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2005年 09月 02日

自民党テレビCMに唖然

◆コイズミさんのテレビCMをみてびっくりする。
“郵政民営化は改革の本丸です
27万人の郵政公務員の既得権を守って、いったいどんな改革ができるんですか
郵政民営化は全ての改革につながっているんです”
b0036803_18315147.jpg一国の首相が、公然と、自国民の一部をつるし上げている。27万人の郵政公務員がこれまでなにか問題を起したのだろうか。まるで非国民みたいな云われようだ。
たいした根拠もないのに、「国内仮想敵」をこしらえるやり口は、ナチス・ドイツのプロパガンダを連想してしまう。けっしておおげさではない。扇情的な演説で大衆心理をくすぐって下卑た方向に誘導するのは、ヒトラーの得意手だった。

◆もともと郵政民営化の目的は、財政投融資の改革が本筋であったはず。根本は国の財政赤字の問題である。また、特定郵便局長の時代錯誤的特権問題もあった。ところが、選挙目前のいまや「役人天国を許すな」の一点張りである。いつのまにかすりかえてしまっている。はっきりいって、選挙目当ての姑息なすり替えとしか思えない。
たしかに、リストラによるクビ切り跋扈やフリーターの増加等で雇用事情が不安定なご時世にあって、身分が安定している公務員を叩くのは、有権者にてっとりばやく受けるやり口かもしれない。
しかし、やみくもなリストラやフリーター(非正規就業者)の増加を助長してきたのは、他ならぬ自民党政府の施策じゃなかったのか、マニュアル一途の金融検査、人材派遣法の改正、労働市場の規制緩和……、とくにコイズミさんの時代になってからは、これまで以上に勝ち組負け組の鮮明な社会を目指しているようである。ところが原因の一端を自責するどころか、公務員叩きにすりかえている、ちょっとズルいのではないか。
なにより、公務員の総ボスであるはずの総理大臣が使用人の悪口を云うのは、自分に唾しているようなものである。

◆それにしても郵政公務員の「既得権」とはいったいなんだろう?
たしかに特定郵便局長の特権は問題大ありだが、その他の郵政公務員がなんらかの制度的恩恵をこうむっているのか。もしかして、国家公務員としての身分保障があることだけをもって、「既得権」としているのか。それならば、他の公務員も全く同じことであって、郵政公務員にかぎったことではない。しかし、CMをみるかぎり放置できない「既得権」があって、ただちに改革のメスを入れねばならない、まるで喫緊の課題といわんばかりである。あまりに云い様が大げさなのである。
「既得権」を云い募るのであれば、まず自らの議員年金から手をつけるべきだし、喫緊の課題ならばほかにもいっぱいある。
一国の責任ある立場の人間が、全国放送で発するコトバにしては、あまりにアバウトすぎはしないか。いい加減な軽いコトバに有権者が踊らされてはたまったもんじゃない。

◆なにも公務員の弁護をしようというのではない。問題があれば徹底的に俎上にあげて、必要な改革を断行するべしと思う。
とくに公務員、準公務員の不祥事等である。経済産業省の裏金づくり、あるいは検察庁の調査活動費や全国警察の捜査費流用問題、社会保険庁の年金財源ムダづかいに大阪市役所のヤミ専従、ヤミ超勤、そして雇用能力開発機構等特殊法人の乱脈経理、道路公団の官製談合……、役人天国問題はいっぱいある。
しかし、残念なことに、この種の問題でこれまで首相がリーダーシップを発揮したことを聞いたことがない。それどころか検察庁や警察の公費猫ババについては、まるで知らん顔である。それともこれらの問題もみな郵政民営化が関係してくると云いたいのだろうか(苦笑)

◆国鉄民営化のときは、JR移行で削減される人員の相当数を公務員として採用しているはずである。数万人規模ではなかったか。鉄道公安官は全員が公社職員から公務員になったし、そのほかの職員も一般の省庁がかなり吸収している。ただ単に民営化=公務員減らしにはなっていない。威勢のいいかけ声だけで簡単に民営化が実現するものならば苦労はない。
もちろん、郵政公社の民営化を全く同列に論じられないだろうが、もともと独立採算で賄えている公社であるとすれば、公務員減らしはたいしたセールスポイントにならないはずである。フリーター対策等からすれば、むしろ雇用機会の拡充のほうが重要である。
コイズミさんの云っていることは、分かりやすいかもしれない。しかし、あまりに粗雑すぎるのだ。意識的にしゃべっているとしたら、有権者をずいぶんバカにしたはなしであって、リフォーム詐欺といわれる所以である。
国民はそんなにIQ低くないぞ。
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by chaotzu | 2005-09-02 18:48 | 時事
2005年 09月 01日

【DVD】「緋牡丹博徒・花札勝負」 お竜さん一家集合

◆1969年東映映画、舞台は名古屋でこんどの大親分はなんとアラカン、任侠道の理想に最後まで殉じる老侠客、実にカッコいいです。対する悪玉やくざは小池朝雄と天津敏の豪華ダブルキャスト、なんだかもったいないような。

b0036803_21504893.jpg◆3作目となれば、お竜さんの口上もきまってきます。いくら父親がプロデューサーとはいえ、片肌脱ぎの女博徒シリーズなんて、最初は乗り気じゃなかったはずですが、ファンの絶大な支持があって、お竜さんもどんどんのってきます。1作目とは見違えるばかりです。
“ご当家の貸元さん並びに姐御さんまたはお身内のご一統さん、かげながらの仁義はお許しなさってください。向かいましたる受け人さんとは初見にござんす。したがいましてやつがれ、生国は九州、肥後熊本は五木でござんす。いまだ一本立ちの身をもちまして声明を発しますは高こうござんすが、お許しなさってください。
姓は矢野、名は龍子、又の名を緋牡丹のお竜と発します。渡世修行中のしがなき女にござんす。幾末万端お見知りおかれましてよろしくお引き回しの程お願い申し上げます”

◆こんども兄弟分の熊虎親分(若山富三郎)登場、お竜さんに会いに名古屋までやってきます。二人で散歩したとき握った手にずっと包帯を巻いたままです。
“お竜さんの匂いが逃げてしまうがなあ”
ところが、アラカン組長宅の住所を知らない。交番の巡査が“教えてやろまい”と云うので怒ったりします。たしかに名古屋弁はわかりにくいなあ(笑)。
出番はギャグだけではありません。敵地でお竜さんの窮地にさっそうと登場、持ち前の凶暴さまるだしになります。
“ガキはひっこんどれい”
“かわいい妹分になにしてくれるんじゃ、落とし前つけてもらおか”
凄みをきかすと、悪玉親分もびびってしまいます。アラカン親分が仲裁に入らないと、映画もその場ですぐ終わってしまいそうです(笑)。
本作では、熊虎親分だけじゃなく、後見人の大阪のおたか親分(清川虹子)に不死身の富士松(待田京介)も参上します。お竜さん仲間集合であります。

◆本筋の任侠ばなし、こんども安心して鑑賞できる勧善懲悪パターン、ずっと憎たらしかった小池朝雄に天津敏は、助っ人高倉健に見事にぶった斬られます。とくに天津敏は前作につづいて気の毒なやられようです。何もそこまでなあ。
しかし、ほんとにトラブルの原因をつくるいい加減なやつは、何も考えずに行動してしまうアラカン親分の息子のような気がせぬでもないというか(笑)。
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by chaotzu | 2005-09-01 22:00 | 日本映画