2005年 09月 06日

【DVD】 「緋牡丹博徒・二代目襲名」 死んでもらいますばい

◆1969年東映映画、シリーズ4作目にしてお竜さんが九州に帰ってくる。そして矢野一家を再興する。もちろん、不死身の富士松(待田京介)も帯同しているし、後見人おたか親分(清川虹子)もかけつける。ただし、熊虎親分が登場しないせいか、コメディタッチはずい分うすくなる。

b0036803_2337587.jpg◆いまはローカル線のひとつであるが、かつては大動脈であったJR筑豊本線の建設裏面史、産業革命に邁進する明治中期の日本にとって、筑豊の石炭を効率よく若松港まで輸送するための鉄道建設はまさに喫緊の課題。しかし、既存の遠賀川水運(川船)業者は猛烈に抵抗する。なにせ「川筋もん」である。鉄道建設を請け負ったやくざ衆もたじたじである。そこへお竜さんの矢野組が登場、丘蒸気は時代のすう勢である、川船衆もいっしょにやりましょうばい、けっして悪いようにはしませんたいと、やくざ衆と川筋もんの和解に努める。
だけどやっぱりというか、鉄道利権の独占を狙う悪玉やくざが出てくる、そう天津敏、敏ちゃんが性懲りもなく出てくるのだ。助っ人は高倉健、この敏ちゃんに再三「教育的指導」をするのだが、サッパリ懲りない。なにせ男の約束なんて何回でもする敏ちゃんなんである。その子分がいかにもずるそうな小松方正とくれば、いやはや懐かしい。
ラストお竜さんが髪ふり乱して対峙します。

◆お竜さん、こんどは着物でなく工事用のはっぴ姿が多い。人足はみんなふんどし、女組長さんの前で汚いケツをみんなさらしている。とにかくオトコの尻がやたら目立つ映画である(泣)。なかにはかたこと日本語の人足もまじっている。説明はないが、当時の鉄道人夫にもかなり混じっていたのだろう。鉄道工事が済んでも石炭鉱山など働き口がいっぱいあった。おそらく当時の日本でも一、二の活況を呈していた地域である。
人足のなかにはお竜さんに夜這いをかけるような不届き者も出てくる。お竜さん、映画のなかでは弱冠23歳であり、なかなかたいへんである。そんなお竜さんにほれ込むのが石炭成金の下品なオトコ、富士松からハゲガッパと呼ばれる。貴族院議員をセールストークに求婚突撃するが相手にしてもらえない。人夫の緊急手配を頼めば、北九州一円の芸者をかき集める始末でさっぱり頼りにならない。清川虹子のおたか親分もため息をつく、“同じ大阪の人間として情けない” 熊虎親分不在のコメディ・リリーフである。

◆工事を完成させた組には永久出入りの特権(官製談合のルーツですな)を与えるという鉄道院の担当課長が中山昭二、どっかでみた顔だなあとしばし脳内検索するが浮ばない。出演者名でやっと氷解、ウルトラ隊長のひとだ。地球防衛軍であれ若手官僚であれ、このひとの印象は全然変わりません。
[PR]

by chaotzu | 2005-09-06 23:40 | 日本映画


<< 奇々怪々の星野報道      カトリーナの鉄槌 >>