2005年 10月 10日

民営化で「北朝鮮化」する郵政公社

◆日本郵政公社が妙なことを考え出した、接客態度を4分類に評価して、それを表示したバッジを胸につけさせるとか。民営化をひかえて職員の意識を改革したいがための「ショック療法」のつもりかもしれないが、本気であるとすれば、常軌を逸しているとしかいいようがない。働く人間の尊厳もへったくれもないやり口であって、はっきり云って、この方針が気にくわなければ辞めろということだろう。また、それに労働組合も追従しているということだから、ほんとにナサケないかぎりである。
この前の総選挙の結果をみた公社内のお調子者が思いついたのだろうか。
まるで北朝鮮の首領様バッジと同じではないか。

◆仮に導入すればどうなるか、まずブック・オフやコンビニみたいに平板な定型挨拶がたちまち蔓延するだろう。挨拶は1回でいいのに、あちこちから振り向きもしない機械的な掛け声を浴びせられる。まるで呪文であって煩いだけである。しかし、呪文を始終唱えておかないとバッジがもらえないとなれば、職員は必死にならざるを得ないだろう。
次にダレが評価するかである。ろくに業務知識もないような一部の特定郵便局長がバッジのランクを決めるとなれば、たいへんである。いや、もはやマンガといってもいいかもしれない。あるいは、上司が恣意的に運用するとどうなるか。気にくわない奴はもうヤメロということになりかねない。「二つ星」と「三つ星」のチガイなんて上司の心証如何じゃなかろうか。ホントに馬鹿げてる。そもそもそんなものは、利用者が決めることなのである。

◆客にしてみれば、「一つ星」あるいは「星なし」の職員には接客して欲しくないだろう。採用まもない見習い期間中の新米職員限定のランクになるかもしれないが、普通に考えれば接客能力がないと決め付けられた人材である。現実にはベテランといわれる歳になっても、「一つ星」あるいは「星なし」に相当する不良社員はいるかもしれない。いや、おそらくいるだろう。大きな組織になるほどそれは避けられない。旧国鉄にはそんな勘違いの輩がたくさんいた。だけど、そんなことは胸のバッジで周知させるようなものではないだろう。「うちはこんなダメ社員を雇っています」と満天下に向けて喧伝したいということだろうか。あるいは「接遇能力のない社員ですのであらかじめご了知ください」ということだろうか。客にすればたまったもんじゃないよ。
冷たい現実であるが、研修してもどうしょうもない人材は辞めてもらうしかないということだ。それはいずこの業界であっても同じことである。そもそも、こんなことはバッジ着用以前のはなしなのである。
それでもあえてアドバルーンを上げるということは、民営化後の営業方針に不満をたれそうな社員に対する事前恫喝としかみえないのである。それにしてもやり方が子供じみている。

◆現実にこんなバッジ方式の会社があるとしたら、絶対に働きたくない会社である。職員の個性も創意工夫もない、闊達な意見も云えずただ盲従するだけ、アホ社員ぞろいの会社になる。顧客にサービスするよりも、いかに上司にへつらうかである。たちまち没落するにちがいない。なにより、働くものの矜持を踏みにじられる。労働組合はこんなことまで黙っているのだろうか。
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by chaotzu | 2005-10-10 07:04 | 時事


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