2005年 03月 12日
◆ぶるぶる、冬がまた復活したみたい、風も強い。で、どこにも行かずにまたビデオとあいなる。 2002年アメリカ映画。年とってから観たほうがいい映画があると書いたばかりだが、まさにそんな映画であった。どこか日本的テイストを感じる映画でもある。 定年退職、糟糠の妻の急死と過去の浮気露見、一人娘の婚約しかし相手はロクでもない奴など、老境に入ったシュミット氏の身辺は出来事てんこもり。なかでも、娘の婚約者の母親を演じたキャシー・ベイツとの混浴シーンには驚かされる。ベイツの垂れ下がったおっぱいに肥満したからだ、地味なはずの人生ドラマに突然挿入されたある意味すごいシーンで、ニコルソンが逃げ出すのも無理ないか(笑)。 かつての怒れる若者が演じる現代版「花嫁の父」でもある。結婚式のパーテイで心にもない祝辞を述べるシュミット氏の姿、なにやらもの哀しいコメデイだ。 ◆若い時分ならば、こんな辛気臭い映画どこが面白いねんだったかもしれない。ひとによって大きく感想が分かれるだろうが、自分にとってはインコースぎりぎり、心の琴線にストライクをずばり決められたような映画だ。キャンピングカーの旅行中に知り合った人妻から、ずばり深層心理を指摘されるシュミット氏、「あなたは怒っている、少し怖れている、そして孤独も感じている」 そうそう、自分も実際のところ怒っている、がんの手術、再発、転移……、あれ以来ずっと心の底では怒っている。このまま役立たずのまま消えていくのか。途中から主人公に感情移入することしきり。 ラストのシュミット氏の述懐 「私が死に私を知る人々も死んでしまえば、私など存在しなかったも同じ 私は他人に影響を与えたか? そんなことは皆無だ 一度もなかった」 そんな彼が思わぬ「贈り物」を受け取って、思わず涙を流してしまう。久々の感動映画でした。
by chaotzu
| 2005-03-12 18:55
| 外国映画
|
ファン申請 |
||