2005年 08月 31日

【DVD】「緋牡丹博徒・一宿一飯」もしかして任侠爆笑映画?

◆1968年東映映画、お竜さん渡世修業の旅、今回は上州富岡、生糸の産地である。「一宿一飯」の世話になるのは戸ヶ崎組、善玉の任侠一家で郵便馬車の事業もやっている。明治半ばの鉄道のない時代、地域名士が手がける有力な事業であったようだ。
b0036803_22101624.jpg近代産業が勃興しつつある時代、不平士族出のやくざは事業家に脱皮して、薩長連中のはなをあかしたいと思っている。しかし、その気持ちが逸るあまり、悪の道にどんどん踏み込んでいってしまう。郵便馬車の事業も不正に横取りしようとする。
しかし、最後はお竜さん&その仲間にばっさりお仕置きされるはめになる。なんというか、ものすごく分かりやすいはなし(笑)。おまけに、はなしの半分ぐらいは爆笑コメディ仕立てなんである。

◆お竜さんに憧れた舎弟志願の二人組みが登場、緋牡丹の刺青までしている。山城新伍
が胸毛の上に彫って「毛牡丹の七」、玉川良一が乳の上に彫って「乳牡丹の六」だ。おいおい、いい加減にせんかい(失笑)。
それで、この二人は舎弟入りの口利きを頼むために、道後の熊虎親分(若山富三郎)のところまでおしかけるのである。
・熊虎親分と二人組みが温泉に浸ってヘボ将棋、形勢不利の親分が温泉を将棋盤にぶっかけてごまかそうとしたり、王将が行方不明になったりする珍将棋である。王将は親分の頭にのっかっていた。指摘された親分が
“「おーしょう」かい” 、もう脱力するよ。
・憧れのお竜さんが戸ヶ崎組親分の信書をもってきた。目前でかっこよく読むふりをきめたいが、持ち方がさかさまだ。待田京介に云われてしぶしぶ妹に読ませる熊虎親分。
・お竜さんが風呂に入っていると聞きつけた熊虎親分、兄弟分だから背中を流すぐらい許してくれるかもしれんぞと虫のいい考えで風呂場に近づくと、既に二人組みがのぞいてヒイヒイ喜んでいる。親分逆上!薪を振りまわすが、勢いあまって戸口まで壊してしまう。なんだ入っているのは親分の妹じゃないか。おもわず絶叫。
“キモノ着てはいらんかい”
う~ん、ギャグが炸裂しまくりだ。熊虎親分シリーズのほうが面白いかもしれんぞ(笑)。

◆えっ、任侠のはなしはどうなったって、そっちはおきまりの勧善懲悪パターンのひと言(笑)。
天津敏の悪玉やくざが本家筋の戸ヶ崎組を罠にかけて壊滅させる、生糸工場に進出し高利貸と結託して、農家から徴発した女工をこきつかうなど悪逆非道、卑怯のかぎりをつくす、しかし、最後は助っ人の鶴田浩二にばっさり斬り殺される。それも片脚斬りおとされ片腕斬りおとされの、気の毒になるぐらいの惨めな最期である。

◆天津敏に犯された戸ヶ崎組の娘に自殺を思いとどまらせるお竜さん、肩の緋牡丹刺青をみせながら、
“女だてらに、こぎゃんもんば背負って生きとっとよ。女と生まれて人を本当に好きんなったとき、一番苦しむのは、こん汚してしもうた肌ですけんね。消えんとよ、もう一生。
だけん、体じゃなかとよ。人を好きんなるのは心、肌にスミはうてても、心にゃ、だあれもスミをうつこつはでけんとです“
このシリーズいちばんの名セリフ、名シーンになるかもしれない。

◆菅原文太が天津敏の用心棒で登場、元士族で強そうだが、あっけない最期。もうこの時分から仁義なきタイプのやくざをやっていたのか。
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by chaotzu | 2005-08-31 22:15 | 日本映画


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