カテゴリ:野球( 34 )


2005年 10月 03日

ドラフト珍事

◆第一回目のプロ野球高校生ドラフトで罪作りなハプニングが起きた。
大阪桐蔭の辻内投手と福岡第一高校の陽内野手、実際は巨人と北海道日本ハムが当たりだったのに、ハズレくじをひいたオリックスとソフトバンクの交渉権確定を堂々と発表してしまった。
b0036803_21475990.jpgプロ野球機構の大チョンボだろう。当たりくじをきちんと確認しないまま、間違った結果をアナウンスしてしまい、おまけにそれを二回も繰り返したのだから、何をか云わんやである。
こうなるともうはっきりと「アタリ」「ハズレ」の朱印にしておけばいいのにと思ってしまう。

とりわけ、台湾出身の陽選手が翻弄された。台湾国籍の王監督率いるソフトバンクが意中の球団であっただけに気の毒である。実兄がソフトバンクに入団する予定もあったらしい。最初のアナウンスでうれし涙を流したらしいが、一転、交渉権を得たのは札幌のチームである。やり直し記者会見で「うれしいです」と言葉短めの対応であったが、気持ちを整理するのにたいへんだったろう。くじけずに頑張れよと云いたい。

◆しかし巨人の堀内監督も呑気なものだ(笑)。この人の場合、出席することさえ不可思議なのにくじ引き役まで務めている。事実上クビ宣告されている人間がここまでするというのは、なんらかの「人事異動」の約束があるからだろう。
ところが、当たりクジをひいているのに、なんのアピールをしようともせず、日本ハム関係者から照会されて、やっと気がつくありさま。およそドラフト史上いちばんやる気のないくじ引き役である。まあその程度の取組み姿勢だったのだろうが、試合に喩えればサヨナラ負けの状況で、相手チームの決勝走者が本塁に触塁したかどうか確認しないまま引揚げるようなものである。およそ勝負の世界の住人としては考えられないほどの、アキラメの早さだ。おまけに、にやにや笑って記者会見している。「若いひとを振りまわしてしまい申しわけない」ぐらい云えたら立派なものなんだが、やっぱりこのひとには指導者として肝心なものが欠けているとしか云いようがない(嘆)。読売グループは「人事異動」案を見直すべきだろう(苦笑)。

◆指名された高校生は全部で38名、全国高校球児で僅かこれだけであるから、現時点でエリートの卵であることは間違いない、しかし、このうち一軍で活躍できるのはせいぜい3割程度ではないか。大半が落伍する厳しい世界だ。早期退団者については大学球界でやり直しできる途があってもいいのではないかと思う。その場合は契約金のあり方も見直す必要があるだろう。海のものとも山のものとも分からない高卒新人に1億円なんて契約金は論外だと思う。
実際のところ、ドラフトの指名順位なんてあまり意味がない。最近の高卒新人は下位指名から頭角をあらわしたひとのほうが多いのではないか。ソフトバンク川崎内野手は4位、西武の中島内野手は5位、楽天の岩隈投手は5位だった、みんなほとんど騒がれずに入団した。そうそうあのイチロー選手も4位指名である。入団した年のキャンプでたちまちモノの違いを見せつけたらしい。成長時期も人それぞれであろうし、17~18歳時点の順位なんて実にいい加減なものである。
指名された球児たちよ、指名順位なんて気にする必要はない、みんな横一線でガンバレ!
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by chaotzu | 2005-10-03 21:56 | 野球
2005年 09月 29日

おめでとうございます!阪神優勝

b0036803_2326412.jpg◆自民党の選挙勝利はほとんど詐術同然といってよいが、こちらは正々堂々たるものだ(いや負け惜しみじゃないですよ)。
勝つべくして勝った試合、まるで大相撲千秋楽、朝青龍と栃東の対戦みたいであった。
岡田監督、なかなかやるもんだ、これまで星野氏の存在感が大きすぎて気の毒な面があったが、これでだいぶ払拭したのではなかろうか。他球団経験と二軍指導者、これがこれからのプロ野球監督の必須条件だろう。そうなってほしいものだ。

◆それにしても、巨人の不甲斐ないこと、立会いから呑まれてしまっている。選手は悔しくないのだろうか、負け試合でヘラヘラ笑っているような監督では仕方ないか。
強いチームをつくるのは時間がかかるが、弱くするのは一瞬である。コイズミさんが自民党をぶっ潰したかどうかはまだ分からないが、野球チームとしての巨人軍は完全にぶっ壊れた。その貢献者はナベツネのおっさんとナガシマ名誉監督、そしてホリウチさんだろう。A級戦犯ひとり挙げるとしたら、人事権のあるナベツネ氏か。このおっさんが退場しないかぎり、フロントのコバンザメも居残るので、巨人の長期凋落傾向に歯止めはかからない。いや、ふつうの球団になればいいことだ。

◆いっぽうパリーグのほう、もしかしたら、通算勝率で5割に満たない西武がバリーグ・チャンピオンそして日本シリーズの覇者にもなるかもしれない。短期決戦は強力な先発投手を擁しているところが有利である。西口、松坂の2枚看板がフル回転すれば、どうなるか分からない。しかしちと不条理すぎはしないか。89勝もしたソフトバンクがプレーオフというのは、どうも釈然としませんな。
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by chaotzu | 2005-09-29 23:33 | 野球
2005年 09月 07日

奇々怪々の星野報道

◆阪神前監督星野氏の巨人入り?に関する報道が錯綜というか迷走している。
はじまりは、9月5日(月)、
「年俸10億円!巨人・滝鼻オーナーが星野氏に監督を正式要請」(サンスポ08時03分)
巨人軍滝鼻オーナーが阪神電鉄本社を訪問し手塚オーナーと会談の後、星野氏に極秘接触、「1年契約、年俸10億円」、破格の条件提示とある。
翌6日(火)には、「巨人、阪神に『星野監督』要請していた」(スポニチ06時14分)と同様の報道がつづく。情報源ははじめ阪神関係者とされていたが、他紙の後追いで久万前オーナーと判明し、さらに同氏が「巨人入りを容認した」ということまで。
こうなれば、もう間違いなく巨人・星野監督の誕生だ、ダレもがそう思ったことだろう。

◆ところが同日夜に至って一転する。
「巨人から招請受けていない 阪神の手塚オーナー」(共同通信19時43分)
阪神の現オーナーが“久万前オーナーが会ったのは巨人からの使者ではなく記者だった”
と久万情報を全面否定、星野氏の球団シニア・ディレクター契約の継続も要請するという。さらに毎日の報道では、読売ナベツネ氏も阪神との接触を否定したとある。
いったい、どうなってんの? 84歳のクマさんが呆けとったってことですか(そんなアホな)。

b0036803_20313289.jpg◆直近のニュースが正しいとするならば、5日のサンスポは大チョンボの虚偽報道である。でっちあげといわれても仕方ない。ところが、年俸10億円とか情報がやけに具体的なのである、東スポでもここまで断定しない(笑)。
さらにサンスポ自身も、このニュースを軌道修正していないのである。ちなみに、本日の関係記事は「8日に星野SD続投要請…本音に迫りイッキ囲い込みへ」ということで、あくまで巨人から監督就任要請があったことを前提にした記事になっている。

◆これはもう、ヨミウリから阪神に接触があったとしか考えられない。ナベツネ子飼いの読売記者が「代理人」として動いたのだろう。もちろんペーペーの記者ではない、それなりの幹部記者だろう。実質トップのクマ爺さんに会って、上層部の意向を内々に伝えたにちがいない。球団との関係がないから、勘ぐられても記者としての接触だと言い逃れができる。だけど、いかに言訳しようが、新聞記者がフィクサーまがいの行動をしたとすれば、マスコミ人として職業規範を逸脱したとみられてもしかたがないことだ。
まともなメディアであれば、共同通信等の報道があれば直ちに社内調査するところだが、あいにくヨミウリはまともな新聞社ではないから頬かむりしている。なにより他ならぬナベツネ自身がこれまでフィクサーじみたことに手を染めており、その一端が韓国の情報公開で明らかになったばかりである(オカシなことに、どこもきちんと追及しようとしない。記者のフィクサー稼業はナベツネだけではなかったのだろう)。

◆なぜ、ヨミウリがこれほどまでに焦っているのか?
まず巨人戦のテレビ放映権料1試合1億円の殿様商売が難しくなったこと、視聴率5%そこそこでは3000万円でも上出来だろう、いずれダンピングを迫られること必至である。そして日本テレビの深刻な売上不振もあると思う。ここ数年看板番組のはずの巨人戦がらみCM収入は減少一途であり、日テレは危機に直面している。
だから背に腹は代えられない、放映権料や番組セールスのためには星野人気に頼るしかない、同氏ならば、ゴールデンのスポットCMで1分1000万円の商売が維持出来ると踏んだのだろう。だから10億円払ったとしても安いものである。
それほど、ヨミウリ・グループはいま追い詰められている。とにかく手っ取りばやい人気回復が第一であって、球団の抜本的再建は二の次でしかない。自らの商売危機をいかに打開するかだけで、野球への愛はどこにもみられない。

◆現状はアドバルーンを打ち上げて、その効果は十分果たしたというところではないか。当面様子見しておいて、阪神が優勝すれば直ちに動きだすだろう。そのときにはサプライズは少なくなり、反発もだいぶ緩和されるだろうと見込んでいる。

もうひとつ、いやな疑問がある。
なぜ、首位争いで公式戦がいちばん盛り上がっているさなかに、このようなニュースが噴出するのかということである。良識ある野球関係者なら、公式戦の盛り上がりに水を差すようなことは避けるものなのに、おかまいなしである。
一連の報道が、総選挙の公示から投票までの間にあったということは、たまたま偶然のことなんだろうか。いずれにせよ、総選挙の目くらましになったことは間違いないのだが。
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by chaotzu | 2005-09-07 20:45 | 野球
2005年 08月 30日

はえぬき信仰の愚

◆巨人の次期監督は「星野」問題で喧々諤々である。阪神ファンはムカッとしている。巨人ファンもなんだか釈然としない。さらに中日ファンは憮然。スポーツ紙だけがはしゃいで、野球ファンはダレも喜んでいないようだ(苦笑)。
阪神ファンの気持ちは分からぬでもない。星野さんはまだ阪神球団と契約している人間だ。よりによって優勝争いで白熱しているときである、TPOわきまえぬ物言いはたしかに不愉快だろうし、なにより失礼である。こんなところにも読売グループの余裕のなさがあらわれている。

b0036803_22163325.jpg◆それにしても、ホリウチ監督がまだ指揮を執っているさなかの、公然たる後任論議である。清原選手の残留等気の毒な面もあったが、同情論なり擁護の声は一切聞こえてこない。選手やスタッフの気持ちがすっかり離反してしまったのだろう。よほど、ウラオモテがひどかったということか。長島さんは有能とはいえない指揮官ではあったが、それなりに首尾は一貫していた。ホリウチさんはそれすらもなかったということになる。

◆ここまでに至っても奇異に感じるのは、一部巨人ファンの生抜き指導者にこだわる心理である。素朴なファン感情としては理解できるし、たしかに原前監督も有力な後任候補だろう。だけど、未来永劫の生え抜き監督志向は、はっきり云ってもう無理があると思う。いずれは外人監督もあるというぐらいに思っていたほうがいい。
なにより、チームを抜本的に変えていこうとするときは、しがらみのない外様監督のほうがはっきりと適任じゃなかろうか。かつてのチーム・メイトがいれば、大ナタはふるいづらいものだ。人心の一新をアピールするには、目先損得抜きの思い切ったトレードも必要である。他のチームもこれまでそうしてきた。巨人といえども例外ではない。

◆もともと、選手のほうこそ生抜き重視でいくべきだった。ところが、巨人はこれまで、ずっとその逆をやってしまった。次から次に他球団の中心選手をお金で引っ張ってくるいっぽうで、川相選手のようなベテランの生抜きは追い出してしまう。チームにとって精神的なコアになりそうな選手の重要性をまるで顧慮していない。だから、高橋由伸や二岡など、生抜き選手の存在感はいまだに乏しいままである。そんなチームがいまさら、生え抜き監督にこだわっても、こっけいなだけである。
だいいち、これまでも、生抜き監督の目覚しい成功例がたいしてあるわけじゃない。巨人の川上監督と阪急の上田監督ぐらいしか思い浮ばない。この2チームはもともと、前監督の時代からチームの体制がそこそこ出来上がった、いわばある程度熟成したチームだった。ところが、ガタガタになったチームを生え抜きの監督が蛮勇をふるって再建したはなしはあまり聞いたことがないのだ。

◆外様監督のススメといっても、星野さんの巨人入りをプッシュするつもりはない。だいいち監督ひとりがのり込んで、チームの体質があっという間に変わるならばなにも苦労はない。どんなに素晴らしい指導者がきても、1年目から効果を期待するのは無理というものである。
さらに、巨人の場合は監督もさることながら、フロントも大幅に刷新する必要があるのではないか。長島名誉監督もこの際例外ではない。
巨人が実際に星野氏の招聘を決めるにしても、ナガシマさんの同意は必要だろう。あくまで推測であるが原前監督はナガシマさんにあまりよく思われていないのではないか。だけど、監督の人選にナガシマさんの好き嫌いがいちいち反映するとしたら、それこそ困りものである。今後、監督人事でドタバタしないよう、ナガシマさんもいっそのこと勇退していただき、療養に専念してもらうことだ。
再建する会社にあっては名誉職なんかは不要。それぐらいハラをくくらないと抜本的改革なんて口先だけにとどまること必至である。
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by chaotzu | 2005-08-30 22:29 | 野球
2005年 08月 25日

高校野球かくも奇妙な世界

◆駒大付属苫小牧高校、57年ぶり夏の甲子園連続優勝で大フィーバーかと思いきや、一転、教師(野球部長)による部員への「暴力」事件で大揺れである。

b0036803_2152267.jpgこの事件、正直云ってよく分からない。事件そのものの中味以前に、なぜこれほど騒がれるのか理解できないのだ。「暴力」事件をないがしろにするつもりはないが、とても全国ニュースでとりあげるネタとは思えない。せいぜい地方版ではないか。マス・メディアはもっとほかに調査報道すべきことがあるはずだし、まして衆議院が解散して選挙告示直前である。

夏の甲子園優勝校野球部の事件だからニュース・バリューおおありという考えもあるだろうが、100人近くの部員がいてそのうち登録外で試合に出ていない部員が、しかも「被害者」であるという事件である。甲子園あるいは南北海道の地区予選で現実にあった野球試合となにか特別な関連があるのだろうか。
まして、優勝を勝ちとったのは出場した選手の力である。大人が仕出かした「暴力」であるのに、優勝の辞退あるいは取消しの事態まで想定した報道は、すこぶるこっけいにみえてしまう。

◆問題があるとしたら、「暴力」事件そのものよりも、事件が発覚すれば甲子園に出場できなくなるという学校側の発想ではないのか。現実に明徳義塾高校は部員の集団喫煙と下級生部員への暴力事件で、甲子園に到着してから出場辞退に至っている。学校としてのリスク管理の拙さとそれを誘引する高野連の旧弊体質である。
また、当該部員の父親が云うように「40発殴られてアゴが曲がった」としたら、それこそ刑事事件である。学内の調査委員会や高野連への報告がどうたらの密室的な対応は不信感を生むだけではないだろうか。

だけど、もういい加減にしてほしいものだ。まして、苫高の事件は部員の起した「不祥事」ではない。こうなると際限のない連帯責任の追及である。高野連はいつまでサル芝居をやるつもりなのか。
昔からそうだが、高校野球を聖なる祭典に祀り上げたいマス・メディア(朝日と毎日そしてNHK)の思惑がなんでも事大主義にしてしまう。高校生のクラブ活動のひとつであって、それ以上でも以下でもない。ところが、商業ベースにのった大人の打算が、いつのまにやら高校野球だけ卓越した存在にもちあげて、ありもしない純真な高校球児の虚像をでっちあげてしまう。だいたいが球児である以前に、17、18歳の遊びたいさかりが大半であって、そっちのほうもまた自然なのである。
夏の大会で優勝した金村義明(報徳学園→近鉄)の本なんかみると、球児の「悪がき」ぶり横溢である。受け狙いの誇張部分はあるかもしれないが、メディアが報道するうわべだけの高校球児イメージを見事にぶちこわしている。

◆かつての週刊ベースボールのグラビア、甲子園出場有名球児(のちドラフト1位入団)の紹介写真をみると、なんとテーブルの上に堂々と百円ライターを置いている。どうみても持ち主はその選手である、オイオイ大丈夫かい(笑)。実際は、取材記者の前で平然と煙草をふかしていたのだろう。そして、そんな選手がいくらいようが、メディアも商売ネタ優先でそれを看過していたのではないか。
セリーグの某球団監督の高校球児当時なんかは、見るからにワルの雰囲気たっぷりだった。野球番長そのもので、このひとなんかは部内で出場停止20年分相当ぐらいの「不祥事」をやっていたにちがいない(笑)。
しかし、それぐらいのやんちゃ坊主じゃないと大舞台で実力発揮できないぞといった見方があったことも事実なのである。同じ球児のなかでも、熱血青春部分と思春期反抗部分が並存している。それが、タレコミがあるかないかでどちらかに偏ってしまう。同じことをやっても、人間関係次第で、指導的行為になれば暴力行為になったりもする。

このままでいくと、外部?からの「タレコミや告発」次第で、高野連の運営が左右されることになりかねない。いやもう既になっているか。
いつまでも建前的な高校野球観に固執して、連帯責任ばかり振りまわすことはもうやめたらどうか。高校野球はなにも特別なものではない。
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by chaotzu | 2005-08-25 21:57 | 野球
2005年 08月 20日

ホークス宮地外野手の遅咲き野球人生

◆パリーグの打撃ベストテンが面白い。ただいま首位打者はライオンズの石井義人選手、以下マリーンズの今江選手、ホークスのズレータ選手、宮地選手とつづく。新顔が目立っている。このなかで、石井選手は3年前横浜から移籍選手であるが、交換トレードの付け足しみたいな存在であったし、宮地選手に至っては2年前にライオンズを自由契約になった選手である。
こういった選手が活躍するとなんとなくうれしくなる。人生まんざら捨てたもんじゃないぞと思えてくる。そして、チームを強化するのはお金だけではないこともよく分かる。

b0036803_11372130.jpg◆プロ野球の常識として「自由契約」といえばたいてい解雇=クビのことである。だからそれなりの実績がある選手はみな体裁に鑑みて任意引退の扱いを選ぶ。ただし、例外もあって、巨人の江川投手は自由契約のはずである。突然の引退表明に逆切れした球団の不快感ゆえである。
宮地選手の場合は正真正銘の解雇である。ライオンズに通算14年間いてちょうど100安打の選手である。年齢的にもう伸びしろがないとみられたのかもしれない。球団としての若返り方針もあっただろう。

◆戦力外通告を受けたプロ野球選手対象の合同トライアウトがはじまった年であり、某民放が特集番組をやった。ホークスを解雇された大越選手が登場して、なんとか現役を続けたいとあちこち入団テストを頼んでいる。合同トライアウトではなんとしてもいいところを見せねばならない。甲子園同期の宮地選手もクビ組であり、お互いに情報交換したり相談しあったりの様子がうつされる。
結果は皮肉なもので、宮地選手はホークスの入団テストに合格する、大越選手を解雇した球団である。その大越選手はとうとうどこも不合格に終わってしまう(番組が入団テストの最終結果まで報道したかはウロ覚え、事後の情報かもしれない)。
ただ、宮地選手にしても、何球団かのテストを落ちまくっていた。ホークスに拾ってもらったようなものである。レギュラー経験のない32歳(当時)の外野手に食指を伸ばす球団はそうあるものではない。年俸もガタ減りしたのではないか。

◆その一度はクビになった選手が堂々の3割キープで、打撃成績の第4位につけているのだから痛快である。オールスターにも初出場したし、この調子ならば規定打席に達するかもしれない。プロ入り16年目ではじめて規定打席なんて、これまで聞いたことがない。毎度旧い記憶で恐縮であるが、ずっと昔阪急ブレーブスの矢野選手が突然大ブレイクして話題になったことがあるが、それでもプロ入り10年目ぐらいではなかったか。
なんでもそうだが、人間の成長とはただ単に年齢要因だけではないのだろう。ただ若いからといって、順調にキャリアアップするとはかぎらない。他事に目移りしたあげく逆に退行することもある。人にはそれぞれ、成長する時期があるのかもしれない。たぶん、その人の置かれた環境とか人間関係がいちばん影響してくるのだろう。
ホークスも親会社の斜陽とあいまって、レギュラーの外部流出をひきとめない方針に転換しており、チームとして新陳代謝を促進させていた。それがよかったのだろう。もし王監督が巨人時代の感覚に固執していたならば、テスト入団の30代外野手なんて、数合わせ以外ではまったく顧慮しなかったはずだ。

◆こういう遅咲き選手の実例をみると、つくづく飼い殺し選手の救済策がないものか思案せずにいられない。いわばFAの逆である。シーズンオフに非プロテクト選手のウェーバーをやるのである。プロテクト人数はたとえば、入団5年内選手を除く保有選手の5割とかにするとかである(あくまで例えばね)。
環境が変わって、新しい刺激があれば、ブレイクする選手はほかにもたくさんいるのではないか。
とくに巨人なんかは一杯抱え込んでいるはずである。
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by chaotzu | 2005-08-20 11:44 | 野球
2005年 08月 06日

清原神話の無残な終焉~年俸3億6千万円、打率2割1分

◆スポーツ新聞によると、巨人の清原選手がおかんむりらしい。打順7番が不満のようで、
“ワイにもプライドがあるんやでえ”とのたまっている。
ホームランを打っても、恒例のハイタッチは拒否、監督とは目もあわさない冷戦状態である。
いったい、どこまで勘違いしているのだろうか。チーム(監督等)に不満があるとしても、3億6千万円もの年俸をもらっているのである。世界中のプロ野球チームのなかでそれほど法外な金を払ってくれるのは巨人だけである。アメリカ・メジャーならば、とっくにクビになっているだろう。なにせあの高津投手でも2年目の途中で解雇されてしまうのである。
それが、自らの成績を恥じ入るどころか、ベンチのムードを暗くする元凶になっているとすれば、ファンに対する二重の背信ではないのか。
b0036803_18541544.jpg◆昨年の契約更改で減俸をのんだとき、「泥水をのむつもりでやる」と報道されたが、あれはマスコミの誤報だったのだろうか。もし巨人に常識あるGMが存在するとしたら残り期間の年俸を支払ってでも、即刻契約解除するだろう。裏返せば巨人という球団があまりにアホだから、選手でおられるのである。
もう巨人の成績なんかどうでもいいのだが、こうもプロスポーツ選手として最悪の晩節をみせられては、あまりに見苦しいのである。おりしも夏の甲子園の季節である。
低打率おかまいなしの一発狙い専門、チーム打撃なんか眼中になし。おまけに走ることもできない。それでも、マスコミの一部にはなにを勘違いしたのかチヤホヤする向きがあるときている。
◆野手としての素材でいえば、おそらく歴代プロ野球選手ナンバーワンだろう。PL同級生の桑田が野手に転向していれば、いい勝負かもしれないが、体力的な素質では清原のほうがはるかに上である。高卒新人で3割30本塁打なんて、もう信じられない不朽の記録である。
それがなぜここまで落ちぶれてしまったか。無名の存在からこつこつとはい上がってきた同世代の阪神・金本選手にも水をあけられてしまっているし、アメリカに渡った後輩世代のイチロー選手や松井選手は、はるかに高いレベルの野球をやっている。清原にもその可能性は十分あったのだ。
◆甲子園の大ヒーローが一転ドラフトで悲劇のヒーロー扱いになったことが清原物語のはじまりである。その注目新人が破格の成績を挙げたこと、そして巨人を打ち破って日本シリーズで優勝したことで、若干19歳にして清原神話が出来てしまう。おまけにオーナーが例のツツミさんであった。清原を猫可愛がりしたものだから、こうなると未成年者にしてはや無敵不可侵の存在になる。今にして思えば、あまりにはやくから頂点を極めた気分になってしまった。それゆえの慢心といってもいい。だから、以後の神話は崩壊一途の無残さである。結局これまで20年間の選手生活でなにひとつタイトルをとれていないのだ。
比べてイチロー選手はどうだろう。2軍戦でもその打撃は抜きん出ていたのに、なかなか1軍で使ってもらえなかった。松井選手も外野手転向を強いられたうえ前半は2軍だった。今にして思えば、万事順風満帆でいくよりは、2軍の冷や飯経験がよかったかもしれないと思えてくる。体力の涵養時期にもなったはずである。指導者が意図したことではないのだが、結果オーライになったのではないか。真に人生塞翁が馬だ。
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by chaotzu | 2005-08-06 19:04 | 野球
2005年 07月 29日

NOMO的生き方~野茂よ、君はすばらしい

◆デビルレイズを解雇された野茂投手(36歳)がヤンキースとマイナー契約をかわした。今後メジャーに昇格すれば、ヤンキースがメジャー7球団目になる。
時系列にならべると
1995年 2月 ロサンゼルス・ドジャースとマイナー契約
1998年 6月 シーズン途中でニューヨーク・メッツ移籍
1999年 4月 解雇されシカゴ・カブスとマイナー契約
1999年 4月 自由契約でミルウォーキー・ブリュワーズとマイナー契約
2000年 1月 自由契約でデトロイト・タイガースと1年契約
2000年12月 自由契約でボストン・レッドソックスと1年契約
2001年12月 FA行使でロサンゼルス・ドジャースと2年契約
2005年 1月 自由契約でタンパペイ・デビルレイズとマイナー契約
2005年 7月 解雇されニューヨーク・ヤンキースとマイナー契約
もうスゴいとしかいいようのない不屈の野球人生だ。日米両方で200勝、ノーヒットノーラン2回の大投手がマイナー契約だけでも5球団目なのである。
もっとも、世紀の盗塁王リッキー・ヘンダーソンが46歳になって、なお独立リーグでプレーしている国である。野茂投手であれば独立リーグで投げることもいとわないかもしれない。これまでも無類のチャレンジ精神を発揮してきたのだ。b0036803_19241184.jpg

◆野球選手としての成績ではイチロー選手のほうが優っているかもしれない。しかし、日本人の生き方そのものに影響を及ぼしたということでは、文句なしに野茂投手が上だろう。日本人選手のアメリカ・メジャーリーグへの挑戦は、野茂が先鞭をつけてひとりで切り拓いたようなものだ。サラリーマンがアメリカに転勤するのとはわけがちがう。近鉄で年俸1億4千万円の選手が980万円のマイナー契約をしてまで、未知の世界にチャレンジしたのである。
そういう意味では、「スポーツ界」というくくりなんぞとび超えて、ここ半世紀で屈指の日本人といっても大げさではないだろう。島国育ちで内弁慶になりがちな日本人に、海外でチャレンジすることの意義を身をもって示したのである。あわせて金銭的な損得より大事なものがあるということも証明したようだ。しかも挑戦はまだ続いている。
◆いい学校を出て大きな会社にもぐりこみ、冒険しない安定した人生を歩む。これまで日本人の多くが信仰してきた出世神話とは正反対の人生である。出身高校(大阪府立成城工業高校)は、甲子園とは縁遠い無名高校、就職したのも新日鉄の下請け会社である。プロ野球のスタートはパリーグの近鉄、ドラフトで脚光を浴びたものの、日本での野球人生はどちらかといえば非エリート的な雑草育ちである。だいたい大阪下町の団地育ちではなかったか、あの日本人離れした体力は、強固な意志でもって毎日ひたすら肉体を鍛錬した成果なのだろう。
◆監督コーチからみて注文をつけたくなる投球フォームであるし、トレーニング方法で首脳陣と衝突したこともある。頑固一徹、自制心のかたまりといってもいいかもしれない。アメリカに行くときも身勝手きわまりないと一部のマスコミや評論家からかなりの非難を浴びている。あれだけボロクソに云われたら「日本球界に戻るつもりはない」発言は当然だろうと思えるぐらいであった。
そして、メジャー1年目で新人王の実績に日本のマスコミや評論家がたちまち豹変するさまは、こっけいでもあった。
◆マウンドだけではない。社会人野球のクラブチーム「NOMO ベースボールクラブ」のオーナーでもあるし、アメリカの「独立リーグ」チームの共同オーナーにもなっている。これも野茂投手の先駆的な取り組みである。やたら「球界の発展」をお題目にするひとはたくさんいるが、現実にここまで実践するひとはなかなかいない。
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by chaotzu | 2005-07-29 19:31 | 野球
2005年 07月 23日

ボビー流人材活用法

◆昨夜のNHKクローズアップ現代、ロッテのボビー・バレンタイン監督の人材活用術を紹介していた。b0036803_23531529.jpgいや感心することしきり。大ざっぱに云うと、「人はほめて使え」ということになろうが、ふつうの事業会社においても人事の基本として共通することであって、ことさら目新しい発想ではないかもしれない。ところが、近頃はこのボビー流の逆が多すぎるのである。すなわち目先の成果主義と自己保身である。だから、ボビー流が新鮮にみえるのかな。
うろ覚えながら忘れぬうちにノートしておきたい。
◆ミスした選手を叱責しない。
「うまくいかなかったことは本人がいちばんわかっている。そこでとどめを刺して何の足しになるというのか」、いや至言、ほんとにそのとおりだ。叱ってばかりではかえって萎縮してしまう。だいたい、これまで、選手に文句プチプチの監督が多すぎたのである。とくにスター選手上がりの監督であれば、選手が歯がゆくみえてならないのだろう。
“あそこで一本出てればなあ”
“あそこで四球なんてなに考えてんだ”
そういう監督ほど自分の作戦ミス、用兵ミスはあまり反省しない。
若いうちからずっとお山の大将でやってきたひとにはこういった気配りはもう無理だろう。
その典型例が巨人の……、おっともう云うまい。
◆調子が良くても時々休ませる。
これまでも、調子がいいからと選手を無理使いしたあげく故障させてしまうことがよくあった。潜在的な疲労が蓄積して故障に至ることはみな分かっていることだろうに、ついつい無理させてしまう。お客あっての興行であるし、選手も出てなんぼ、なによりポジションを奪われるかもしれない。だから故障でもない選手を休ませることは、ものすごく勇気が要ることである。なにより、監督と選手の意思疎通あればこそだろう。
西岡選手の休養明け試合の打率は4割を超えているそうだ。
◆ベテラン選手を脇役に起用
かつてのチームの功労者である小宮山投手を敗戦処理、諸積選手を守備固めに起用、監督と選手の信頼関係あってこそだろうし、そういう役割を監督がきちんと評価していることを明確にしている。たしかに、若い投手を敗戦処理に使っても、たいした経験にはならない。
◆喜怒哀楽もフルに活用
これまで、指揮官は無表情が良しとされてきたが、表情もコミュニケーションのうちである。選手を叱咤激励するときにコトバよりも雄弁なときがある。もちろん、内心のクールさを保ってのことである。感情に任せた喜怒哀楽なら、ダレでも出来る。
◆残念ながら、日本プロ野球の場合、指導者としての人材育成はだいぶ遅れていると思わざるを得ない。明らかに選手としての能力とは別物であるのに、いまだにそれにこだわっているようだ。もっとも、野球ファンのほうも意識改革が必要だろうが。
現役当時から指導者適性を見込んだ選手については、他球団経験、コーチやフロント経験等それなりの育成プログラムがあってもいいのではないかと思う。
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by chaotzu | 2005-07-23 00:04 | 野球
2005年 07月 04日

長島さん復活興行で号外、どっかおかしいよ

◆昨日、ミスターこと長島さんのカムバック興行で読売新聞が号外を出した。なんだか天覧試合以上の扱いみたいだが、読売はトチ狂っているとしか思えない。
国民の生活あるいは安寧秩序に重大な影響を及ぼす事件なんだろうか、それとも一刻も早く伝えねばならない大ニュースだったんだろうか。どう考えてもそんなことはない。だいいち、数日前からマス・メディアが再三、「宣伝」していることだ。b0036803_22171996.jpg
むかし新聞は社会の公器と教わったが、それがトンデモない嘘っぱちであることを満天下に知らしめたようなものだ。なにせ営利企業の客寄せチラシを新聞に偽装してばらまいているのである。
そして、そこまでタイコドンドンでやっても、視聴率は13%ちょっとだ。3%ほどのアップにすぎない。おまけに試合も負けた。
桑田はKOされ清原は3三振。
だから系列の報知に至っては、「松坂、長嶋さんへ感謝の白星」「長嶋JAPAN末っ子岩隈も勝った」などパリーグの選手まで「動員」して提灯行列するしかない。
もう少し空気が読めないのかなあ。

◆テレビのニュースでみたが、当のナガシマさん、ロイヤルボックスからお手ふりで登場である。守備につく巨人選手も脱帽して挨拶している。思わず将軍さまの国を連想するほどだ(泣)。

◆先週発売の週刊文春が、巨人(元)選手に関係した借金処理工作を暴いている。
・高橋由伸選手の父親の債務12億円を㈱よみうりが債権の買取りで肩代わりしていた。ドラフト時の密約の実行であって、これで既定のヤクルト入団をひっくりかえしている。
このときの巨人監督がナガシマさんだ。
・さらに、バブル当時に株と不動産の失敗で莫大な借金を抱えたとされる江川卓、100億円を超える借金が事実とすれは、もう破産同然の状態である。最高の素質をもった選手をここまでにしてしまった発端がかのドラフト破り「空白の一日」事件。
そのときの監督もナガシマさんだ。
まさに“欲しい欲しい病”のご本尊である。
もっと突っ込めば、カネやルール破りで球界を汚染しまくってきた、その戦犯のひとりじゃないのか。
そのひとがお手ふりで登場している、なんだかなあ。
ことナガシマさんに関しては、まだ戦争中の翼賛報道がまかりとおっているみたいだ。
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by chaotzu | 2005-07-04 22:26 | 野球