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マイ・ラスト・ソング

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2006年 02月 02日

【DVD】 「バラキ」 マフィア版仁義なき戦い

◆子供のころ、テレビでチャールズ・ブロンソンの“う~んマンダム”なる男性整髪料のCMが大ヒットした。どれぐらい当たったかというと、マンダムなる整髪料が売れまくったこと、あっという間にバイタリスやMG5などの先発商品に肩を並べてしまった。これでさえない化粧品会社だった丹頂が社名もマンダムに変えたぐらいである。
そして、ブロンソン人気も沸騰した。これぞオトコのなかのオトコを体現する存在になった。それまでの脇役イメージを払拭して、「狼よさらば」とか「雨の訪問者」の主演作品もヒットした。みんな、あごをさすって、“う~んマンダム”とよくやったものであるが、いっちょ前に真似したつもりでも、ヒゲがないからなんともさまにならない。
そんなブロンソンの主演であるが、ヒゲがないとやっぱりもうひとつしまらない(苦笑)。

【DVD】 「バラキ」 マフィア版仁義なき戦い_b0036803_22285188.jpg◆1973年イタリア映画、1963年に米国上院小委員会の聴聞会で実際にあったマフィア幹部バラキの証言を元にしたセミ実録映画。マフィアの世界もたいへんである。トップになると必ず追い落としの目に遭う。暗殺されるか、チクられて国外追放されるかである。建前ではイタリア移民の互助組織といっても、その裏側には人間不信が渦巻いている。そんな裏社会でチャールズ・ブロンソナンはチンピラからボスの運転手に抜擢され、そこそこの幹部級になるのだが、やがて猜疑心の強いボスに疑われる。刑務所に入ってもなお命を狙われるという「賞金首」になってしまう。しまいにぶち切れて、全てを告白する覚悟を固める。

◆コッポラ監督の「ゴッドファーザー」のほうが1年先行するが、ネタは前からあったらしい。関係者が亡くなってやっと映画化に着手できたそうである。イタリア版の「ゴッドファーザー」ともいえるが、こちらはマフィア同士の殺し合いがやたら多くて、親子兄弟や夫婦の愛情物語のほうはかすんでしまった感がある。ドライ度が高すぎて、映画としてはウェット感のある「ゴッドファーザー」に負けてしまったみたいな、まァそんな映画。なにより、ブロンソンが、とてもイタリア系にはみえない。どうみても東欧系であるし、おまけにヒゲもない(苦笑)。
とはいえ、そこそこ面白い。とくに刑務所内部の安全確保でFBI係官と丁々発止のかけひきをする。安全な独房の要求はもちろんのこと、食事の安全性確保にも注文をつける。マフィアの手は刑務所内部にも及んでいる。冷蔵庫を要求して素材から確認しないと、とうてい安心できないという。
う~ん、塀の中が安心できなければ、いったいどこが安心できるのだろうか。「三界に家なし」とは、まさにマフィアの裏切り者にあてはまることばであるなあ。

by chaotzu | 2006-02-02 22:33 | 外国映画


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