マイ・ラスト・ソング

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2005年 06月 16日

【ビデオ】 「愛を乞うひと」 原田美枝子の入魂演技に瞠目

◆1998年日本映画(東宝・角川書店)、原田美枝子つながりでレンタル。もう7年も前の映画である。この頃は元気に遊び回ってばかりで、ほとんど映画は観ていない。もっとも、母親が実娘を折檻しまくるはなしだ。ヒマな時間があってもみる気は起きなかっただろう。だけど、この映画はまぎれもない傑作だった。
まったく人生のムダ遣いをしていたものである。b0036803_5283687.jpg
◆ヒロインである原田美枝子の演技に尽きる。母親役とその娘が成長後の2役を演じている。いや、歳とってばあさんになった母親役も演じているから、1人3役か。3役ともがらり雰囲気が変わる。男を渡りあるくはすっぱ女、周りの目も気にせず子供を折檻する鬼畜のごとき母親。逆に子供に遠慮してあやまってばかりのおとなしい母親、そして人生に退廃したかのような老婆。髪型まで変えて、ぱっと見では同じ俳優が演じていると分からないほどだ。
◆タイトルの「愛を乞うひと」は、母親にも娘にもあてはまる。男の愛を求める女と親の愛を求める娘、平和な時代であれば両立しただろうが、戦争と戦後の荒廃が母親の性格を歪め壊してしまう。全てのエビソードは、ヒロインが娘の面前で泣きじゃくる最終場面に収斂する。ずっと、こらえにこらえ、閉じ込めてきた思いが解き放たれる。苦労つづきの人生を歩んできたひとりの女性がやっと自由になる瞬間だ。そして、エピローグは台湾のさとうきび畑、陽光の下でヒロインの明るい表情へと一転する。いや、製作者の狙いに気持ちよくひっかかってしまった。
ただ、過去と現在がひんぱんに交錯する展開にしているが、すなおに時系列のままでもよかったかもしれない。
◆國村隼演じる傷痍軍人が登場する。“引揚者寮”に住んでおり、そこに母親ところがりこむ設定である。この映画ではニセの傷痍軍人になっているが、昭和40年代前半あたりまで義手義足の傷痍軍人を目にした記憶がある。国鉄に乗っていると、よく車両を移動していた。白い服で首から募金箱をぶら下げている。冷徹な云い方をすれば物乞いである。一時、強要行為が問題になったことがあるが、戦死した兵隊は英霊に祀り上げられる一方、負傷して帰還した兵隊にはろくな援護もないまま放置された時代があったのである。そんなことも思い出した。
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by chaotzu | 2005-06-16 23:59 | 日本映画
2005年 06月 15日

【DVD】 「喜劇・駅前探検」 豊家再興、駅前埋蔵金を探せ!

◆1967年東京映画、駅前シリーズの20作目である。冒頭、馬上の森繁が登場、早速当時流行りのマカロニ・ウエスタン調を取り入れている。そして、今回の駅前トリオはなんとトレジャリー・ハンター。これまで観たなかではいちばんの異色作かもしれない。
秘宝ものといえば映画の有力ジャンル。「インディー・ジョーンズ」「トゥーム・レイダー」「キング・ソロモンの秘宝」……、日本でも小栗上野介埋蔵金とか山下財宝などの秘法伝説がある。本映画では豊臣家の隠し金である、3万7千両はなんと1700億円。大きくでたもんだ。
秘法探しとなれば、やっぱり血わき肉躍る冒険活劇である。文武両道のヒーローに謎の美女がからみ、古代より暗躍する悪の組織も加わって、大スペクタクルロマンというのが、定番である。
しかし、この映画はそういう絢爛豪華さは微塵もない。だいたい似合わないだろう。駅前シリーズとなれば、とことんチープであるべし。チープの極みを愉しむのである。b0036803_22922.jpg
◆なにせ宝探しの資金提供主が伴淳の質屋であるから、とにかくしょぼいこと。1700億円の財宝探しの費用が5万とか10万円である。おまけに横取りを狙う組織の首領は三木のり平であるから、おして知るべし。
それでもヤマ師の森繁、考古学教授のフランキーが発掘に取りかかる。古文書を解読して、お宝は淡島千景の料亭“千成”の地下に眠っていると見当をつけた。なんと同じ町内のすぐ近所である。なんたる偶然(笑)。自分の家の庭から掘り進んでいけばよい。
そのうち、マスコミが噂を聞きつけて取材にくる。園井啓介、滝田裕介、近藤洋介などいわずと知れた“事件記者”の面々が町内の路地を右往左往する。もうめちゃくちゃや。
◆ギャグ
・ひょうたんが出てきた、中身は何かと思えば将棋の駒がぽろり。“ひょうたんから駒”だって。
・掘り進めるにつれ土管がやたらと出てくる。“よーし、そのうちドカンとお宝が出てくるぞ”
まあ、よくもこんなべたなギャグを繰り出すこと、ちなみに脚本は藤本義一である。
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by chaotzu | 2005-06-15 22:11 | 日本映画
2005年 06月 14日

ピンク・レディにつづきピンク・フロイドも復活、お次はピンク・パンサーだ(無理)

◆かつてプログレッシブ・ロックの雄と謳われたピンク・フロイド、いまあらためて聴いてみると全然プログレしていない、どこがプログレやねんと思うほど分かりやすい(笑)。それでも音楽はいい、とくに「エコーズ」はすばらしい。余計なジャンル分けやラベル貼りが問題なんだ。
 そのピンク・フロイドが20ウン年ぶりに復活するらしい。7月2日のロンドン・ハイドパークにおけるチャリティーコンサートに元の4人メンバーで登場するそうだ。b0036803_23481594.jpg
◆うーん、喜んでいいのかどうか迷うニュース。だいたい、ロジャー・ウォータースが裁判起こしたりして、ケンカ同然の分裂だったんじゃなかったか。20年前はいまの若貴なみの泥仕合だったのである。それがまさか、またいっしょにやるとは……なんと、なんと。
もしかしたら、日本のピンク・レディがなんべんも復活再結成して稼いでいることに刺激されたのだろうか、いやそれは断じてないなあ(笑)。
まあ、巨大プロジェクター用意して、レーザー光線ばらまき、女の子のコーラスを何人か並べて、ピンクの豚や模型飛行機でも飛ばせば、まぎれもないピンク・フロイドのコンサート一丁上がりなんだろうが、なんだかね。
◆3人組の「フロイド」になってから、ギルモアの変貌ぶりにびっくりしたものである。昔は元モデルのふれこみでいちばん格好よかったはずが、アタマのウスくなった太ったおっさんになりはてている。はじめは誰かと思った(苦笑)。後の2人も昔の精彩はないし、あの手この手の舞台装置でごまかしていたような気がせぬでもない。もはや1970年代の輝きは期待できないと思う。
◆てなことを云っても、もう決まったことである。
再結成の第一曲目は「マネー」にすればよい。復活の第一メッセージとして説得力バツグンじゃなかろうか(笑)。
 ♪Money,get away
  Get a good job with more pay and you‘re O.K.
  Money,it‘s a gas  ……

◆追記(6/16)
 タイトルの「ピンク・パンサー」は亡くなったピーター・セラーズを意識したものであるが、ただいま、ヨーロッパの宝石強盗団で同名の組織があるらしい。いやなんたること(苦笑)。
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by chaotzu | 2005-06-14 23:50 | 音楽
2005年 06月 14日

【DVD】「茶の味」 まったりぬるめの新感覚?ホーム・ドラマ

◆2004年日本映画、日本茶はあんまり熱いお湯ではいけない。ちょっとさました程度がおいしい。いいお茶はそもそもぬるいものなのだ。この映画の感想もずばりいってぬるい(笑)。もともとそういう意図で作っているのだろう。だから「茶の味」か。だけど難しいのはそのぬるさ加減、評価は観る側のあいまいな好み次第である。b0036803_2212247.jpg
◆田舎の3世代家族の住人たちによる小さなエピソードが脈絡なくつづく、とりたててメインのはなしがあるわけでない。
 登場人物は、まずけったいなおじいさん、ときどき孫娘にちょっかい出したり、音叉をぴーんと鳴らしたりする。お父さんは催眠術の療法士みたいだ。お母さんは元アニメーター。別居の叔父さんは漫画家であり音響エンジニアだ。そして囲碁好きな高校生兄と鉄棒逆上がりにチャレンジ中の小学生妹だ。田んぼの真ん中に住んでいるが、大人は土と関わりのない「クリエイティヴな関係」のひとばかりである。
◆紹介されるエビソードでわりと面白く感じたのは、浅野忠信の叔父さんによる子供時代の回想、「呪いの森」での野グソ事件ぐらいである(笑)。あとはなんというか、よく分からない(汗)。とにかくぬるいはなしが淡々とつづく。まあそれが狙いというか、ラストでおじいさんの遺した作品にうまくつなげようという意図なんだろうが、途中でちょっと眠ってしまった。
ただ、合い間に挿入される桜並木、川、水田……、関東平野の美しい景色はなかなかいい、環境ビデオとしてはスグレモノである。しかし、これってイヤミな感想かな。
◆目立ったのはおじいさん役の我修院達也、「ハウルの動く城」でカルシファーの声を担当していた。あれ、こんなおじいさんだったのかと思ったが、なんとあの若人あきらの老けメイクである。改名していたとは、全然知らなかった。若人あきらといえば、やっぱり行方不明事件のイメージになってしまうので、改名して心機一転を図ったのだろう。その甲斐あってか、このひとが全部目立ちどころはかっさらっていった、簡単に云ってしまえばそんな映画。カンタンに云いすぎか(笑)。
あと、女の子も可愛いです。
◆特別出演で樹木希林とある、なるほどたしかに出ている(笑)。SMAPの草なぎくんもちょい出演している。だけど、クレジットするほどかな。こういうのは奥ゆかしくやったほうが面白いと思う。
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by chaotzu | 2005-06-14 22:16 | 日本映画
2005年 06月 13日

ナベツネ二等兵の反対

◆月刊文芸春秋7月号は、小泉総理「靖国参拝」是か非かアンケート、立ち読みで済ませるつもりであったが、いろいろ面白い意見があったので、ついつい買ってしまった。
なかでも、いちばんパンチがあったのは読売新聞主筆ナベツネ氏の回答である。同氏の意見は「参拝とりやめるべき」であるが、その内容はきわめて痛烈かつもっともだ。b0036803_22471497.jpg

当ブログでは、これまで同氏への悪口を数回書いているが、“ときには骨のあることも云うんだな”とちょっと見直した次第。もとより日本共産党の党員ならびに除名歴が示すように、単細胞の狷介ジジイではなく、ややこしい性格というか一筋縄ではいかないジイさんなのである。
 以下一部を引用する。

◆「元・陸軍二等兵として
 靖国“神社”に昇殿し、記帳し、宮司のおはらいを受ける「公式参拝」は、すぐれて政治的行為だ。小泉首相が純粋に宗教的、精神的な行為だというなら、深夜か早朝に人知れず参拝すればよい。
A級戦犯の七人は、戦死ではなく、刑死である。私は、東京裁判の判決が絶対的正義だとは思わぬが、太平洋戦争の何百万という内外の犠牲者を出した責任、あの凶暴な陸軍の行動基準を推進した責任(陸軍二等兵だった私は、今でも許せないと思っている)、憲兵、特高警察による暴力的思想統制の立案、実行責任等については、日本国民自身による歴史検証を経たうえで罪刑の普遍的妥当性を判断すべきだ。」
◆いや、ほとんどワタシの感じていることそのまんまを代弁してくれた。それにしても、「元陸軍二等兵」としての意見となれば、凡百の「参拝すべき」意見を吹き飛ばす破壊力があるもんだなと感心しきり。ケンカの仕方をよく知っている。もともと戦争経験世代のひとは戦友の慰霊で靖国を訪れはしても、公式参拝については反対意見のほうが多いのである。戦争で苦労したひとほどそうだろう。
 だけど、ここまで戦争責任について明晰に主張できるのに、なぜプロ野球のこととなると、ご自分の立場が分からぬか不思議でならない。ヨミウリでは誰も云わないのか(苦笑)。
◆なお、文春アンケートで「参拝すべき」意見の多くは、中国政府の「干渉」に対する反発からであり、日本の国内問題としての捉え方はあまりみられなかった。残念なことだ。
 結果的にコイズミさんの靖国参拝をいちばんプッシュしているのは、中国共産党ということになる。実際のところ、中共幹部の一部はそう願っているだろう。
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by chaotzu | 2005-06-13 22:51 | 時事
2005年 06月 13日

【DVD】 「喜劇・駅前満貫」 その後の夫婦善哉?

◆1967年東京映画、駅前シリーズ18作目。東京の恵比寿駅前、森繁、淡島夫婦経営の麻雀荘が舞台である。この当時の恵比寿はまだガーデン・プレイスなるものもなく、オッシャレーとはまるで縁遠いジミな町である。たしかにジャン荘が似合う町だったかもしれない。
 麻雀なる室内ゲーム、昭和の40年代から50年代が最盛期だったかもしれない。だけど実のところまるで知らない。なんだかチンプンカンプンでとてもついていけないのだ。高校時代、熱心な同級生は授業時間中に一生懸命牌の絵を描いて自習に励んでいた。それぐらい刻苦勉強しないとマスターできない遊びなんて、もとより性にあわないのだろう。なお、その友達はバブル後に事業が倒産して自己破産、以後行方知れずである。おっと余分なはなしだ。b0036803_215554.jpg
◆フランキーが演じる街の発明家が面白い。ビン底メガネにもじゃもじゃアタマ、珍妙な発明を繰り返しては悦に入っている。淡島千景に“人工胸毛”を説明して、大真面目に毛の出物を頼んでいるところはかなり可笑しい。
いっぽう、森繁は恐妻家のくせに女好き、転がりこんできた妻の後輩池内淳子が気になってならない。本作では関西出身の設定で、「夫婦善哉」以来の関西弁森繁である。そういえば、化粧品の関係に勤めているとか淡島妻が説明しており、もしかしたら「夫婦善哉」の後日譚か? いずれにせよかなり意識している。
池内淳子の夫であるのり平もまた女好きで万事だらしがない。その仲人であるみかん山のオーナー伴淳も野川由美子の関西系ホステスにひっかかって、女物ドレス姿で妻の乙羽信子につかまってとっちめられる。
 なんだ、この映画に出てくる男性はみんなダメ男ばっかりじゃないか。そう、そんな映画なのである。ダメオトコが観るダメオトコたちのドラマ。しらけるようなヒーローは一切出てこないのでなにより安らぐというか気持ちも落ち着くのである(笑)。
それでも、最後はきれいに締めくくってくれる。再生した2組の夫婦、そして新しい門出のカップルが誕生する。最後は大満貫。天和、四暗刻に大三元だ。もしかして、癒し映画?
◆俳優メモ
・山茶花究;駅前シリーズの常連であるが、なんとなく気にかかる存在。池内淳子に気のあるラーメン店主かつジャン荘の常連客の設定である。いまでいえば、伊東四朗的存在みたい。
・かしまし娘:関西系のいけいけホステス、もううるさいわい。
・松山英太郎;これまでの端役からとうとう森繁・淡島の息子役になった。この後テレビ人気が沸いて、そして亡くなってしまう。それにつけても森繁の驚嘆すべき長生き力である。
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by chaotzu | 2005-06-13 22:02 | 日本映画
2005年 06月 12日

愛ちゃんの中国語にいたく感服

◆卓球の福原愛ちゃん、NHKのニュースでみたが、中国語による見事な受け答えにびっくりし、そして感服しきりだ。中国の卓球プロリーグ・超級クラスに日本からひとり参加して2週間たつ。
まだダブルスだけの出場であるが、所属の遼寧省チームは開幕から3連勝とのこと。いや、なかなかたいしたものである。なにせまだ16歳なのだから。b0036803_2321256.jpg
 
 これから12月まで、夏休み2カ月をはさんで週2回ペースのリーグ戦がつづくそうだが、広い中国を転戦するだけでもたいへんだし、食べ物も日本とは異なる。世界クラスの選手とプレーするプレッシャーもたいへんなものだろうが、流暢な中国語が示すように、みたところではチームにすっかり溶けこんでいるようだ。もうクラブ活動の域はとっくに脱しており、見上げたプロ根性である。

◆いま現在の日中関係、近隣国であるというのに、とてもまともとはいえない関係だ。さまざまいろんなコトバがとびかっている。おそらく卓球のリーグ戦であっても、不愉快なことはときにあるだろう。なにせ、北京の副市長がスポーツ観戦マナーの悪さについて、異例の言及をするほどである。そんななかで、16歳の少女が小さな体で必死に奮闘している。
 双方の政治家や役人がやりとりする思惑まじったことばよりも、ラケットひとつの愛ちゃんのほうが、ずっと立派でまともにみえること。「プロ」を自認する大人の口先外交よりも、スポーツや文化による交流のほうが、はるかに実質があって百万言のコトバよりも雄弁かつ有意義なように思える。
いやアタマが下がります。
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by chaotzu | 2005-06-12 23:10 | 時事
2005年 06月 12日

【ビデオ】 「はつ恋」 とうとう田中麗奈ちゃんまで「シェーッ!」ざます

◆原田美枝子はなんとも不思議な女優である。15歳の少女でデビューして以来46歳の現在まで、ほぼ出ずっぱりでずっとトップ女優の座をキープしている。比肩しうるのは大竹しのぶぐらいではなかろうか(吉永小百合はちとちがうように思う)。だけど、大竹しのぶと違って、もともとはアイドル的な出自だったのである。
ナミのアイドルと違ったのは、とにかく脱ぎっぷりがよかったことだ(汗)。たしか20歳そこそこで、いまは亡き勝新太郎撮影のヌード写真集を出している。それを発売日に買ったというワタシ、勝新太郎にむかつきながら、実はうらやましくてならん(笑)。それから、「北の国から」のUFO先生みたいな、なんだか奇妙な役も鮮明な記憶で残っている。
 いま思えば、若いうちから“他人といっしよくたにせんといて”みたいな、強い自己主張があったのだろう。生意気にみられた時期もあったようだが、いまや堂々たるベテラン女優さんである。
本作品はその原田美枝子が母親役をつとめている。前置きが長くなったが、こんなに母親役が似合う女優さんになるとはかつて思いもしなかったのである。
b0036803_20465212.jpg◆2000年日本映画(TBS)、田中麗奈つながりでレンタル、デビュー作と同様の高校生役である。はなしは、病気の症状が思わしくない母親のため、かつて初恋の男性と会わせるべく奔走する娘のドラマである。はっきり云って強情娘の余計なおせっかいというものだ(苦笑)。
なんの打算もない青春の発散を描いた「がんばっていきまっしょい」と異なり、ちとはなしに無理筋がありすぎだし、だいたい父親の立場をないがしろにしている。
真田広之の役回りといい、はなしを無理にこしらえすぎているのだ。
 だからといって、どうしようもない駄作ということではない。映画が浮き上がって空中分解せずに済んだのは、両親を演じた平田満と原田美枝子の落ち着いた演技、そして見事な一本桜のおかげではないか。それで少女の成長物語としてかっこがついた。まあよくできたファンタジーとみるのが、いちばんふさわしいかもしれない。
b0036803_20471145.jpg◆なんと麗奈ちゃんまでが「シェーッ!」、けっして美人にはみえないがなぜか可愛い、そんな女の子が銀座の歩行者天国で「シェーッ!」を披露する。おまけに真田広之までが「シェーッ!」だ、あのたそがれ清兵衛がである(笑)。
映画としてはかなり危ない綱渡りである。賛否両論あるかもしれない。だけど、もともと無理筋のはなしだし、少々やりすぎてもそれがなんだってなもんだ(笑)。
 
 それにしてもやっぱり長生きするものである、2週連続で「シェーッ!」を観るとは、びっくりしたなあ、もう(by三波伸介)。
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by chaotzu | 2005-06-12 20:54 | 日本映画
2005年 06月 11日

【DVD】 「喜劇・駅前団地」ズンタタッタ、ズンタタッタでニュータウン開発

◆1961年東京映画、駅前シリーズ2作目。舞台は小田急線の川崎・百合丘、東京のベッドタウンとして開発のさなか、住宅公団の第二団地が着工前で百合ヶ丘駅もまだないという設定である。
前作の井伏鱒二原作「駅前旅館」から3年経っており、正月映画の企画に困ったあげく再登板を思いついたのだろうか。だけどいまみると、けっこうまっとうで面白い。
b0036803_18383410.jpg◆伴淳演じる元小作の権田孫作、開発ブームで田畑がばんばん売れて、オール電化の家庭が自慢。もう百姓はやめようと思っており、倅はなんとしても大学に行かせてサラリーマンだ。
幼友達の森繁は地元代々の開業医でやもめ、ニュータウンそばの伴淳所有地を譲ってもらい病院を建設したいと考えている。だけど伴淳はフランキーの不動産屋にもう売約済み、買主は淡島千景の独身女医さんで、こちらも病院を計画している……。
まあニュータウン開発さなかの旧住民たちの人間模様である。
◆あらためて気がつくが、駅前トリオもまだ真面目なのである。女遊びは半年後の「駅前弁当」からであり、森繁なんかはむしろ堅物演技である。まるで日本の経済成長と寄り添っているみたいだ。
はなしとしては、むしろ伴淳の土地成金ぶりを揶揄するような内容である。でかいステレオセットのあることを自慢する、客に聴かせたくてしかたがない。だけど実際に聴いているのは浪曲である。大きなダブルベッドを買って“ベッド・タウンだもんな”といった具合。そこかしこに農地解放で土地を手に入れたばかりの農民が時勢でたちまち金持ちになるさまに冷たい視線を浴びせている(笑)。
だけど、息子の久保賢(山内賢)は“百姓が土地を手放してどうやって生きていくんだよ”と反発している。いやいや予備校に行かされるのが不満でならない。親のすねかじりのくせにまったく可愛気のないセガレである。
◆ラスト、息子は大学進学をやめて恋人と養豚業をはじめるという、トンでもない結末。ただ今の視点でみれば、ニュータウンのそばで養豚業をはじめるなんて、自爆行為としか思えない(苦笑)。大衆居酒屋の淡路恵子も百合丘駅前に洒落たバーを開店するが、それもどうかなあ。
結局のところ、現実の経済成長は映画制作者の見立てをはるかに上回っていたことになる。駅前トリオの道楽ぶりも、以後の作品でどんどん加速するのである。まあ、百合丘近辺のひとにとっては確実に懐かしいであろう映画だ。
◆フランキー堺、この駅前シリーズでは人のいい次男坊タイプの役柄が目立っているが、本作では口先のうまい詐欺師っぽい不動産屋を演じている。いや、これがまたうまい、あたりまえというか、あの居残り左平次なのである。なぜ、もっとこういう役柄を発揮しなかったのだろうか。あるいは植木等という破天荒な無責任キャラが登場したので、競合を避けたのかもしれない。だけど、もったいないことだなあ。
◆俳優メモ
・坂本九;いつもながらクリーニング店の店員役、おそらく日本一洗濯屋が似合うタレントか(笑)。本作ではテレビで唄う本人とシンクロするセルフ・パロデイをやっている。
  ♪ズンタタッタ ズンタタッタ〰
・久保賢;後に山内賢に改名し、日活の青春タレントになるが、このときはまだ学生服でみちゃいられないほどヘタクソ(笑)、ご愛嬌である。
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by chaotzu | 2005-06-11 18:45 | 日本映画
2005年 06月 10日

架空請求詐欺団 バトル・ロワイヤル特区案(嘘!)

◆アツいアツい、とにかくアツい。梅雨が来る前に真夏日到来である。寒さもいやだが、暑いのもたまらない。あまりのアツさに妄想がつのること。
◆かつて我が家にまで配達された法務省認可法人(財)日本債権管理回収事務局からの「電子消費料金請求書最終通告」、同じかどうか定かではないが、同様の差出人グループ、つまるところ詐欺団が内紛状態らしい。もう4人ほど仲間割れで殺害されている。おおかた詐取した金の分配で揉めたのであろうが、もうお好きなようにどんどんやってくれである。どうせ生きていてもろくなことはしないだろう。
もっとも、最後まで警察当局の手を煩わせており、とことん納税者に余計な負担をかける連中である。
 いっそのこと、どこかの無人島にでも集結させ、そこは当面治外法権にでもして、好きなふうに分捕り合戦やらせてみればどうだろうか。もちろん、最終ウィナーに課税するのは当然だ(笑)。
◆いってみれば「架空請求団BR特区」である。文字通りキル・ビル(請求書)だ。
沖ノ鳥島がもうちょっと広ければ、東京都知事が申請してくれるかもしれん。いや5畳もあれば十分だろう。執行責任者はちょうどハマウズさんがヒマになるじゃないか。けん銃ふり回すの好きそうだし適任だ(笑)。
 それにしても、つまらんことにアタマを浪費して、ゲーム感覚でお金を騙し取って、あげくしょーもないことで命をなくして、なんたる無駄遣いの人生してるんだろうか。コイツラは(嘆)。

◆いっぽう、中野新橋のほうのバトル、49日もすまぬうちから、はやまっさかりである。週刊誌に夕刊紙、真贋不明の情報が乱れとんで何がなにやらである。おきまりの元家政婦が出てきた。ライターが出てくる。相撲界の関係者がでてくる。あげく朝早くから本人も出てくる。不撓不屈の精神でバトってどうするんだろう?もうどうでもいいですよ(苦笑)。ぶちまけるほどにひいてしまう。
 横綱は技量のみならず人格識見秀でた関取を推挙するなんて、かつて真顔で信じていたが、もう撤廃する時期なのかな。
このところ朝ショーリューが立派にみえること。
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by chaotzu | 2005-06-10 22:49 | 時事