2006年 01月 04日

就学援助著増の「怪」

◆小学生の頃、クラスのなかでひとりだけ給食費をもってこない子供がいた。その子供は教科書やノートなんかもみんなタダでもらっていた。子供というものは無邪気というか残酷なもんだから、教師に質問したりする。
“センセイ、○○くんはなんで給食費を払わなくていいんですか”
“ああ、○○くんはいいんだ”
今から振り返れば、生活保護等で就学援助を受けていた家庭の子供だったのだろう。それにしても無神経かつ酷い教師がいたもんだと思う、大勢の級友の前でさらし者である。もっと上手なやりようはなかったのか。その子供はすごく傷ついたことだろう。
世の中全体がまだ貧しかった時代である、貧乏な家庭はたくさんあった。それでも、就学援助は50人のクラスのなかで1人か2人ぐらいだったように記憶している。子供に傷をつけまいと学校代はなにがあってもきちんと納めなければいかん、そんな意識が大人にあったように思う。

◆そういったかつての記憶に照らせば、昨日(1/3)の朝日新聞朝刊のトップ記事、ちょっと驚いてしまう内容である。
「就学援助4年で4割増」「大阪・東京4人に1人」。リストラや給与水準の低下が進むなか、生活困窮世帯が増えつつあることを反映して、公立小・中学校における就学援助の受給者割合が急伸しているという。同記事によれば、最高は大阪府で27.9%、次いで東京都が24.8%、三番目が山口県で23.2%とある。これだけでもモノスゴイ高率であるが、市区町村別となると東京都足立区が42.5%、ちょっとにわかには信じ難い数字である。すると、足立区の小・中学校平均では、10人のうち4人までが就学援助の対象児童ということか? それは、ちょっと多すぎるんじゃなかろうか。ここまでくれば、もらえるものはもらっとかねば損という発想がありはしないのか。

◆景気がよくなった、株価が上がったといっても、それが一般庶民の暮らしぶりにはあまり反映されない。むしろ家計は縮小してるんじゃないかと思っている。これまでは消費者物価があまり上がらなかったので、目立たなかっただけじゃないか、そんな風に受け止めている。だから、就学援助対象児童等が増えることは分かる。それにしてもである。ちと地域的なバラつきがありすぎでないか。市町村によって甘い基準があるかもしれないが、一部に親のモラル・ハザードを疑ってしまうのだ。子供の学校代なんて、何があっても歯を食いしばってでも、優先的に確保するべき支出費目である。
親が学校代を払えない児童等が4人に1人あるいは5人に2人の割合までに増加している、だとしたら、援助の一部はパチンコ代に振り替わっているんじゃなかろうか、そんな心配すらあるが、そこまで云ったら云いすぎだろうか。もっとも、これも格差社会がもたらす歪みのひとつかもしれない。
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by chaotzu | 2006-01-04 23:09 | 時事


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