となれば、何度も送迎で投票会場に連れていき、その合間を縫ってフレンドさん宅に始終電話点検しなければならない。期日前投票制度が出来たのでだいぶ楽になったはずであり、その分は公営住宅なんかのお年寄り宅にそれこそ絨毯爆撃的な投票依頼ができる。そして、若夫婦宅であれば“児童手当がずっともらえるんやでえ”のイチオシのくどき文句ができた。代わりに投票に行ってくれと頼めば喜んで行ってもらえるかもしれない(笑)。過去にも替え玉投票事件を仕出かしている。
それでも、郵政反対派が立候補したいわゆる「刺客」選挙区はたいへんだろう。洞ヶ峠をきめこんで勝負のすう勢をぎりぎりまで見極めねばならない。くどいようだが、郵政民営化のスタンスなんかは全然関係ない、いずれに高く恩を売りつけられるかだけである。こういうところは投票日前3日間が勝負になって、学会員は仕事どころじゃなくなってしまう。
もし仮に、選挙に負けて民主党政権になったらどうする? そのときは冷却時間をおいて、そろりそろり与党に接近するだけである。はじめ是々非々の立場がそのうち閣外協力を公然と云いだすようになることは間違いない(笑)。既に冬芝発言でちゃんとアリバイをかましており、ぬかりはないのである。
どちらにせよ、ただ今の60%あるかないかの低い投票率あるかぎり、党勢は安泰とたかをくくっているにちがいない。
こういう政党の存在を許しているのは、ほかならぬ沈黙の有権者層なのである。

[追記]
あれあれ児童手当の件、民主党まで「月額16000円のこども手当」を云い出したらしい。なにも公明党の真似せんでもなあ。とうとうポピュリズム競争か、やれやれ気分です。
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by chaotzu | 2005-08-21 23:15 | 時事


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