マイ・ラスト・ソング

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2005年 08月 29日

【DVD】 「緋牡丹博徒」 待ってました!お竜さん

◆だいぶ旧いはなしだが~いっつも旧いはなしばっかりやないかと云われたらそのとおりで真に面目ないが、まあそれはご勘弁いただいて~「スチャラカ社員」という朝日放送のコメデイを毎週ひいひい笑ってみていた。日曜日の午後、中田ダイマル演じるいいかげん社員がサイコーで、とぼけた味わいがなんともいえなかった。無責任社員の先駆的作品じゃなかったか。で、この番組に当時高校生の藤純子が出演していたそうである。
“ち~っとも知らなかったわ”
小野薬品にコレステロールはちゃんと覚えているのに、そういえばそんな事務の女の子がおったかなという程度である。その後、NHKの大河ドラマ「義経」で静御前をやった。これはほとんどみていない。
現実に藤純子を意識したのは、映画館のなかである。リアルタイムじゃないが、場末の三番館でいやというほどみた。肩の刺青ぐらいで興奮するのだから当時は純情なものである。
♪ムスメざかりをぅ渡世にかけて~、張った体にぃ緋牡丹燃えるぅ~
はっきりいって、目茶苦茶ヘタクソな唄(苦笑)、音程もあやしいし歌詞もよく聴きとれない。でもよかばってん、なんといっても青春のメモリアルたい。
“イョッお竜さん、待ってました!”

b0036803_23115825.jpg◆1968年東映映画、ふつうこういったシリーズものはあまり時系列にこだわることはないのだろうが、このお竜さんに関しては、第1作からみたほうがいい。
二代目矢野組襲名前史であるからだ。
いまみると思っていた以上にコミカルなシーンがあることに驚く。


◆松山の岩津組長が金子信雄、これでまず笑ってしまう。最初に金子信雄を組長役に指名したひとはえらいと思う。次に道後の熊虎組長が若山富三郎、その妹が若水ヤエコ、中盤はこのコミカル・コンビがはなしを支える。チョビひげの熊虎組長がお竜さんに惚れこんでしまう。妹が恋のキューピッドとして「固めの盃」を頼みに行くと、お竜さんがあっさり承諾する。熊虎が感激で大泣きするのである。なんのことはない、婚約儀式と任侠の儀式を取り違えていた。お竜さんが承知したのは兄弟分の盃であった。

◆父親の仇探しを続けるお竜が次にわらじを脱いだのは、大阪の堂満組、清川虹子の女組長、お竜の後見人的存在である。ここでも遊び人の倅山城新伍がとにかくおかしい。結局はなしの半分近くはお笑いムードである。
したがって、後半の展開はやくざ映画の定石どおり進行する。とことん卑劣なキャラ、自分だけタナに上げた逆恨みキャラ、そしてお約束の「先に逝ってるぜ」キャラ、とにかくものすごく分かりやすい(笑)。ただ、いつもなら鉄砲玉役が多い街田京介であるが、本作では生き残る。ダイナマイトを腹巻につっこんで大奮闘である。お竜さんに助力するオトコはみんな魅力的にみえてくるし、その逆はとことんいやらしくみえる。そういうわけで、大木実なんかは実に気の毒である。かつては純情刑事だったのになあ。

◆お竜さんの相方といえば、高倉健。発火点は異常なぐらい高いが、いったん発火するとダレにもとめられない。お竜さんとはもっとほのかな恋愛感情かと思いこんでいたら、これがけっこう2人ともお互い強烈に意識しあっている。実は好きどおしの仲だった。だったら早めに告白しとけよとなるのだが、健さんのすることは毎度ワン・テンポ遅れて、だいたいが後の祭りになってしまう。
それにしても昔の記憶なんていい加減なもんだと痛感する。

◆“わたくし矢野龍子、皆様方のお力添えにより、このたび矢野組二代目を襲名いたします。なにぶん未熟者ゆえしばらく渡世修行の旅をつづける覚悟でございます。
どうぞよろしくお願い申し上げます”
いや、こちらこそ宜しくお願いしますと、思わず平伏しそうな凛々しさでありました。
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by chaotzu | 2005-08-29 23:20 | 日本映画


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