2005年 03月 05日
◆最近のオキナワつながりでみる。1999年の公開映画であるが当時は全然知らなかった。舞台は東シナ海に浮ぶ沖縄粟国島、久米島より小さい地味な島でほんとに何もなさそうだが、それが魅力なのかもしれない。ブーゲンビリアがほんとにきれいだ。 ◆映画は沖縄民謡たっぷりののどかなムードで進むが、内容は79歳のバアサンが60年ぶりに再会した昔の恋人とかけおちするはなしで、もう過激さを通りこしてなんというか……。おそらく映画史上最高齢カップルの恋愛映画で、映画ネタとしてふつう考え難いが、それがなんなく成り立っている。観ていてたのしい映画である。 ◆主人公であるナビイの孫の東金城(あがりかねがすく)奈々子役はなんと「白い巨塔」の亀山看護婦さんの西田尚美、テレビの印象よりはうんと可愛い。しかしなんといっても祖父恵達を演じた登川誠仁が断トツである。沖縄民謡の大御所で映画初出演であるが、天然なのか飄々とした演技で周りを完全に喰っている。 「でもね、おっぱいが小さいのもまたいいもんだよ」 「どう。なかなかいいおしりだろ」 「♪ぷりぷりおしりがすてきです、おっぱいもきれいなのわたし、揉んでよ、早く揉んでよ」 牛の世話にでかけるときはいつも三線でアメリカ国歌を鳴らしている。 「ランチはトゥェルヴ・フォーティでいいから」 もう圧倒的な存在感。 ◆それから字幕つきの日本映画である。自分がみたなかでは初めてだ。テレビの「ドクター・コトー」なんかはその点いい加減、まあテレビじゃ仕方ないかな。 京都出身の中江裕司監督は琉球大学入学を機に沖縄に定着してずっと映画を作っているそうだ。こういう人もいるんだな。本作ではミュージカルに挑戦したそうだが、なかなか難しさを痛感したとのこと。たしかにミュージカル趣向は中途半端な感があるが、沖縄産映画でチャレンジしたその意気は見事。 [追記]書きもらしたが、主題歌はなんとマイケル・ナイマンが手がけている。いったい、どういうコネクションなのか、“沖縄産映画”とはとんと失礼しました。
by chaotzu
| 2005-03-05 10:52
| 日本映画
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