2006年 01月 25日

【DVD】「グリフターズ 詐欺師たち」 ドリフターズじゃないってば

◆ジム・トンプソンといえば、日本でも再評価が定着したアメリカの犯罪小説作家である。半世紀ほど昔にもう実もふたもない犯罪小説をたくさん書いており、なかにはペーパーバック・ライター界のドストエフスキーに喩えるぐらいの絶賛意見もある。まあ、それはちょっと大げさじゃないかと思うが、アタマのいかれた人間を描いたらサイコーというか、それは現在でも十分に通じるものがある。全然古びていない。ひと言で云うととても変わった作家である。
そのトンプソンの原作をかのドナルド・ウエストレイクがシナリオ化した映画というから、ひとつ見ておくべしと思ったのである。やっぱりというか案の定というか、なんのカタルシスもない、何じゃこりゃ!という終わり方でありました(苦笑)。

b0036803_2246241.jpg◆1990年アメリカ映画、タイトルからはコンゲーム映画を想像するが、それは全然なし。3人の男女~みんな詐欺師みたいなもんである、による愛情と金欲の入り混じったなんともドロドロした話である。しかも、うち2人は実の母子という設定だ。
せこい詐欺師が3人登場する。手品師崩れのジョン・キューザックは酒場で20ドル札と誤認させてつり銭をしこしこ稼いでいる。詐欺師というよりはいかさま師が近いかもしれない。その恋人のアネット・ベニングはインチキ宝飾品の売付け、武器は色仕掛けである。そして、キューザックを14歳で産んだという設定のアンジェリカ・ヒューストンは、ノミ屋の手下で大穴馬券を実際に競馬場で保険買いするのが仕事である。

◆J.キューザックはこのときまだ23歳、もともと童顔だからもっと若くみえる。とても大物詐欺師の風格はない、あるいはそれが狙いかもしれない。それなのに、A・ベニングはチーム詐欺に引っ張り込もうとする。こちらは、すぐに服を脱ぎたがるといった今では考えられない全裸体当たり演技である。もともとコンビは合わないし、なにより男のほうは単独プレーにこだわっている。しかし、そのためA・ベニングのほうは嫉妬心から近親相姦の疑惑まで抱いてしまうという、なんともものすごい展開になる。アトはもうドロドロ、なんともやりきれない結末まで一直線である。

◆Aアンジェリカ・ヒューストン・ヒューストン、これまで馬面がやたら目立って、ゲテモノ女優の印象があったが(失礼)、この映画で見直す。難しい役柄をさらっとこなしている。たいした貫禄発揮である。それにしても、父親のJ・ヒューストンにもたしか近親相姦の役どころがあったはずだ。親の因果が子に報い……、いや、そりゃありませんか。
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by chaotzu | 2006-01-25 22:49 | 外国映画


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