2005年 05月 27日
◆創元推理文庫、単行本初刊は1990年1月。 「円紫師匠と私」シリーズの二作目、ミステリに分類されているが、解明されるのは日常生活のなかのささやかな謎である。まだ2作しか読んでいないけど、よくも着眼するものだと感心。探偵役に落語家を充てるのもアイデアである。たしかに人間の日常心理を深く掘り下げる商売であることでは共通している。 ◆・同い年の親友が誕生日の星座を教えてくれないのはなぜ? ・本屋さんの平台で本の向きを変える「イタズラ」はなんのため? はなしの結末は単なる謎解きにとどまらず、人間心理の機微を抉っている。ぎょっつとするような酷薄さもある。高野文子の可愛らしい表紙絵に騙されてはいけません(笑)。 「朧夜の 底を行くなり 雁の声」
by chaotzu
| 2005-05-27 23:59
| 読書
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