2005年 05月 24日
◆2003年アメリカ映画。イタリアを舞台にしたアメリカ映画はけっこうある。「ローマの休日」「終着駅」「旅情」……、もっとあるかもしれない。とにかくハリウッドはイタリア大好きだ、あるいはアメリカ人の歴史コンプレックスゆえかもしれない。 本作は離婚により傷心のアメリカ人中年女性が、イタリア・トスカーナ地方に暮らすうちに、心が癒されていくというはなし。 はっきり云ってキャサリン・ヘプバーン「旅情」の二番煎じみたいなもので、骨董品を買い求めて、イタリアのオトコにひっかけられるところまで同じである(笑)。青年は荒野をめざす、そして、中年はひたすら陽光とワインをめざすのか。 あと、フェリーニの有名な噴水シーンまでそっくり真似しているが、なんだかね。 ◆ヒロインのダイアン・レイン、このときはまだ30代後半のはずであるが、はげしくオバサン化が進行している、ちよっとショック。もっともそういう役作りなのかもしれない。 それにしても「リトル・ロマンス」(これもイタリア・ベニスが舞台だ)の10代美少女、いまいずこである(泣)。なにしろ、ダイアン・レインといえば、かつて日本でいえば後藤久美子みたいな存在だったのである。それが、イタリア語で結婚体験の有無を訊かれて、性体験のことと勘違いして「最近はご無沙汰なの」なんて返事をしている、まことにあっけらかん(笑)。 もっともフランス人と結婚して女優をリタイアしたゴクミとちがって、役者根性のほうはアッパレというべきか。 ◆見どころはトスカーナの風景、ひまわり畑、田園風景のなかに散在する絵本に出てくるような民家、思わずみとれる風景である。また、トスカーナから離れるがナポリの南方、海辺のリゾート地ポジターノの景観もすばらしい。まあいってみれば観光映画である。こんなお日様いっぱいのところに住んでおいしいワインを呑んでりや、そりゃ癒しになるでしょうよってところ。 大阪の天下茶屋あたりで安物の焼酎呑むのとは大違いである。あたりまえだよ、そりゃ。 ◆映画の本筋とはあまり関係ないが ・浮気した夫が離婚を申立てしているのに、財産を分捕られるという不条理さ、そしてゲイ専用の団体ツアー、毎度思うがアメリカというかくも不思議な国。 ・ヒロインが購入した“ブラマソーレ”なる貴族の邸宅、築後300年のしろものであって、住むには大補修が必要。で、その職人さんがみんなポーランドからの出稼ぎ組なんである。ポーランドで大学教授だった人が電気工であったり、サッカーのラモス・瑠偉のそっくりさんもいる。EUの拡大とそれに伴うボーダーレス化を感じさせられる。
by chaotzu
| 2005-05-24 23:59
| 外国映画
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