マイ・ラスト・ソング

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2005年 10月 31日

【DVD】「兵隊やくざ・俺にまかせろ」 てめえ、それでも参謀か

◆昨年亡くなった俳優の渡辺文雄、東大卒という知的イメージをかわれたのか、グルメや旅番組の常連タレントだった。ところが、映画のほうとなると、暴力系やエロ映画の出演が多く、失礼ながらテレビ・イメージとは正反対の役どころが多かったように記憶している。「冷徹な悪役」である。そして、最後はお仕置きされて酷い目にあわされる。映画では役柄運にめぐまれなかったといってもいいかもしれない。
だけど、演じた役柄と役者個人の信条は、正反対であることが多いという。左翼系の役者が特高刑事の役なんかを喜々としてやるようなもんである。
横柄な関東軍の参謀を演じて、最後はカツシンにポカポカやられてしまう、ちと気の毒な役回りであるが、こういう脇役もいないと映画はできない。

b0036803_22392775.jpg◆1967年大映映画、モノクロ。戦争も末期状態でいまや関東軍の流れ者となった有田上等兵(田村高広)と大宮一等兵(勝新太郎)、しぶとく生き残って木崎独立守備大隊に身を寄せている。どこに転属しようがカツシンは相変わらずで、参謀付の横柄な伍長(ボクサー)をKOしたり、因縁付けの古参兵をコテンパンにやっつける。そして、威張っていた炊事責任者の伍長を締め上げて、大隊の糧食やお酒をたらふくせしめたりする。まあ、このあたりは爆笑ものである。

ところが、渡辺文雄演じる隊付の参謀が冷酷きわまる曲者で、南方第一主義による転進=退却方針を達成するために、内田良平の曹長(このひとは私心のない叩き上げ兵隊さんの役)が率いる分隊を全滅必至のダミー任務に赴かせる。抗日ゲリラの目をそらせるためである。おまけに自分の醜聞を知る有田上等兵を営倉からわざわざ出して、そのおとり分隊に復帰させたりする。もちろん大宮一等兵もセットである。任務遂行のためには一切の私情を捨てたと広言するも、実際は私情まるだしで、大隊長よりもエラそうにしている(苦笑)。
それにしても、日本の軍隊映画はホトケの隊長さんと冷酷な参謀のパターンがちと多すぎというか、そんな気がせぬでもない。まあ、日本軍隊の人事のでたらめさは事実であるが。

◆辻政信のごとくしぶとく生還するダメ参謀もいるが、映画の世界でこんな悪い奴が逃げおおすことはできない。ラストは生き残ったカツシンに思いきりお仕置きされる。脱出中のクルマから引きずりだされて、
“テメエ、それでも参謀か”
下級兵に罵倒されたあげく、殴られる蹴られる、肩章は剥ぎとられるわと、みるも無残なやられようである。
痛快至極というか、溜飲が下がることうけおい。

◆おきまりの慰安婦との交流場面もある。かつて馴染みの慰安婦と邂逅して一夜を過ごすカツシン、しかし、慰安所が明日撤退するという場所を守備にいくなんて、ダレも変に思わなかったのだろうか(苦笑)。
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by chaotzu | 2005-10-31 22:51 | 日本映画


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