2005年 09月 29日

【DVD】「サイドウェイ」人生に寄り道は必要、だけど寄り道し過ぎてもダメ

◆映画は劇場でみるにこしたことはないが、DVD鑑賞にも利点はある。日本語吹き替えにしてかつ日本語字幕に設定できることだ。ことストーリーの理解に関してはこれがいちばんである。吹き替えも悪くはない、なにより画面に集中できる。そもそも英語のヒアリングに熟達しようというモチベーションもあまりないのだ。それと翻訳字幕の省略具合がとにかくよく分かる。だいたい実際のセリフの三分の二ぐらいしか字幕表記していないし、卑猥語なんかはほとんど省略している。
そうか、これまで外国映画に関しては、かなり限定された情報量で接してきたんだなということをつくづく思いしらされる。

b0036803_2240366.jpg◆2004年アメリカ映画、さえない中年男二人のロード・ムービー、それにワインのうんちくがかぶさる。一部でだいぶ評判になった映画だそうだが、自分的にはほとんどコメデイである、そして、中年になっていい塩梅の魅力がでてきたヴァージニア・マドセンに、うっとり見とれてしまう映画でもある。
主役は大学時代のルームメイト以来ずっと友人づきあいをしている二人の男。これが対照的、ひとりは小説家志望の国語教師でバツイチ、恋愛も小説もぱっとせず、老母のヘソクリまでちょろまかそうとするさえないオトコ、おまけにワインおたくという設定だ。
もうひとりはかつて昼メロで人気を博したテレビ俳優であるが、いまは落ちぶれている。それなのに病的なほどの女たらしというかセックス中毒なんである。
国語教師の小説が完成し、助平俳優もとうとう結婚(将来の打算?)することになった。そういうことで悪友二人の年貢納めツアーがはじまる。

◆ツアーの目的はカリフォルニアワインのワイナリー巡りとゴルフ、いわば悪友二人の趣味合体である。もうひとつ、俳優のオトコのほうにはナンパという目的もある。結婚1週間前だというのになんというファッキンな奴(苦笑)。もっとも、本人にしてみれば、それだからこそという理屈かもしれない。傍からみれば身勝手そのものであるが本人は大真面目である。
サンジアゴを出発してフリーウェイをぶっ飛ばして、ロサンゼルス北方のサンタバーバラへ、これだけでも相当な距離である。オトコふたりのワイナリー巡りがはじまるが、ナンパオトコにしてみれば、ワインなんかなんでもいい、ピノ種がドーダとかカベルネがドータラよりもオンナ、オンナである。これが大いに笑わせてくれる。ひと言でいうと全然懲りない、ワイナリーで働くアジア系の女性(サンドラ・オー)をたらしこんで、たちまちワイン農場主になることを夢想したりする。結婚式一週間前というのに、トンでもないファッキン野郎である。おまけにその女性に背徳がばれてヘルメットでポカ殴りされ鼻骨を折ったというのに、こんどはレストランの女給にチョッカイを出す。このひたむきな前向きさはいったいなんだ(笑)。とうとうしまいにとんだ間男になって、相手の亭主のハダカまででてくる。しかし、オトコのハダカってのは見たくないもんだねえ(嘆息)。

◆もうひとりの小説家志望のオトコ、こちらは、どうにもうじうじしてばかり。別れた細君に未練たっぷりのくせに、ワイン好きのウェイトレス(バージニア・マドセン)と寝たりする。そして友人が婚約していることまでばらしてしまい、せっかく親密になった彼女にも愛想を尽かされる。小説の出版もうまくいかない。それやこれやでますます落ち込んでしまうといったネクラである。
だけど、国語教師という定職があって、出版の見通しはともかく小説を書き上げて、カリフォルニアの陽光の下でワインを愉しんで、なにを鬱々することがあろうかてなもんである。いったい、最後のボーナスまで与える必要があったのかどうか、キビシイ見方かもしれないが、なんとも感情移入しづらい。まだもうひとりのナンパ男のほうがいい加減さはあるとしても、人生に前向きじゃないかと思ってしまうほどだ。
この監督さん(アレキサンダー・ペイン)では「アバウト・シュミット」のほうが人生の哀歓をよく切り出していると思う。

◆この映画が受けたのは、ワインに関するうんちくがたっぷり添加されたことだろう。とくにエグゼクティヴとかセレヴなんか(に憧れ)の層にはだいぶ受けたかもしれない。
ところが、こちとらは正直云ってワインのことはあまり知らない、いやホトンド知らない。何年もののシュヴァール・ブランとかなんとかかんとかの逸品が披露されてもチンプンカンプンである。だから、1本10万円はしようかという稀少なワインをよりによって、ファストフード店で隠れてグビグビ呑んでいるところなんかは、もうスノッブに対するあてつけとしかみえないのである(爆笑)。
[PR]

by chaotzu | 2005-09-29 22:57 | 外国映画


<< おめでとうございます!阪神優勝      タイゾーくんはわるくない >>