マイ・ラスト・ソング

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2006年 01月 16日

【DVD】「カサンドラ・クロス」 ありえないけど面白い物語

◆「将軍様」を除く一般大衆にとって、海外旅行といえば飛行機が常識の時代であるが、それでもオリエント急行など複数国家を通過する国際鉄道の旅はなにやらロマンをかりたてるものだ。
さて、ジュネーヴを始発としてストックホルムまでいくヨーロッパ大陸縦断列車、途中通過するのはバーゼル、パリ、アムステルダム、コペンハーゲンときた。うわあ、すごいな、鉄道ファンなら垂涎ものだろう。もう走っていないだろうが、なにやら家畜運搬を連想するジャンボ機エコノミーツアーよりも、昔の鉄道旅行のほうがはるかに豪華に思えてしまう。
そんな国際列車をテーマにした映画であるが、思わぬ成り行きから、パリ方面に行くどころか、ドイツを通ってポーランドの強制収容所のあったヤノフに行き先を変えられてしまう。おまけに途中のカサンドラ鉄橋はもう30年間近く使われておらず、老朽化してボロボロである。つまるところ、地獄行き特急になってしまった、さあこの危地をいかに脱するかというはなし。

b0036803_22264437.jpg◆1976年イタリア・イギリス合作映画、冒頭ヨーロッパ・アルプスが映り、そしてスイスはレマン湖のほとりジュネーヴの街の鳥瞰となり、やがてそこにある世界保健機構に急病人が担ぎこまれるところからはじまる。
映像はキレイ、加えてパニックもの、そして鉄道アクションもありと思わぬ拾い物である。ソフィア・ローレン、バート・ランカスターなど大スターが共演しており、けっしてB級ということではなくA級としての作品づくりを意図したのだろうが、あれこれ欲張りすぎてしまって、結果としてB級映画としての愉しみ方だけ残ったような作品。あれ、ほめコトバのつもりなんだけどなんかヘンなような。まあストーリー的にも突っ込みどころはたくさんあるが、そこは大らかな気持ちでみたい映画である(笑)。

◆1970年代らしく、いちばんのワルはアメリカ陸軍である。外国の領土で秘密裏に細菌兵器の研究を進めたあげく、それがテロリストに破壊され感染者が出現したとなると、多数の乗客もろともひとつの国際列車を抹殺にかかる。もう目茶苦茶であるが、冷戦時代でCIAが暗躍し、加えてベトナム戦争の影響もあった。米軍ワルモノ映画が作られてもおかしくない時代であった。しかし、今現在でも実際何しているのか分からない部分はある。

◆主役のリチャード・ハリスがどうにもしょぼくみえてしまう。これがB級化したいちばんの要因だろう。ものすごいスーパーマンなのにちっともそうみえてこない。そして、「ガラスの部屋」レイモンド・ラブロックも出てくるが、なんだかヒロシがかぶってしまうのである(笑)。かのO.J.シンプソンも登場する、はじめは胡散臭い正体不明の役どころであったが、なんと○○役である。モノスゴイ皮肉というしかないが、意外とまともな芝居をしている、いったいどこで道を誤ったのだろうか。
そして、ラストのカサンドラ陸橋のシーンはかなりの迫力、というか鉄道模型ファンにしてみれば堪らないだろうことうけおい。
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by chaotzu | 2006-01-16 22:30 | 外国映画


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