2006年 01月 04日

【DVD】 「黒革の手帖1~4」 あんな小娘にぎりつぶしてやる

◆一度だけ銀座で飲んだことがある。ことわっておくが地方の○○銀座ではないし新橋や西銀座あたりじゃない、正真正銘、東京都中央区の銀座なんである。もちろん堂々の自腹である。これ以上タネあかしはできないが、もしかするとわが生涯の絶頂期であったかもしれない(笑)。そして世間知らずの増長おさまらず、こんどは銀座で鮨を食べたいと思っているうちに、バブル崩壊とあいなってしまったのである。今から思い返せば汗顔の至りであるが、銀座に一丁前の憧れと興味があったのである(汗)。田舎者のコンプレックスだろうと云われれば、そうその通りと頷くしかない(笑)。

b0036803_21224931.jpg◆テレビドラマは滅多にみないが、松本清張の原作かつ銀座ものということでみる。一昨年テレビ朝日が制作したもので、米倉涼子の主演で話題になった、それをこのお正月に通しで全部みる。中味はドロドロの人間欲ぼけ模様、とても新年にふさわしくないが、それが面白くてやめられない。原作を現代風に置きかえる為かなりいじっているので、半分以上は脚本家の力量だろう。
はなしそのものは、ひと言でいうと、色と欲にとりつかれた人間が織りなす大喜劇である。とくにオトコたちはみんな俗物根性丸出し、思いきりクサイ演技で大笑いさせてくれる。そのなかで、ヒロインの米倉涼子は悪女であるが、ほとんどダレの助けも借りず、己独りの才覚でネオンの海を渡っていく。オンナとしての武器も使おうとしない。みていていっそ清々しいというべきか、いやこれは人によって見方が分かれるかもしれない。ここまで欲望むき出し人間ばかりのドラマとなると不愉快になる人もいるだろう。とにかく、誰一人としてまっとうな健全人は出てこない(苦笑)。それでも俳優さんは悪役となるとみな愉しそうにやっているようにみえてしまう。なぜだろう?

◆ヒロインがのしあがる武器となるのは、銀行の架空名義預金を密かに記録した「黒革の手帖」である。もともと架空名義預金は禁止されておらず「自粛」だった。ということは「推進」と同然でやりたい放題になる。護送船団当時は預金量で銀行の収益が決まる、だから成績を上げたい銀行員はみな口座名義まで用意して協力に走った。これは云うまでもないが、脱税の手助けである。
いまは、本人確認書類が要るので、昔みたいな濫造は無理だろうが、それでも是正されないままの旧い口座がかなりあるだろう。とにかく、銀行員のヒロインがそんな架空預金口座の記録を取引材料にして、1億2千万円の横領を支店長に黙認させるところは、痛快である。そして並みのオトコだったら、その程度で満足してしまうところを、そのお金をタネ銭にして、銀座の一流クラブのママを目指す。極めつけの悪いオンナではあるが、見ているうちにだんだん感情移入してくるからフシギである。

◆もうひとつは、ゴージャス・ムード、ヒロインの着ている和服に帯止め、かんざし、それがしょっちゅう変わるので溜息ものである。見ているほうはナンボぐらいのもんだろうかと下種根性丸出し(汗)。洋服のほうも、ソニア・リキエルのパンツスーツ、ヴァレンティノのドレス、ディオールのワンピース、ピアジェのピアス、アルマーニのジャケット……、さながらブランドもの展示会である。思わぬ眼福でありました。
しかし、女優さんが着ているからこそ映えるのである。同居人なんかが着てもムダムダと内心呟いたりする。おっと聞こえでもしたらおおごとだ。
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by chaotzu | 2006-01-04 21:29 | 日本映画


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