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2005年 11月 19日
【映画】「ALWAYS 三丁目の夕日」 貧乏だけど溢れる夢があった
◆滋賀県草津市の県立琵琶湖博物館、びわ湖の成り立ちなど湖沼関連の博物館であるが、昭和30年代グッズの展示もなかなか充実している。当時の民家の実物大復元もあって、本筋の展示物よりはこちらのほうがはるかに面白い。昔の牛乳瓶受けとか家電製品など、よく探したものだと感心するほど集めている。おじさんおばさんの「郷愁博物館」でもあるのだ。昭和30年代の吸引力たるや実に大したもんである。
ほんとうのところ「むかしは良かった」なんて云ってはいけないのだろう。過去より現在、現在より未来のほうが良くなってしかるべきなのである。実際に昔のビンボー体験なんてもう耐えられない。だけど懐かしくてしかたないときもある。みんなが等しくビンボーだった時代、暗くなるまで遊び回って、それから他人の家に平気でテレビを見に行った、あの昭和30年代に戻りたい……、そんな気持ちも時にある。

◆2005年日本映画(日本テレビ、東宝ほか)、西岸良平がビッグコミック・オリジナルに何十年も連載中の人気漫画がとうとう実写映画になった。とても無理だろうと思っていたが、真に映像技術の進歩はおそるべしである。狙いはおじさんおばさんのノスタルジーをかき立てることにあるのだろう、それはズバリ当たってお客さんは圧倒的に年配客が多い。そして、みんなクスクス笑っていること。
冒頭、ゴム動力の竹ヒゴ飛行機が登場する。ありましたねえ、田んぼで飛ばしっこしたもんだよなあといっぺんに引き込まれる。そしてダイハツのミゼット三輪車、ほんとに走っている、実物だとしたら大したものだ。

◆もう、あらすじがどうのこうの以前に、昭和30年代の雰囲気をよく再現していることに感心してしまう。氷冷蔵庫!や他の家具調度はいうに及ばず、グリコや風邪薬の広告、駄菓子屋のアテモノ、フラフープもちゃんと出てくる。そして毛玉いっぱいのカーディガンにつぎあてしたセーター。居酒屋のメニューなんてスゴイ、なんとかのおひたしが20円とか5円のつまみまである。ああそうそう、少年雑誌もそうだ、「少年」とか「冒険王」「おもしろブック」など思い出す。付録もすこぶる魅力的だった。当時のものをそのままきちんと保存しておけば、今や大金持ちかもしれない(笑)。

◆おじさんのツボをやたらついてくることはたしかである。しかし、それだけでのせられるほど甘くはない(笑)。映画の出来としてはちと不満がある。あまりに原作のイメージを改変しすぎなのだ。
やっぱり原作にもっと忠実にやってほしい。薬師丸ひろこのお母さんと三浦友和のアクマ先生は合格点としても、アトはもうひとつ違和感がある。だいたい東京タワーのすぐそばだったのかなあ? 鈴木オートの社長さんってあんなに凶暴じゃないだろ、堤真一よりは柄本明のほうが似合っているのではないか。六さんも女の子ではない、男の子であるべきだ(それはそれとして六子ちゃんは可愛いと思うが)。そして茶川竜之介先生、もっと年寄りだろう、吉岡秀隆じゃ若過ぎるというか、加山雄三あたりが演じれば面白いかもしれない。淳之介少年もメガネッ子のはずだ……、と辛口の注文をつければきりがない。やっぱり映画は役者からである、う~ん実に惜しい。この映画に関しては、主役は昭和33年という時代そのものであるとみるべきかもしれない。
それにしても、あの満男くんが茶川先生かあ、と別の感慨にふけったこともまた事実。

◆オマケ:個人的昭和30年代の思い出、歳がバレますなあ(苦笑)。
・日光写真 ・やりくりアパート ・番頭はんと丁稚どん ・力道山、豊登、ミスター・アトミック ・浪商尾崎 ・明武谷、若秩父 ・アベベ選手 ・ザ・ヒット・パレード ・チキンラーメン ・ファイティテング原田 ・明治マーブルチョコ ・潮来笠 ・高校三年生 
・マッチ箱転用の検便箱 ・クレージーキャッツ「大人の漫画」ほか多数……


by chaotzu | 2005-11-19 19:14 | 日本映画


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