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2005年 02月 10日

【読書】ロバート・ゴダード「石に刻まれた時間」

◆ゴタードの12作目、いままでだいぶ読んだが、本作がいちばん面白くなかった。作者もいろいろ新機軸をだそうと苦労しているのはうかがえるが、それが空転している。b0036803_23115777.jpg本作では建物にまつわるホラー趣向を加味しているが、肝心のストーリー展開とまったくむすびつかない。結局のところ、事件の真相はどうだったのか、なぜそうなったのか、よく分からないまま消化不良で読み終わってしまった。
 読解力不足もあるだろうが、もう飽きてきたのかもしれない。初期の新鮮さが懐かしいがもう無理かな。
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by chaotzu | 2005-02-10 23:19 | 読書
2005年 02月 10日

北朝鮮「核兵器保有」を公言

◆昨夜のサッカー・ワールドカップ予選の対北朝鮮戦、かなりの盛り上がりだったようでテレビ視聴率は40%台、最高視聴率はなんと57%である。日頃サッカーを観ない人もかなり入れ込んでいたようで、スポーツと政治は無関係というが、そんなのは建前の絵空事であることが実によく分かった(笑)。
 なによりいちばん興奮していたのはマスコミではなかったか。中国海南島における北朝鮮チームの練習風景から追いかけ回し、エース選手の怪我の回復がどうとか、どんな食事を摂ったのか、アイスクリームを食べたがキムチは食べなかったとか、あきれるばかりの微細放送で、つまるところ「拉致問題がらみの遺恨試合」を煽りに煽ったわけである。さぞや日本代表チームはやりにくかっただろう。
 そのマスコミに比べて日本人の応援(サポーター)態度は冷静で実に良かったと思う。あるいは中国・重慶におけるアジア・カップ戦で満天下に恥をさらした中国人の応援態度が反面教師になったかもしれない。何か事起きればキャンキャンするであろう朝鮮中央テレビも報道のしようがないのか黙殺している。「街宣右翼」が騒げばともかく、そんなこと絶対にありっこないというかありえないよ。総連が頼めば別だろうけど(笑)。有元恵子さんのお母さん曰く「あの国は政治が悪いのであって。選手は何も悪くない」、ほんとにそのとおりだと思う。
◆その北朝鮮がとうとう「核兵器保有」を公言した。これがブラフでないとしたら、米朝枠組み合意(1994年)の約束違反のみならず、朝鮮半島非核化共同宣言(1992)や日朝平壌宣言(2002年)をも反故にするものであるが、そこのところは平気で頬かむりしている。国際的な信義も頓着しないほど追い詰められているのだろうが、傍からみると子供が駄々をこねているみたいである。
 もう当分ほっとけばと思う。3月からの改正船舶油濁損害賠償保障法を厳格に適用すること、そして庶民レベルではアサリの酒蒸しとかアサリバターなどは当面食べないことだ。近ごろは「脱北アサリ」もあるらしいので長期戦になるかもしれない。アサリになんの罪があるわけでもないが、政治と献立も無関係ではありえないということになるか。そして、パチンコ、パチスロも我慢せねばなるまい。
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by chaotzu | 2005-02-10 23:09 | 時事
2005年 02月 09日

【読書】ロバート・ゴダード 「日輪の果て」

◆9作目となる本作は文春文庫。4社(扶桑社、創元推理、講談社、文春)から文庫が出ている海外作家は珍しく、一時の人気がうかがえる。b0036803_19155451.jpg
 本作の主人公ハリー・バーネットは社会から落伍したダメ人間であって、ガソリンスタンドのしがないパート従業員であるが、人間的にはもっとも共感されるキャラクターであり、ゴダードが造形した作中人物では珍しい成功例だろう。そのせいか4作目「蒼穹のかなたへ」につづく再登場である。
それにしても、ゴダードの描く人物像はいつもチグハグである。社会的地位もあって常識もあるだろう人間がおよそ賢明とはいえないアホなことばかりしでかす一方で、ダメ男の烙印をつけられたハリーはというと、実にまっとうに行動する。突然存在を知らされた息子のために奮闘するハリーの姿には胸をうつものがあって、小説の興趣として途中までは上々だったが、惜しむらくは結末が弱い。SF趣向というか超能力の存在をほのめかしているものの、それがすっかり空回りして、なんのこっちゃという終わり方になってしまいまことに残念。
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by chaotzu | 2005-02-09 23:59 | 読書
2005年 02月 09日

【読書】スティーヴン・ハンター「悪徳の都」

◆伝説的名狙撃手ボブ・リー・スワガーの4部作シリーズにつづき、今度は第二次大戦の英雄である父親のアール・スワガーもの1作目。いわば小説のスター・ウォーズ方式である。各作品があちこちで連携している。もちろん単独で読んでも差し支えはない。b0036803_1923356.jpg
 作者はアメリカ版の大薮春彦といったところで、銃器マニアはたまらないだろう。ただ、大薮作品の主人公ほどの寂寞感はあまりみられない。
 スワガー親子はどちらもとにかく強いの一語、エンタメ小説史上最強のキャラクターかもしれない。マフィア相手の死刑執行人シリーズといい勝負か。直接の戦闘力のみならず武器の操作、作戦立案能力、知力胆力すべてにおいて抜群で弱点はなく、おまけに美人の妻までいて嫉ましいというしかない主人公を造形して、ラストまで力業でおしきっている。さすがに気恥ずかしいのか、父親のトラウマも混ぜているがご愛嬌だろう。
 作中にはかのラスヴェガス・フラミンゴホテルの“バグジー”・シーガルも登場するが、主人公アールにからむものの一発でKOされ、おまけにラストは悲惨な最期を迎えるというトホホ加減である。他の悪役もみな主人公の引き立て役であって、精一杯威嚇しようが恫喝しようがあるいは懐柔にかかろうが、みんな主人公に軽くあしらわれるのである。そして最後はおきまりのドンパチがあって、悪いやつらが叩きのめされる結末。それが分かっちゃいるけど面白い。ストレス解消にはお奨めだ。
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by chaotzu | 2005-02-09 23:59 | 読書
2005年 02月 07日

「絶叫娘」シャラポワそして漫画「Happy!」

◆本日の朝日朝刊一面はなんと東レテニスで優勝したシャラポワ選手の写真入り記事、たいしたものだ。テレビ・ニュースでみると、試合中はもう絶叫しっぱなしであるが、いったいなんと叫んでいるのだろう。“ヒャー”“ウォーッ”“カモーン”いろいろあるようだ。千駄ヶ谷まで行って、生録しとけば商売になったかもしれないなとつい不埒なことまで考えてしまう。
 「シャラポワ生絶叫」CD-Rに仕立てたらどうだろう。一種のブートログである。福原愛ちゃんの“ターッ”かあるいは“サーッ”もつければよいかもしれない。世の中にはいろんなご趣味の方がいるので、日本橋あたりにもっていけば商売になるかもしれんとおじさんの妄想がつのること。ボーナス・トラックで細木数子の“地獄に落ちるわよ”もつけるので勘弁してくださいな(汗)。
◆こんどは真面目なはなし。
 浦沢直樹の漫画「Happy!」は、薄幸のテニス少女、海野幸の成長物語であるが、とにかくこの健気な貧乏少女をとことん苛め抜き、一時はホームレスにまで追い詰めるというので、漫画ファンの評価も二分されている。コメデイーでありながらとても笑えない、性格最悪のライバル・キャラ竜ヶ崎蝶子が好かんなどである。→蝶子ちゃんはある意味爆笑キャラでもあったと思いますが、それは人それぞれかな。b0036803_2182180.jpg
 それはともかく、現実のシャラポワ選手はこの漫画をもう超えている。ロシア人で紹介されているが、実際は英語がメインのフロリダ娘である。ここまで至るには、同年代の日本人少女ではとても経験できない人生があったはずだ。
 チェルノブイリ事故の余波で極寒のシベリア生れ、6才にしてテニスで一旗あげるべく父親とアメリカ・フロリダに移住しているが、そこからしてバクチだ。経済的に富裕とはいえない貧乏父娘にはかなりの苦労があったろう。まして言葉も通じない外国であり、かつての仮想敵ロシアの出身である。この点「Happy!」の主人公海野幸は日本語環境での苦労であり、理解者や擁護者もいた。
 試合中の絶叫はとても上品とはいえないが、異国で成長した人間のなにくそ根性というか負けじ魂がこめられているようだ。なみの17歳であるはずがないか。
 日本人では、プロ・ゴルファーの横峯さくら選手が比較的近いキャラかもしれない。どちらも父娘の親子鷹だ。そういえばレスリングの浜口選手も同じだ。
 「巨人の星」はいよいよ遠くなりにけり。
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by chaotzu | 2005-02-07 21:16 | 時事
2005年 02月 07日

エンディング・ノート

◆大阪のNPO法人「ニッポン・アクティヴライフ・クラブ(NALC)」がエンディング・ノートなるものを販売している。実務的な遺言書(引継書)みたいなもので、葬儀や法事、墓に関する希望のほか、所有不動産や預貯金、保険など家庭経済の記録もできるようにしているのがみそである。この冊子をみるとなかなか細かいところまで網羅している。葬儀のタイプの選択、火葬と告別式のどちらを先にするか、祭壇のデザイン、遺影や納棺時の衣装指定、香典は頂いてよいかなど、さらに臓器提供と献体の意思や遺体の防腐処理まで項目を設けている。ただ家系図なんかは余分かもしれない。
 ひとによれば“そんな辛気臭いこと、いまはいいじゃん”と嫌われそうな内容かもしれないが、後に残る家族の余分な気苦労等を思うと、生きているうちに自分の考えを明確にしておくことは大事なことだと思う。b0036803_20593033.jpg
◆自分の父親は何の意思表示もしないまま亡くなった。このため葬式や墓などは「故人の遺志を目一杯推量」するしかなかったが、今から思えば故人を悼むというよりも、残った者が自己満足できるかどうかになっていたようだ。そこのところを葬儀屋やお寺がまた上手につつくわけである(笑)。だから、自分の葬式はとにかくシンプルに廉価で済ましてほしい、そこははっきりしとかねばと思っている。坊主はひとりで十分であるし、墓も要らない。
 財務上の記録もきちんと残さねばならない。もっとも、預貯金や保険なんかは大してあるわけでなく何のメモも要らないだろうが、クレジット・カードなど会費を徴収されるものがあるし、生きているうちは清算できず事務的に引継ぎしておかねばならないこともある。
◆発想の基本は「死者は生者を煩わすべからず」である。だいいち、生きているうちからかなり人様を煩わせている、静かにさっと退場するのがスマートというものだ。
 現在は健常体で元気な方も万一の事故等に遭遇するおそれがないとはいえない。余計なおせっかいかもしれないが、このエンディング・ノートに準じたメモを作成して毎年更新しておけばいいと思う。なにより自分史をふりかえる作業にもなる。
 このノートそのものは市販しておらずNPOの直販、A4版の小冊子で送料込み1冊1230円であるが、正直云って割高感は否めない。内容更新が容易なパソコンソフトにしてもっと安くすれば、さらに普及するかもしれない。
◆がん患者からの生命保険買取りビジネス、裁判所も認めてほしいものだ。現実の査定はどんなものか分からないが、がん患者にとっては選択肢がいろいろあるほうが有難いことはたしかである。
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by chaotzu | 2005-02-07 21:03 | 病気
2005年 02月 05日

「大阪のおばちゃん」考

◆「大阪のおばちゃん」というと、口こそ悪いがしっかり者で根は気さくなお人よしみたいなイメージがあるが、それはマスコミが勝手につくりだした虚像ではないか。静岡県で「大阪はオレオレ詐欺の被害、めっちゃ少ないんや」と大阪のおばちゃんキャラを打ち出したテレビCMが評判だとか。
 しかしちよっとまてよ、ちゃうちゃうそんないいことあらへんでと地元民としてひと言云っておかねばならない。当のおばちゃん連中をいま以上につけあがらせてはいけません(笑)。
 「大阪のおばちゃん」の実体はというと、行列にきちんと並ばない、割り込んで買い物する、ルールは自分に都合よく解釈する、映画館では隣で煎餅をばりばり食べる(泣)、口も悪けりゃ行儀も悪い、おまけに人柄も悪い。ひと言でまとめると「えげつない」「あつかましい」方々ということだ。誤解されては困るので、正確を期して云うとみんながみんなそうではない。たいていはふつうのおばさんだろうが、一部の「えげつない」指数の高い方が他府県に比べて多いということである(念のため、ただしどの程度多いかは控えます)。
◆その「大阪のおばちゃん」いちばんの特質は“もらうもんはもらっとかねば損”という発想であるが、これが見事に某市役所関係とリンクしている。情けないことだが民度が反映するのである。
 さて、大阪市役所職員厚遇問題は大阪市労連が抵抗しているようだ。もっと真摯に空気を読めよといいたい、普通の常識があれば傷口の浅いうちに上手に退却を図るもんでしょうが。ただ、労連ではまとめる力がなくて無理なのかもしれない。傘下7単組(市職組、従業員組、交通、水道など)それぞれの意見もこの際オープンにすればよい。腐ったリンゴがどこに多いか、そして問題の根底が奈辺にあるか、参考になるかもしれません。
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by chaotzu | 2005-02-05 19:00 | 時事
2005年 02月 05日

【映画】 「オペラ座の怪人」 オタク男のかなわぬ恋

◆2004年アメリカ映画、有名な舞台ミュージカルの映画化は賛否両論あろうが、本作は家元アンドリュー・ロイド・ウェバー自らの製作であるので、行かずばなるまい。客席はいっぱい、女性客が圧倒的に多いようだ。「四季」の公演あたりを観たひとが、映画でもう一度感激したいということかもしれない。b0036803_18474056.jpg
 で、観た感想→なかなかよかったです。いい席で観る生舞台の迫力には及ばぬかもしれないが、コスト・パフォーマンスでは映画のほうが完全に勝っている、そりゃ当たり前ですか。この映画で舞台のほうも観たくなった人がかなりいるのではないか。
 筋書き的にはオタク醜男の横恋慕物語であって突っ込みどころ満載だが、それを観客に意識させない豪華絢爛さと音楽の迫力がある。怪人の日常生活、買い物とか食事、洗濯などいったいどうなんだと下世話な勘繰りをする閑がないほど、ロイド・ウェバーの音楽が堪能できる。とくに、デュエットのラヴソング「オール・アイ・アスク・オブ・ユー」はいい唄。仮面舞踏会(マスカレード)のシーンも印象に残る素敵な出来映えである。
 ヒロインを演じたエミー・ロッサムは現在18歳、「ミスティック・リバー」では子供役だったが、歌唱力含め堂々たるものだ、撮影開始時は16歳だったそうな。テニスのシャラポワ選手、フィギュア・スケートの安藤美姫選手といい、いやはや最近の10代女性は恐るべしです。
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by chaotzu | 2005-02-05 18:50 | 外国映画
2005年 02月 04日

【ビデオ】 「ロルカ、暗殺の丘」 驚きの結末

◆1977年スペインーアメリカ映画
 スペイン内戦時に起きた詩人ロルカ暗殺事件の謎を追及するはなしである。フェデリコ・ガルシア・ロルカのことは全く知らなかったので、ひとつ勉強になりました。b0036803_22365863.jpg
 ただ、この映画は歴史ものにとどまらず、よく出来たミステリー映画になっている。その点はアンジエイ・ワイダ監督の「大理石の男」とよく似ている。物語時点の1954年と内戦が勃発した1936年の回想シーンが交互に繰り返されるので、はじめは分かりにくいが、途中からぐいぐい引き込まれ、結末は衝撃的である。
 ロルカ役のアンディ・ガルシアも幅広い役者だ。ぶち切れキャラかと思っていたら静謐な役も達者なんだなと感心する。
 しかし、内戦をテーマに何作もの映画がつくられているが、スペイン人の心に残った傷痕には毎度痛ましいものがある。
 映画のラスト。
 「いつのことだろう、あれほど明るいアンダルシア人が再び生れるのは…
 彼の気高さを嘆きの言葉で歌おう
 オリーブの木立に吹く悲しい風を思い出す」
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by chaotzu | 2005-02-04 22:42 | 外国映画
2005年 02月 04日

暴利をむさぼる病室テレビ

◆NHKの会長自ら受信料の不払いが40万件近いことを明らかにするなか、昨日、全国の病院にプリペイド式の貸テレビを設置している業者の団体が「受信料の支払いを今月から凍結する」と発表した。自分に云わせると、どっちもどっちでよく云うよというかあきれる思いである。
 最近の病院はたいていプリペイド・カード式のテレビを病床毎に備付けている。実はこのTVカードがべらぼうに高い。1枚1000円するのだが、これ1枚でテレビを視聴できる時間は病院によりまちまちであるが、800分から1600分。だから自宅感覚でテレビを視ていると、1、2日で1枚使ってしまう。ひと月も入院すると軽く1万円を超える出費になる。しょっちゅう視ておれば2、3万円/月だ。だから実際のはなし、このカードは生花なんかよりはよほど喜ばれる見舞い品になる。なにより現金との換金も容易である。
 このTVカードをだいたい3日に1枚費消するとして、ひと月10000円の負担になる。この辺りが平均的な使用ベースだろうが、NHK地上波の受信料は1400円/月ほどだから、それでも差し引き8600円である。ちなみに従前のレンタルテレビだと100円/日としても、ひと月3000円で見放題である。
 NHKの受信料不払いを主張するのなら、この強欲かつ入院患者の弱みにつけこんだ料金設定についても頬かむりをするなと云いたい。
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by chaotzu | 2005-02-04 22:26 | 時事