マイ・ラスト・ソング

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2005年 12月 29日

介護共倒れ

◆長姉と同居している母親の具合がいよいよ悪くなってきた。まだ80歳前であるが、歩行がおぼつかないことに加えて、自分の排泄もコントロールできない状態になっている。それで長姉からの電話がよくかかってくる。半分以上はぼやきである。
「トイレを汚されて往生してん、いまお風呂に入ってる、その他ああだこうだ……」、もうウンウンじっと聞いてやるしかない。最近はストレスがたまってしまうので、老母に紙オムツをあてがって、半日パチンコで過ごすこともあるという。

◆もともと自分が引き取る算段をしていたのであるが、先に辛い状態になってしまい、それどころじゃなくなってしまった。それで三年前、みかねた長姉が同居を申し出たのである。夫はだいぶ前に亡くなって、ひとり息子も就職で巣立ったので、ひとり暮らしになった。そんならふたりでいっしょに住もうかということになった。それまで母親も自分のことは自分で出来ていたのである。ただ、悪質な訪問セールスに騙されたことがたてつづけにあった。水道の浄水器とか風呂のお湯を温泉にする装置?などであるが、いっぺんひっかかるとそういう連中どうし横の連絡があるのか、セールスがひんぱんにおしかけるようになった。それでとうとう、母親も娘との同居を承知したのである。

◆ところが、その母親にとってなじみのない土地であったので、なんとなく出不精になってしまった。外出といえば病院に行くときだけである。おまけに長姉が生活の世話をしてくれるものだから、ますますひきこもるようになり、とうとうアタマが半分呆けたようになってしまった。それでも内臓はいたって丈夫であるから、食事は三食きっちり食べる。だから太るいっぽうで、それが足腰をさらに弱くするという悪循環。
そうこうしてるうちに長姉の胃がんが判明して、胃を切除するはめになった。10年以上前にも乳がんの手術をしており、長姉は多重がん患者である。いまや痩せてしまって鶏がらみたいな有り様である。母親の体重の半分もないかもしれない。食事も思うように摂れない、逆に母親のほうは三度のめしはきっちり食べるという。それで、またストレスがつのるのか電話をかけてくる。もう疲労困憊しているようだ。内容はたいてい同じで、マクラにひと通りぼやきがあって、今の調子でいけば、母親より自分のほうが先に逝くかもしれない、そうなればどうしょうかと不安を訴えて締めくくる。

◆しかたがない、他の兄弟宅はもう無理だろうし、それぞれの事情もある。特別養護老人ホームを探すしかないよ。ただ、入所一時金で相当とられるそうだ。そんなお金ある?
“ないにきまっとるやんか、あれば、今でも入れたいぐらいやわ”
“じゃあ兄弟で奉加帳でも回すか、それで集まらんかったら、お互いの生命保険をあてにするしかないな、オレが死んだら保険金を回してやるよ”
てなことを云って慰めるしかない。しかし、母親よりこっちが先にくたばるかもしれない。そうなると実際たまらんなあと思う。
同性どうしの口先は親娘でもきついというが、おそらく母親のほうも相当なストレスを感じているのだろう。だからますます体が思うように動いてくれない。どちらが悪いということではないのに、お互いにストレスを溜め込んでしまう悪い展開になってしまった。いやはや、正月も近いというのに、気がめいるはなしである。
こんな老老介護の辛いはなしはずっと前からあったんだろうが、恥ずかしながらそのときは実感できなかったのである。だけど、本格的な高齢化社会となれば、この程度のはなしなんぞ、そころ中にありふれてたいして珍しくもなくなるだろうなとも思う。
とりあえず、正月は出かけていって、まずはじっくりはなしを聞いてみるしかない。とにかくそこから手をつけるしかない。
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by chaotzu | 2005-12-29 19:03 | 身辺雑記


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