2005年 02月 17日
◆1964年アメリカーイギリスーギリシア合作映画。子供当時から気をそそられるタイトルの映画で、てっきりスパイものか冒険活劇の類かと思っていた。いざみると全然ちがっておりました。 原題は「ゾルバ・ザ・グリーク」で、ギリシア人ゾルバ。ひと言でまとめると西欧社会とは異質のギリシア人気質を描いた映画ということでしょうか。 舞台はクレタ島、紀元前には文明興隆の歴史があるも、映画当時は貧乏きわまる島である。雰囲気風習も独特で、寡婦を集団リンチにかけたあげく殺してもお咎めなし、安ホテルを経営するフランス人女性が亡くなったとたん、婆さん連中が押しかけて略奪し放題などかなりえげつない場面がある。 それでもギリシア人ゾルバは踊るのである。背景に苦難の歴史とそれでもめげないギリシア人魂があるのだろう。 ラスト、鉱山の再建が結局失敗しても、あっけらかんとしてゾルバはイギリス人の雇い主(「幻の市街戦」のアラン・ベイツである、この人も怪優)に云う。 「あんたにはひとつ欠点がある、冷静すぎるとこだ。時には我を忘れないと束縛から自由になれないよ」 イギリス人が云う「ダンスを教えてくれないかい」ゾルバ「よし、いこう」「それにしても見事に失敗したもんだよな」そしていっしょに大笑いする。 今までみたなかで最高の男同士のダンス・シーンだった。思わずこちらも踊りだしたくなってくるほどだ。 ◆それにしても、アンソニー・クインはなんでもこなした役者だった。器用なのか不器用なのかよく分からないが、イタリア人(道)、アラビア人(アラビアのロレンス)、ギリシア人(ナバロンの要塞)を演じている、インディアンの役もあったのではないか。国籍不明の味のある役者さんでした。
by chaotzu
| 2005-02-17 22:14
| 外国映画
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