2005年 05月 10日
◆2004年日本映画、三谷幸喜の著名な舞台劇の映画化。 舞台はみていないが、戦時下の検閲というおよそ愉快じゃない題材ほど喜劇の神様が宿るのではないか、よくぞ見つけたりである。こりゃたっぷり笑わせてくれるだろうという期待深々でみる。 前半はすこぶる快調、どこかコント55号を連想させる。とくに警視庁検閲官を演じた役所広司、尊大かつ面白みのない役人を達者に演じている。さすがの芸名だねえと妙な感心。サディスティックな面や今川焼でみせる俗物根性も笑わせてくれる。 いっぽう、稲垣メンバーもとい稲垣吾郎も気が弱そうな台本作者がはまっている。この人の場合演技がどうこうよりも、役柄にはまったかもしれない。吾郎ちゃんが逡巡して恥ずかしそうに演じる「さるまた失敬」もこのひとならではだ。 以下ネタバレ注 ◆惜しむらくは最後までコメディで突っ走ってほしかった。検閲官は笑顔を見せずずっと仏頂面のままでいてほしかった。ラストはなんだかいい人になってしまい、まるでお涙頂戴劇になってしまったではないか。これでは笑の大学を卒業できない、中退だ。台本作者に来た赤紙もギャグにしてしまうほどの破天荒な展開にできなかったものかなあ。 その点成り行き任せの無茶苦茶なストーリーのまま突っ走った「ラジオの時間」のほうが面白かったように思う。 ギャグの自由度が高くなんでもありの映画ならではの「笑の大学」があってもよかったのではないでしょうかね。いや、こりゃまた、さるまた失敬!
by chaotzu
| 2005-05-10 22:15
| 日本映画
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