2005年 11月 06日

314万円に悩むひと、そしてポンと23億円のひと

◆ガンの重粒子線治療、完全に治癒する保証はないものの、従来の放射線治療に比べれば治療効果も高くかつ副作用も少ないので、適応するガン患者にとっては頼みの綱である。
ただし、健康保険の対象外であり、その費用は314万円、入院費や検査費はまた別にかかる。なんとも微妙な金額である、これぐらいどうってことないひともいようが、たいていの患者にとっては重たい負担だろう。
b0036803_19194451.jpgこれ一発でガンが確実に消滅するならまた別であるが、再発する懸念もないとはいえない。借金を家族に遺してしまうようになればそれこそ最悪、まして、年々収入が減少し、これまでの闘病で貯えもすり減らしているから、なおさらである。
医学の進歩によって、これからもガン等難治疾患の高度な治療法が開発されるだろうが、費用のほうもうなぎ上りになるに違いない。世間一般には福音的ニュースになろうが、当の患者自身にとって必ずしも朗報とはいえない。お金の有る無しで余命が決まってしまうとしたら、かえって残酷なことである。

◆全然別のニュース、
元ライブドア役員のひとが民間人として世界で4人目の宇宙旅行を経験するらしい。来秋ロシアのソユーズ宇宙船で打ち上げられ、一週間宇宙ステーションに滞在する。「宇宙でシャアのコスプレをしたい」そうな、まだ34歳であるからIT長者というのはなんとも豪気なことである。
そのツアーの費用はなんと23億円。先ほどの重粒子線治療ならば700人ほどのガン患者の治療費相当額になる。ケチつけて申しわけないが、税法上の特典なかりせば、これだけ巨額の現金なんてそうたやすく貯められるものではない。これまでの常識では使い道に困るような大金であった。ところが、それに見合った大金一発費消企画も出現するものである。商売人の嗅覚は鋭いというか、JTBは既に月旅行等の国内販売を開始しているし、かのライブドア・ホリエモンも宇宙旅行事業に参画したいらしい。

◆おそらく、これからも日本人富豪による宇宙旅行者が出てくるだろう。金持ちが自分の稼いだ金をなんに使おうが勝手かもしれないが、なんとなく釈然としない思いもある。
1回の「旅行」に23億円をポンと使えるひともいれば、300万円の医療費で輾転反側悩みぬくひともいる。金持ちはより金持ちに、そうでない者はそれなりに……、それがいまさかんに唱えられる構造改革の到達点じゃないか、これからもその傾向は加速するんだと切り返されるかもしれない。
あるいは、
“悔しかったら智恵をしぼって汗を流して金持ちになってみろ”
と説教されるかもしれない。
しかし、使い切れないぐらいの大金を抱えたひと握りの大富豪と残り大半のビンボー人から成る社会を想像したとしても、あまり気分がいいものではない。二極社会のいきつくさま、それはいま以上に治安が悪くなる不安定社会を助長しないかということだ。愛国心なんかクソクラエ社会になって、がんじがらめの法律で愛国心を強制しなければならなくなるかもしれない(笑)。当の金持ち自身にとっても居心地の悪い社会になって、それこそセキュリティに湯水のごとき大金をつぎ込むことになるだろう。
近未来社会は、先端医療と宇宙旅行とセキュリティ、この三つの業界で金持ちの資金が循環する世界になるかもしれない。なんだか三題噺みたいである。

まだ、書きたいことはあるが、これ以上続けると「ビンボー人のひがみ」も混じってきかねないので、ここらでやめておく(苦笑)。
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by chaotzu | 2005-11-06 19:20 | 身辺雑記


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